5 / 56
第一章 幻との邂逅
1-3 初の依頼、緊張と異変 後
しおりを挟む
シェラたちが森に入る頃、ギルドの酒場にて。
「は、早くっ、医者を!!」
屈強な男性の幻導士が女を抱え、青い顔で叫んでいた。そばでは眼鏡をかけた幻導士が、同じく青い顔で必死に治癒術式を施している。
フォレストベアの討伐に赴いた錬鉄Ⅰ級の四人パーティなのだが、ギルドに来たのは三人だけ。腕の中の女の肌は蝋のように白く、左のわき腹は分厚く鋭い何かで力任せに切り裂かれたようで、止血に使った布をしとどに濡らすほどの出血が見られる。
周囲騒然とする中、クエスト受注カウンターの奥から鉱妖人の老医者がずんぐりした体を揺すって飛び出した。
「貸しな!」
容体を一目見て、医者は白衣が鮮血で染まるのも構わず女をひったくった。
「……こりゃひどいね。ここにあんたらの仕事はない、受付の嬢ちゃんの所に行きな。何があったか、報告する義務があるだろう」
言葉使いは医者と思えないが、その声音にトゲはない。
「あっ……ああ! 頼むぜ、ノラさん」
屈強な男は女を預け、眼鏡の幻導士と共に受付カウンターへと走っていく。ノラと呼ばれた医者は傷口に手を当て、治癒の術式を詠唱する。
「地に巡れる命の父よ。穴を塞ぎ流れを堰き止め、平穏を齎したまえ――――『止血(ヘモスタシス)』」
瞬間、彼女の足元から幻素が出現し、傷口に続々と集結して出血を止めた。土属性幻素の特性「集合と緻密」を活かした術式である。
が、女幻導士の出血量は既にかなりの量に達していた。脈拍も弱く、このままでは回復は厳しい。間髪入れず、次の詠唱に入る。
「地に巡れる命の父よ。眠れる大熱を目覚めさせ、地に溢れさせたまえ――――『強心』」
体内に注入された幻素が強心作用を発揮し、女幻導士の身体が跳ねた。
弱っていた心臓の鼓動が回復し、止血効果と相まって女幻導士の容体を此岸へと引き戻す。ヒューヒューと細く、今にも途切れそうだった呼吸音が止み、代わりに咳と独り言が漏れる。
「カハッ……ごほっごほっ。い、生きてる……?」
意識が戻った証拠だ。おおーっと周囲から喝采が上がったが、ノラは誇るでもなく指示を飛ばす。
「ええい、重傷者の周りで騒ぐんじゃないよバカども。この子に飲ませるから、薄めの塩水を誰か作ってきなっ。……酒じゃないよこのバカ!」
一方。女幻導士をノラに託した二人は、ギルドの奥でフィーナに事情を説明していた。まずはパーティのリーダーである、屈強な男が依頼の経過を説明する。リーダーとして話さなければという責任感と、パーティを半壊させられた恐怖の狭間で、彼の顔は今にも崩壊しそうに歪む。
「俺達はフォレストベアの討伐依頼を受注し、すぐに出発した。フォレストベアは以前にも討伐した経験があったし、今回もいつもと同じパーティだった」
フィーナは半ば答えを察しつつ、それでもリーダーに尋ねる。
「四人で受注されてましたよね。もう一人は……?」
感情を押しとどめてた堰が、この一言をきっかけに崩壊し始める。リーダーの声が湿り、かすれた。
「一人は、気絶させられて、森へ引きずられて……ッ」
「……そうですか。でしたら、急ぎ救援を送らなければいけません。何があったか、教えていただけますか」
我ながらずいぶんと酷なことを頼んでいるな、とフィーナは思う。しかし、これ以上の被害を出さないためには彼らの情報が不可欠なのだ。
そう心を押し殺して質問を続けていると、
「……あれは、フォレストベアじゃなかった」
リーダーから予想外の言葉が聞こえた。
「フォレストベアじゃなかった?」
思わずオウム返ししてしまうフィーナ。証言は続く。
「大きさも体色も、フォレストベアに近かった。だが、あのパワーとスピードは絶対に''ウォーグリズリー''のものだ」
決定的な情報を受け、フィーナの血相が変わる。
「交雑種……!」
フォレストベアとウォーグリズリーの交雑種、交雑熊は過去にも少数だが確認されており、その度にフォレストベアだと思い込んで討伐に向かった幻導士に犠牲者を出している。
元々討伐の目安としては、フォレストベアは青銅から真鍮級が三名、ウォーグリズリーは赤銅級が三名とされている。
フォレストベアを討伐できたら一人前。ウォーグリズリーを討伐すれば一流の幻導士と言って良いだろう。
「交雑熊の実力はウォーグリズリーよりも劣りますが、フォレストベアよりははるかに強い。錬鉄Ⅲ級が四名以上、というところでしょう」
フィーナが資料から実力を推定すると、今まで無言だった眼鏡の幻導士が我慢できなくなったというように、その拳を机に叩きつけた。
「爪の長い足跡に、遠目に見ても太い手足。今思えば、違和感はあったはずなんです。なのに、何も言わなかった……僕の責任だ……ッ!」
どうやら彼は、斥候の役目を担っていたらしい。しかし交雑熊の容姿はフォレストベアと非常によく似ている。じっくり観察できる研究所のような場ならまだしも、狩場で見分けるのは困難だ。
「自分だけをあまり責めないでください。今は一刻も早く、交雑熊を討伐することこそが重要です。どこで交戦し、その後どこへ向かったかが分かれば、これ以上被害を出さずに済みます」
