多重人格者の異世界転移〜あれっお前魔王じゃね?!〜

くろこん

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10章 多重人格者の未来は

緑と意外な女神の報酬

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「で、それで今日は何を作るの?」

「何にすっかな~この前蕎麦作ったし、今日はうどんでも作るか」

 あの、未曾有の災害より1週間ほどが経過した。王国の被害は軽微、王都にいた民達も、順次王都へ帰還してきており、昨今の盛り上がりを取り戻しつつある。

 オレは、王様への報告もイエローが終わらせてくれたらしいし、今はこうしてアストルフ邸で晴耕雨読の毎日だ。

 王都で遊んだり、本を読んだらして過ごしている。こうして飯の時に調理場を借りて料理をするのもその一環だ、何故かコレットも付いて来たけどな。貴族が厨房上がるとか大丈夫か?と言わざるを得ないが、花嫁修行の一環なので問題ないらしいのだが。

 もう少しで受勲式やなんやらがあるらしいけど、正直面倒くさいので他の奴の時になって欲しい。

 今回のアイテール戦の話は、表向きは「ベリアス王子」がアイテールを倒したという話にするようらしい。裏での本当のアイテールとの戦いは、おおっぴらにはしないということで話がついた。

 流石に功績が溜まりすぎだという意見らしい、一介の流れ者である自分がここまでされてしまうと、他の貴族達とのバランスが取れなくなってしまう。一応神器使いということである程度の手柄は許されているらしいが。

 まぁ、血筋も何もない流れ者という設定の自分である。精々が男爵で辺境の僻地にぶち込まれるか、領地無しの法衣貴族という感じで王都に永遠に軟禁、というコースが王国としては一番いいんだろうな、正直今の自分の軍団が王国最強である自覚はあるし。

 法衣貴族である将軍が人魔大戦において大量に戦死したため、枠は十分に余っている筈だしな。

 帝国の復興も進める予定らしい、元々世界を救った勇者が建てた国だし、このまま侵略とか言うのも王国の経済的状況的に厳しいものがある。

 これからは、王国の援助を多少なり受けながらも、帝国復興のために進んでいく、と帝国はじめての女帝候補であるマナという女性が言っていた。

 なんかベリアスが最近その方とよく一緒にいるみたいだけど、まぁオレには関係ない話だな

「グリーン、うどんゆですぎじゃない?」

「あ、本当だやべ。」

「やべーじゃないよ!?」

「大丈夫、食える食える」

「え~なんか今日のグリーン大雑把すぎ、前は砂糖何グラムとかまで正確に測ってたのに」

「待て、この前一体何作ってたんだ?」

「イチゴケーキ」

 絶対美味しい奴だ、それ。無駄に凝ってるな、いいなぁオレも喰いたいなぁ。だけど食事とか凝るの面倒だしな、これもヒマ潰しだし。

 グリーンは、その夢が実在することが間近に迫ることを知らぬまま、コレットとの食事作りを進めるのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 それは、夜中の寝室での出来事だった。

