この世界は広いから ～家から逃亡した転生者は自由に生きます～

第一章 逃亡編

２話 運命の出会い

「スゥーはースゥーはー」

森は、青々としており、時より聞こえる小鳥のさえずりも心地の良いものである。

うん。とってもいい気分だ。
やっぱあの家はダメだなー、空気が最悪だ。それにしてもやっぱり森は綺麗だ。

「よーし、木の実探すかー」

しばらく探すと、小さい木の実がなっていた。

なんか、前世でいう野イチゴみたいだな。
ていうかこれって食べてもいいのか?ダメだ考えたらあの家に居ても餓死する可能性がありすぎるからな。
何でもいいから食べなくてはいけない。
「すっっっぱ!」
すこし酸っぱ過ぎるかもなー、甘いやつないかなぁ

少しすると、
ブルーベリーのようなものがあった。
「甘すぎる」
かき氷のシロップをそのまま飲んでいる感じだ。
ダメだなぁ。丁度いい木の実は、ないのか?
お?というかさっきの野イチゴ?とブルーベリー?を同時に食べたらどうなるんだ?
早速検証だー
「おおー、美味い」
野イチゴ?の酸っぱさとブルーベリー?の甘すぎる感じがいい感じに混じり美味しいのである。




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やべ、遅くなりすぎた。
今は、辺りを夕日が照らしており普段だったら「わーい、久しぶりの夕日だ綺麗!」とか
思っているかもだが、生憎俺はそれどころじゃなかった。
何故なら絶賛迷子中なのだ。比較的安全な森とはいえ魔物が出るかもしれないし、なにより俺の体力が限界である。
ただ、ずっと歩いていただけだし定期的に休憩もしていたのにだ。本当にもう死ぬのも時間の問題だったのかもしれない。

「ん?」
謎の青い物体が落ちている。

「なにこれ？プニプニする。ってスライム！？」
そう。それは、スライムだったのだ。まぁ、スライムがこの辺にいるのも珍しくはないのかもしれない。ただ…

「この、スライム元気がなくないか？」
普通のスライムっていうのは、人や魔物が近づくだけで逃げる。警戒心が高くすばっしこい魔物なのだ。それなのにピクリも動かないなんて…
「ん？なんかここが割れないか？」
そう、スライムの青色のツヤプルボディが欠けているのだ。
通常スライムっていう生き物は攻撃力は低いが、すばっしこく回復能力の高い魔物なのだ。つまり…
「スライムの回復能力でも直せないほど強い攻撃をくらったということは、そんな奴がこの森にいるのか？」
それでは、スライムよりも弱々な俺は早く逃げなくては…

「ただ、助けてあげないのは可哀想だよな～。見つけちまったし。
　あ！そうだ！この使いかけの回復ポーションを使うか！」
そして、スライムの割れてる部分にそっとかけると…
みるみると傷が治っていった。

「ただなぁ…。ポーション全部を使い切っちゃったなぁ…
　よしそうこうしていたらいけないな。早く帰るか…
　って家ってどっち…！？」

―ガサガサガサ
茂みが揺れる。

「シャアーシュー」
不気味な鳴き声がする。













―――そこには、体長2メートルほどの大きい蜘蛛がいた。