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王都にて、王子と多重人格者
帝国危なさそうなので、クロは援軍に行きます
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今日は私...なのだが、何故か屋敷が騒がしいな。
使用人がせわしく行き交っている。
執事の人に急にアストルフ伯爵に呼び出されたと言われ、向かう、支度を整えると、王が王都にいる家臣を集めているため、来てくれないかと言われてしまった。今日は騎士団のところで騎士達と演習をすると言う予定があるが、それどころではないらしいので、一緒に王城へ着いて行くことにした。
記憶はだいたい見ているクロである。
最近の様子も無論チェック済みだ。グリーンのやつ魔力ないのかよ、面白すぎやしないかwノートを確認しながら自分が見てきた記憶と擦り合わせる。この作業も大切である。現状クロしか記憶をちゃんと見ていないので、今の自分の状況を正しく把握できるのはクロだけども言えよう。
急いで朝食をかきこみ、馬車へ乗り込んで王城へと向かう、見れば私たちと同じような馬車を数多く見かける。どうやら皆王城へと向かうようだり
王城につき、王の間へと向かうと、既に騎士団、および魔法局の面々は集合していた。王と王子はまだだが、アストルフが席に着いた少し後に辺境候の1人が到着し、この王都にいる重臣達は全て集まった。
宰相らしき男が、王の入場を教える。
王が入場してきた。2人の王子がともに着いて行く、2人とも隠してはいるつもりなのだろうが顔色は良くない。この場にいるのは私を含めて50名ほどではあるが、ここに集まった者達は王都でもそれなりの地位、役職につく者達ばかりだ。察しはいいはず。そんな彼らは、王と王子2人の様子を見て、今回朝から急に集められた会議の不穏さを感じ取っていた。
王は玉座に、王子達もそれぞれ自分の場所へ行く。
『このような早い時間から来てくれたことに感謝する。要件を言わせてもらおう。先程、通信魔法で帝国より連絡が入った。帝国と魔王軍の領境より魔王軍が出現。帝国軍の領内に侵攻を始めている。王国軍は帝国の援軍申請に呼応し、援軍派遣に向かうことが決まった。』
突然の魔王軍の襲来、これまでの歴史上で、魔王軍が軍として攻め込んで来たことなどない。せいぜい魔王領で生き残れなかったゴブリンの群れが攻め込んでくる程度の話である。今まで起こり得なかった事態に直面し、重臣達にどよめきが走る。それと同時に、今回の援軍の役回りで、今回の王位継承問題について、王がどちらの王子を上に見ているか分かるということも、重臣達は察した。
今回の帝国への遠征で、王の代わりに魔王軍に対する援軍へ行くものこそが、王の代役として帝国に顔を売ることができる。また、王の代理として援軍へ行くものこそ、国民にも、そして家臣達にも自分が次の王だとアピールすることができるというものだ。それを即座に理解し行動に移したのはベリアス王子だった。
『父上、今回の戦、魔王軍の猛攻は激しいものになるでしょう。ここは騎士団と最もうまく連携ができる私を今回の遠征の指揮官にして下さい。きっと魔王軍を打ち破って見せましょう。』
そう言ったのはベリアスだ、続いてライトも手を挙げるが、それで発言した言葉は重臣達に衝撃を与えた。
『父上、今回の戦は先程兄上が言いました通り激しいものになるかと存じます。今回の戦いの指揮官は私では力不足でしょう、兄上がやるのでも不安が残ります。ここは父上自らが指揮官として援軍に行くことが相応しいと思います。是非私たちを勝利へと導いて下さい。』
これには家臣も度肝を抜かれた。てっきりライト王子も自分を指揮官に、と押すと思われたためである。ベリアスもまさかのライトの提案に驚いていた。
ガウェイン王は、満足そうにいいつつもライトに質問する。
『ほう、なら誰がこの王都を守る?帝国に攻め込んで来たのだ、王国にこないとも限らないではないか。』
『それでは父上、私が残りこの王都を守りましょう。それに加えて魔法局の協力があれば百万の魔王軍とて恐るるに足りません。無傷で王都をお返しすることを約束しますよ』