 夜に急に目がさめるなんてそんなにないことなんだけどな、とそんなことをレッドは考えながらも体をゆっくりと伸ばす。

 精神的に疲れやすいこの体は、急に覚醒するなどの事例が極端に少ないのだ。

 イエローやクロは別として、小市民な僕やグリーンは別に安眠できる環境に常に身を置いているのだ。

 目覚めてしまったのは仕方がない、ゆっくり本でも読むか。











「あの、なんでいるんですか?」

「いたらまずいことでも?」

ベッドの隣には、気づけばフレイヤ、ウルフィアス、そしてアイテールがいた。アイテールはくるくると部屋にある椅子を回して遊んでいる

「てか、生きてたんですねアイテールさん」

「当たり前だ、私は神だぞ」

「蘇生したのは私なんですがねぇ...」

「そうだが、お前には大量に貸しがあるからな。この程度で返せたと思うなよ?」

「はいはい」

アイテールとウルフィアスの会話。この2人、結構仲が良いようだ。

「まぁとにかく喜べ、輝赤。神々が全て揃っているのを拝めるなど、普通の人間には絶対に起こり得ないことだぞ。崇めろ」

「そんなことを言いに来たのではないのですが、グリーン。いや今は輝赤と呼んだ方が良いですね。報酬の件でお話があります」

 あ、報酬か。

 となると僕の願いは元の世界に帰ることだから、この世界の人達ともお別れか、寂しくなるなぁ。

 少しだけお別れの時間とかくれませんかね?一応挨拶とかしたいんですけど、ねぇ、なんで僕の頭掴んでるんですか?フレイヤさんー

「ふんっ」

 そんな、女神にあるまじき声を出しながらも、僕の体をスイカみたいに真っ二つにした。

「ウルフィアス」

「了解、ほらよっ」

僕の頭から出た魂的な光の玉を、ウルフィアスが箱から出した何かの中にぶち込む

すると、その中から青いトゲトゲした人物が出てきた。

あれ、魔王じゃね?

「ん?どこだここは」

「川崎真也、お疲れ様でした」

「ん、フレイヤか。ということは終わったと言うことか」

「そう言う事です」

あ、そうか。魔王を出すためにやったのか、川崎さんは僕と違って異世界転生者だ。

そりゃ元の世界に帰りたいですよね...

「フレイヤさん、なんで僕の頭をまだ掴んでるんですかね?」

「報酬のお支払いのためですが」

「え?と言うことは他の人格も」

「勿論です」

えっそんなこと願った覚えなっアーーーーッ


「ということです」

「そう言うことですか、はてさて、我が主人は一体何を願ってしまったのですかな」

「ま、マジかよ。まさかもう交代とかもなくなるということか」

「うん、悪いことではないな!若干体は動かずらいが!」

「じゃあこれからは好きなようにしてもいいのね!やったわ~~」

「みんなにたかおなのに、ちがうのね!」

「ん?待て、2人ほど性転換してるぞ!?」

「あ、ピンクとクロは女の子にしてみたよ?コスト的に2人しかできなかったけど。これは僕の趣味ね」

 上からレッド、イエロー、グリーン、クロ、ホワイト、ピンク、そして魔王ことアオである。

 交通事故の際、輝赤が思ったこととは「他の人格なら事故には合わず、回避できていたのでは?」という考えであった。

「ということで全人格にそれぞれ体を持たせました。これが報酬です」

「用意するの大変だったから、大事に使ってね」

「あ、ありがとうございます」

 とは言っても、7人それぞれ、服装や雰囲気が違う。レッドは赤の基調とした落ち着いた髪、クロはかきあげた髪の黒の服装に、鋭い目。グリーンはポケットの多い服装で、眼鏡をかけている。というよりアイテールの白衣を緑色に染めただけじゃない?

 魔王さんはこの前会った服装と同じかな?イエローは黄色が基調で、それ以外は僕と同じなのだが、心なしか雰囲気が初老っぽい、というか顔が全体的に50年くらい歳取ってるように見えた。それでも汚い老い方ではなく、上品な歳の取り方のように見えた。

 一番変わってるのはイエローかもな、そう思っていた輝赤はその隣を見て目を奪われることになる。

ピンクのレース調の服装、唯一と言っていいほどの気合の入った女の子の服装。

ウルフィアスさん、服装の中で一番気合入ってるじゃないですか!!

「では、報酬は終わりましたので、これで失礼します」

「いやいや、一個じゃないだろ、フレイヤ。私を倒したんだ、魔王の時におまけをつけてあげたのを忘れたのか?」

「そうですね、では「希望者」のみ元の世界に帰る補助をしましょう」

アイテールが機転を回したのか、元の世界に帰れることが決まってしまった。





「と、いうことで!第1回人格者会議を始めまーす!」

かくして、多重人格者達の会議が始まった。




 






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