多重人格者の異世界転移〜あれっお前魔王じゃね?!〜

くろこん

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最後の神器を求めて

ダンジョン3層目〜ホワイト〜

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ふぅん!!

両手を前に出して、ズシン、という重厚な音と共に、丸い大岩は活動を停止した。

ホワイトが受け止めたのだ。

2層目からさらに下へと下り、

前に来たであろう武士が書いた

「ここより3層目」の岩に書いてあった文字を信じるならば、ここは3層序盤のあたりだろう。

その途中少し休憩しようと、エルザが羽ばたくのをやめ地面に降りた瞬間。カチッというスイッチの入ったような音が響き、遠くから岩が流れてきた。

それをホワイトは止めたわけである。

......ダンジョンのお約束みたいな大岩だったわね。

それにしてもエルザちゃん、スイッチのあるところに止まるなんて、運悪すぎじゃないかしら...

ふんっという掛け声に合わせて、両腕が不自然なほどに肥大化し、大岩はホワイトが粉々に砕いた。抱きつくような形から、一気に元大岩はバラバラになり、あたりに拡散した。

ふぅ、とホワイトは小さく息を吐く

3層目は大岩か、一層目についていた、灯のようなものはもうほとんどない。ここまできた侍の数がそもそも少ないからなのだろうか。それとも灯をつける暇がなかったのか、恐らくどちらもだろう。

仕方ないわね、神器に力を入れてみる。

元々光っていた神器がより強く光始め、暗闇だった3層を明るく照らす。そうすると地面まで見えるようになった。

そこには、鎧の切れ端のようなものや、ぐしゃぐしゃになった骨などが放置されていた。恐らく、大岩に潰されたものだろう。

4層まで侍達は辿りついたって言ってたわよね?

逆にどうやってここを乗り越えたのかしら、侍達は...

と思いながら道を進んでいたのだが、その道中で意図的に作られたであろう脇道が所々にあった。恐らくこの隙間に入って難を逃れたのであろう。

なるほどね、「クリアさせる気」はあるのね、サブローちゃんは。お宝をただ渡したくないなら、もっと厳しい罠が仕掛けられていて当然。

脱出不可能な落とし穴、さっきの大岩だって、脇道がなければ、アタシぐらいの力がないと受け止められない。

つまり、このダンジョンを作った男は、宝物を渡す気はあるのだ。選ばれたものにしか渡したくないだけで。

そして数百年経った今でも、その人が見つからないだけなのだ。

う~ん、数百年の時間、選ばれし人を待ち続ける

中々にロマンチックじゃない!残念ながらサブローちゃんはもう生きてないでしょうけどね!

まぁ現状、落とし穴もエルザちゃんが飛べるから問題ないし、魔物も大岩もワタシより非力だから問題ないんですけど.........

問題は、5層目ね

4層目までをクリアして、無事に戻ってきた侍の書いた、ダンジョンに関する書物を、グリーン、レッド達のノートを頼りに、ホワイトは知っていた。



『我が剣、未だ剣神に劣るとも、毒を避け、罠を見抜き、岩を切り抜け5層目に到着せんとす、しかし、我が足、前に進むこと叶わず。

隊を預かるものとして、多くの犠牲者を出してしまったことによるものもあるのだろう。この試練は大勢で来るものではなかった。今我が元にあるものは10人にも満たない。

5層の入り口に立つ、足が震える。この感情は、畏怖なのか、それとも恐怖か。お屋形様からの命令に背き、負傷者を担いで帰路に着く。

あの恐怖以上のものを、儂は2度と味わうことはないだろう。』

そこで5層目に関係する記述はなくなる。

楽しみだわ~~~

そんな畏怖や、恐怖を与える気を持つ御仁なんて、一体どんなにいい男なんでしょうね。

まぁ絶対人じゃないでしょうけどね。

しかし、そんなホワイトの気持ちとは裏腹に、視界が暗転し始めた。

あら、残念。このダンジョン攻略しきってから交代したかったのに。

まぁいいわ。今回は私も「見て」おくから。

エルザが少し脇道を見ている少しの時間で、ホワイトの視界は暗転し、次の人格へと交代を果たした。




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