そうライト王子は言い切った。王は満足そうである。元々王は自分が出ることを決めていた。歴史上恐らくはじめての魔王族との全面戦争、能力も戦術も全く未知数の中、負けたら次は王都に来るかもしれないリスクを背負ってまで王子を送り出すつもりはなかった。しかし、自分の能力が兄よりも劣っているのを素直に受け止め、手柄を立てさせないように指揮官を王である私に変えようとするとは、中々機転が利くようになったではないか。
王は息子の成長っぷりに笑みをこぼしそうになりながらも宣言した。
『ライトの意見を採用する。今回は私自らが前線へと赴く、ベリアスと騎士団、ケイアポリス中から軍を集めろ、王都の守りはライトに任せる。先ほどの宣言通り無傷で私に返せ、その間の政務をも一時的にライトに全て任す。他のものは軍備の準備に向かえ!以上だ。下がれ』
結果だけ見れば、前線へ出て手柄をとると言うチャンスを取ったベリアス王子と、王都で政務を任されたライト王子と五分五分、もしくは前線へ出るチャンスを与えられたベリアス王子に軍配があがる結果になったのだが、あの場に集まった重臣達の中では、既に王にどちらが相応しいか決まってしまっていた。
ベリアス王子は魔王軍戦で結果を出さねばならない厳しい状況に追い込まれてしまった。
こうして王の間での話は終わったのだが、私はそのあとちょっと王に呼ばれた。
『すまないな、後日お前に行う予定だった受勲式ができなくなってしまった、申し訳ないな。』そう王が謝罪して来た。
非公式の場とはいえ王がそう簡単に一般人に頭を下げてもいいのか、とは聞こうとしたが、向かうの誠意にケチをつけるのもどうかと思いやめた。それにイエローから書いてあったノートの通りなら、この後王に帝国への戦について来てくれないか?と頼まれる筈だ。
『謝罪の後で申し訳ないが、今度の魔王軍との戦、厳しいものになりそうだ。そこで是非お主にも参戦して欲しいと思ったのだが、如何か?』
............やっぱりな。
神器使いを持ってる怪しい人間を置いて王都から出れない、と言うことなのだろう。まぁレッドやグリーンの目的としては、帝国の王都へ向かって、召喚術を学ぶことだっけ?ちょうどいい。そろそろまた戦いたいと思っていたところだ。私はそれを許諾。ここに歴史上初である魔族軍と人間の全面戦争が始まろうとしていた。
ーーーーケイアポリス戦記
帝都カイゼルの戦い
後に英雄となるグリーンが再び歴史書に名前を記載される戦争であり............
『最悪の撤退戦となる』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
状況は最悪だ、魔王軍は既に帝国領内の6割型を手中に収めている。この状況を逃れるための策はもはやない。王国に援軍を求めることはできた、がそれすらも間に合うかどうかはわからない。
ここは帝都、カイゼル
王都には及ばないものの、それなりに平和な街として知られている。しかし魔王軍の襲来に合わせて、その活気は失われつつある。魔王軍は強く、あと1ヶ月もすればここ、帝都にたどり着くだろう。それほどまでに圧倒的な戦力差があるのだ。
コンコン、と言うノックとほぼ同時で、私の一人娘が入ってきた。私は長年子宝に恵まれなかった。待望の王子が生まれなかったため、後継者の問題で随分と苦労しているだろう。
なんだ、と声をかけると私の娘、マナは答えた
『このままでは帝国は滅亡してしまいます。父上、私に「勇者召喚」の儀をお任せください。』
それは、と私は言いかける。勇者召喚の儀式は危険である、帝国は勇者がお作りになったとされているが、その勇者を召喚するために、先人たちは大変なる苦労をしたと言う。時には召喚の儀を失敗し、悪魔を呼んで村人たちが全滅の危機に追いやられたと言う話まであるのだ。下手をすれば、魔王軍が攻め入ってくる前に帝都は悪魔によって絶滅に追いやられるだろう。だが、どちらにせよ打つ手がないのだ。ここは自分の愛娘に全てを託すのもアリなのかもしれないな。
やってみろ、そう言うとマナは嬉しそうに部屋を飛び出していった。
もう世代交代の時期か、どうか無事に成功し、新しい救世主の誕生となることを...
