多重人格者の異世界転移〜あれっお前魔王じゃね?!〜

くろこん

文字の大きさ
74 / 150
最後の神器を求めて

イエローと喋る絡繰〜オワリノダンジョン最深部

しおりを挟む
最後の一体...

イエローは無言で、既に変化しているナイフverギリオンを横に振る。

最後に残っていた絡繰は、首部分を両断され、そのまま崩れ落ちた。

血が吹き出る...かと思いきやそうでもない。当然である。これはただの絡繰...ダンジョンん内の魔力によって操られた自動人形である。

これが30体ほど、先程4層目に入ってすぐ、襲いかかって来た。それに加えて魔物の群れ、

数が多すぎる...

魔力の多い場所に自然に出現する魔物。

ここの異常なほどの魔力に呼び寄せられ、Bランク上位程度の魔物が数多く出現した。

...とはいっても、エルザでも一撃で屠れるレベルではあったので、問題がないといえばそれまでなのだが...

ふむ、取り敢えずここが4層目で、次が5層目ですかな。

洞窟によって、自然に下へと進んでいける4層目と違って、5層目にはちゃんと扉がついていた。

ここが...書物に書いてあった、恐怖を感じた場所、ということですかな。

イエローは情報集めの時にダンジョンのことについて書いてあった書物を思い出す。

4層までのトラップを潜り抜けたものをも畏怖させる、そんなものがこの扉の向こうにいるというのですかな...

扉へと手をかける。

ドア式になっているドアノブにかけていた手を、イエローは咄嗟に外して臨戦態勢をONにした。

音が止まる。イエローの全身から危険信号が鳴り響いたのだ。

瞬間、イエローの普段を知る者なら、「絶対にありえない」であろうと思う表情をイエローはしていた。

その顔は怒りであり、恐怖であり、畏怖であった。

後ろにて扉を開くイエローを待っていたエルザですら、一瞬イエローが発した気配に驚く。

『......エルザ、少し様子を見てきます、ここで待っていては下さいませんか?』

『え...ええ、出来るだけ早くね』

途端、その答えを聞くのが早いか、慎重に扉を開けながらも、体を滑り込ませるように音もなく扉の中にイエローは入っていった。

あまりに瞬間の出来事にエルザも呆然とするしかなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

音もなく部屋へと侵入に成功したイエローだったが、自分がこの部屋に足を踏み入れた瞬間、部屋中に明かりが灯った。

部屋は四角く囲まれた場所だった。

学校の教室程度の大きさに、奥に鎧武者がいる以外何もない。いや、奥に扉があるのがよく見ればわかるのだが、鎧に隠れてて見えない。灯りは蝋燭で、部屋の側面に灯っている。

蝋燭ですか、一体どうやってついたのやら。

それにしても...純粋な、混じりけも何もない、「殺気」ですなぁ。そう思い、イエローは目の前にいるそのものへと視線を向ける。

それは、二脚の和風椅子に腰かけた、鎧姿の、人型の「何か」だった。

南蛮鎧、と形容するのが正しいだろうか。縦に長い兜、背中には赤いマントをたなびかせており、表情は仮面に隠れててわからない。

人の気配ではない。だが、怪物の気配でもない。ゴーレムか?しかしあの殺気は、人でければできないものだ。

そんな南蛮鎧の武者は、部屋に灯りがついた途端に目が光りだし、立ち上がる。

その目は確かに発光している。しかしその目は、人よりも冷たく、激しかった。

『ふむ......来たか。随分と長い間待たされたものだ。最後の試練を始めよう。』

『その言いよう、やはり試練か、あのくだらんトラップの数々は。魔物が出てきて大変でしたな。』

イエローの、いつものおどけた口調もなりを潜めている。完全に臨戦態勢だ。

『...そうか、魔物が出現しているのか。それで難易度が跳ね上がり、ここまで長い間誰もこなかったというわけだ。』

自分の鎧についた誇りを取り払いながらも、それはそう呟いた。

『......試練を開始する。我が名は三郎、この地に栄華をもたらしたものなり、貴様が私の何を望むかは知らぬ、我が力にお前が上回ったとき、我が知恵、我が宝、我が力、全て余すことなく貴様にくれてやろう。好きに使うがいい。』

そう言うと、三郎と名乗った鎧武者は、刀を抜いて斬りかかる

三郎?!数百年前の人物ですよね

そう考えていたイエローは、その瞬間思考を切った。ギリオンをナイフにし、構える。

最後の試練が始まろうとしていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

処理中です...