帝国の皇帝はただ、祈るのみであった。
使用人がせわしく行き交っている。
執事の人に急にアストルフ伯爵に呼び出されたと言われ、向かう、支度を整えると、王が王都にいる家臣を集めているため、来てくれないかと言われてしまった。今日は騎士団のところで騎士達と演習をすると言う予定があるが、それどころではないらしいので、一緒に王城へ着いて行くことにした。
記憶はだいたい見ているクロである。
最近の様子も無論チェック済みだ。グリーンのやつ魔力ないのかよ、面白すぎやしないかwノートを確認しながら自分が見てきた記憶と擦り合わせる。この作業も大切である。現状クロしか記憶をちゃんと見ていないので、今の自分の状況を正しく把握できるのはクロだけども言えよう。
急いで朝食をかきこみ、馬車へ乗り込んで王城へと向かう、見れば私たちと同じような馬車を数多く見かける。どうやら皆王城へと向かうようだり
王城につき、王の間へと向かうと、既に騎士団、および魔法局の面々は集合していた。王と王子はまだだが、アストルフが席に着いた少し後に辺境候の1人が到着し、この王都にいる重臣達は全て集まった。
宰相らしき男が、王の入場を教える。
王が入場してきた。2人の王子がともに着いて行く、2人とも隠してはいるつもりなのだろうが顔色は良くない。この場にいるのは私を含めて50名ほどではあるが、ここに集まった者達は王都でもそれなりの地位、役職につく者達ばかりだ。察しはいいはず。そんな彼らは、王と王子2人の様子を見て、今回朝から急に集められた会議の不穏さを感じ取っていた。
王は玉座に、王子達もそれぞれ自分の場所へ行く。
『このような早い時間から来てくれたことに感謝する。要件を言わせてもらおう。先程、通信魔法で帝国より連絡が入った。帝国と魔王軍の領境より魔王軍が出現。帝国軍の領内に侵攻を始めている。王国軍は帝国の援軍申請に呼応し、援軍派遣に向かうことが決まった。』
突然の魔王軍の襲来、これまでの歴史上で、魔王軍が軍として攻め込んで来たことなどない。せいぜい魔王領で生き残れなかったゴブリンの群れが攻め込んでくる程度の話である。今まで起こり得なかった事態に直面し、重臣達にどよめきが走る。それと同時に、今回の援軍の役回りで、今回の王位継承問題について、王がどちらの王子を上に見ているか分かるということも、重臣達は察した。
今回の帝国への遠征で、王の代わりに魔王軍に対する援軍へ行くものこそが、王の代役として帝国に顔を売ることができる。また、王の代理として援軍へ行くものこそ、国民にも、そして家臣達にも自分が次の王だとアピールすることができるというものだ。それを即座に理解し行動に移したのはベリアス王子だった。
『父上、今回の戦、魔王軍の猛攻は激しいものになるでしょう。ここは騎士団と最もうまく連携ができる私を今回の遠征の指揮官にして下さい。きっと魔王軍を打ち破って見せましょう。』
そう言ったのはベリアスだ、続いてライトも手を挙げるが、それで発言した言葉は重臣達に衝撃を与えた。
『父上、今回の戦は先程兄上が言いました通り激しいものになるかと存じます。今回の戦いの指揮官は私では力不足でしょう、兄上がやるのでも不安が残ります。ここは父上自らが指揮官として援軍に行くことが相応しいと思います。是非私たちを勝利へと導いて下さい。』
これには家臣も度肝を抜かれた。てっきりライト王子も自分を指揮官に、と押すと思われたためである。ベリアスもまさかのライトの提案に驚いていた。
ガウェイン王は、満足そうにいいつつもライトに質問する。
『ほう、なら誰がこの王都を守る?帝国に攻め込んで来たのだ、王国にこないとも限らないではないか。』
『それでは父上、私が残りこの王都を守りましょう。それに加えて魔法局の協力があれば百万の魔王軍とて恐るるに足りません。無傷で王都をお返しすることを約束しますよ』
そうライト王子は言い切った。王は満足そうである。元々王は自分が出ることを決めていた。歴史上恐らくはじめての魔王族との全面戦争、能力も戦術も全く未知数の中、負けたら次は王都に来るかもしれないリスクを背負ってまで王子を送り出すつもりはなかった。しかし、自分の能力が兄よりも劣っているのを素直に受け止め、手柄を立てさせないように指揮官を王である私に変えようとするとは、中々機転が利くようになったではないか。
王は息子の成長っぷりに笑みをこぼしそうになりながらも宣言した。
『ライトの意見を採用する。今回は私自らが前線へと赴く、ベリアスと騎士団、ケイアポリス中から軍を集めろ、王都の守りはライトに任せる。先ほどの宣言通り無傷で私に返せ、その間の政務をも一時的にライトに全て任す。他のものは軍備の準備に向かえ!以上だ。下がれ』
結果だけ見れば、前線へ出て手柄をとると言うチャンスを取ったベリアス王子と、王都で政務を任されたライト王子と五分五分、もしくは前線へ出るチャンスを与えられたベリアス王子に軍配があがる結果になったのだが、あの場に集まった重臣達の中では、既に王にどちらが相応しいか決まってしまっていた。
ベリアス王子は魔王軍戦で結果を出さねばならない厳しい状況に追い込まれてしまった。
こうして王の間での話は終わったのだが、私はそのあとちょっと王に呼ばれた。
『すまないな、後日お前に行う予定だった受勲式ができなくなってしまった、申し訳ないな。』そう王が謝罪して来た。
非公式の場とはいえ王がそう簡単に一般人に頭を下げてもいいのか、とは聞こうとしたが、向かうの誠意にケチをつけるのもどうかと思いやめた。それにイエローから書いてあったノートの通りなら、この後王に帝国への戦について来てくれないか?と頼まれる筈だ。
『謝罪の後で申し訳ないが、今度の魔王軍との戦、厳しいものになりそうだ。そこで是非お主にも参戦して欲しいと思ったのだが、如何か?』
............やっぱりな。
神器使いを持ってる怪しい人間を置いて王都から出れない、と言うことなのだろう。まぁレッドやグリーンの目的としては、帝国の王都へ向かって、召喚術を学ぶことだっけ?ちょうどいい。そろそろまた戦いたいと思っていたところだ。私はそれを許諾。ここに歴史上初である魔族軍と人間の全面戦争が始まろうとしていた。
ーーーーケイアポリス戦記
帝都カイゼルの戦い
後に英雄となるグリーンが再び歴史書に名前を記載される戦争であり............
『最悪の撤退戦となる』
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状況は最悪だ、魔王軍は既に帝国領内の6割型を手中に収めている。この状況を逃れるための策はもはやない。王国に援軍を求めることはできた、がそれすらも間に合うかどうかはわからない。
ここは帝都、カイゼル
王都には及ばないものの、それなりに平和な街として知られている。しかし魔王軍の襲来に合わせて、その活気は失われつつある。魔王軍は強く、あと1ヶ月もすればここ、帝都にたどり着くだろう。それほどまでに圧倒的な戦力差があるのだ。
コンコン、と言うノックとほぼ同時で、私の一人娘が入ってきた。私は長年子宝に恵まれなかった。待望の王子が生まれなかったため、後継者の問題で随分と苦労しているだろう。
なんだ、と声をかけると私の娘、マナは答えた
『このままでは帝国は滅亡してしまいます。父上、私に「勇者召喚」の儀をお任せください。』
それは、と私は言いかける。勇者召喚の儀式は危険である、帝国は勇者がお作りになったとされているが、その勇者を召喚するために、先人たちは大変なる苦労をしたと言う。時には召喚の儀を失敗し、悪魔を呼んで村人たちが全滅の危機に追いやられたと言う話まであるのだ。下手をすれば、魔王軍が攻め入ってくる前に帝都は悪魔によって絶滅に追いやられるだろう。だが、どちらにせよ打つ手がないのだ。ここは自分の愛娘に全てを託すのもアリなのかもしれないな。
やってみろ、そう言うとマナは嬉しそうに部屋を飛び出していった。
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