その様子に心を痛めつつ、フィーナは少しでも冷静にさせるような言葉を選ぶ。仲間よりも今後を考えさせれば、より多くの情報が出てくるかもしれない。
受付嬢になる時、いつかこうした事態に直面するとギルドマスターから言われた。地域の安全のために、失意の底に沈む人間からも情報を聞き出さなければならないと。その時が、今だ。
そんなフィーナの胸の内なぞ知らないだろうが、眼鏡の幻導士の目に少し力が戻る。大きく息をつき、頭を整理した彼はゆっくりと話す。
「えっと……村から、東に外れた森の中で遭遇したんです。顔に傷を負わせましたが、パーティは壊滅。交雑熊は一人を咥えて、森の中を、さらに東へ消えていきました」
フィーナは地図を広げる。依頼を出した村に丸を打ち、そこから証言に従い、東へと矢印を引っ張る。
「東へ……この方角で、交雑熊が足を止めそうな場所は……」
「ここだと思う」
フィーナが地図を見渡していると、リーダーがある地点を指差した。その目は赤く腫れているものの、せめてこれ以上の犠牲は出させまいとする決意が見て取れた。
「依頼地からそう遠くない、モリキノコの群生地だ。奴は傷を負っている、開けて平らな場所で休息する可能性が高い」
リーダーの予測にフィーナは努めて感情を抑え、マニュアル通りの答えを返した。
「……っ。分かりました。すぐに討伐隊の手配をします」
リーダーの男は頭を下げ、静かに言った。
「……仇を、よろしく頼む」
「はい。できる限り高位の幻導士に依頼を出します!」
フィーナは内心焦りつつ、他のギルド職員に情報を共有する。
「まずい……!」
そのモリキノコの群生地には駆け出しのシェラと、手負いのテレザが向かっている可能性が高い。
「は、早くっ、医者を!!」
屈強な男性の幻導士が女を抱え、青い顔で叫んでいた。そばでは眼鏡をかけた幻導士が、同じく青い顔で必死に治癒術式を施している。
フォレストベアの討伐に赴いた錬鉄Ⅰ級の四人パーティなのだが、ギルドに来たのは三人だけ。腕の中の女の肌は蝋のように白く、左のわき腹は分厚く鋭い何かで力任せに切り裂かれたようで、止血に使った布をしとどに濡らすほどの出血が見られる。
周囲騒然とする中、クエスト受注カウンターの奥から鉱妖人の老医者がずんぐりした体を揺すって飛び出した。
「貸しな!」
容体を一目見て、医者は白衣が鮮血で染まるのも構わず女をひったくった。
「……こりゃひどいね。ここにあんたらの仕事はない、受付の嬢ちゃんの所に行きな。何があったか、報告する義務があるだろう」
言葉使いは医者と思えないが、その声音にトゲはない。
「あっ……ああ! 頼むぜ、ノラさん」
屈強な男は女を預け、眼鏡の幻導士と共に受付カウンターへと走っていく。ノラと呼ばれた医者は傷口に手を当て、治癒の術式を詠唱する。
「地に巡れる命の父よ。穴を塞ぎ流れを堰き止め、平穏を齎したまえ――――『止血(ヘモスタシス)』」
瞬間、彼女の足元から幻素が出現し、傷口に続々と集結して出血を止めた。土属性幻素の特性「集合と緻密」を活かした術式である。
が、女幻導士の出血量は既にかなりの量に達していた。脈拍も弱く、このままでは回復は厳しい。間髪入れず、次の詠唱に入る。
「地に巡れる命の父よ。眠れる大熱を目覚めさせ、地に溢れさせたまえ――――『強心』」
体内に注入された幻素が強心作用を発揮し、女幻導士の身体が跳ねた。
弱っていた心臓の鼓動が回復し、止血効果と相まって女幻導士の容体を此岸へと引き戻す。ヒューヒューと細く、今にも途切れそうだった呼吸音が止み、代わりに咳と独り言が漏れる。
「カハッ……ごほっごほっ。い、生きてる……?」
意識が戻った証拠だ。おおーっと周囲から喝采が上がったが、ノラは誇るでもなく指示を飛ばす。
「ええい、重傷者の周りで騒ぐんじゃないよバカども。この子に飲ませるから、薄めの塩水を誰か作ってきなっ。……酒じゃないよこのバカ!」
一方。女幻導士をノラに託した二人は、ギルドの奥でフィーナに事情を説明していた。まずはパーティのリーダーである、屈強な男が依頼の経過を説明する。リーダーとして話さなければという責任感と、パーティを半壊させられた恐怖の狭間で、彼の顔は今にも崩壊しそうに歪む。
「俺達はフォレストベアの討伐依頼を受注し、すぐに出発した。フォレストベアは以前にも討伐した経験があったし、今回もいつもと同じパーティだった」
フィーナは半ば答えを察しつつ、それでもリーダーに尋ねる。
「四人で受注されてましたよね。もう一人は……?」
感情を押しとどめてた堰が、この一言をきっかけに崩壊し始める。リーダーの声が湿り、かすれた。
「一人は、気絶させられて、森へ引きずられて……ッ」
「……そうですか。でしたら、急ぎ救援を送らなければいけません。何があったか、教えていただけますか」
我ながらずいぶんと酷なことを頼んでいるな、とフィーナは思う。しかし、これ以上の被害を出さないためには彼らの情報が不可欠なのだ。
そう心を押し殺して質問を続けていると、
「……あれは、フォレストベアじゃなかった」
リーダーから予想外の言葉が聞こえた。
「フォレストベアじゃなかった?」
思わずオウム返ししてしまうフィーナ。証言は続く。
「大きさも体色も、フォレストベアに近かった。だが、あのパワーとスピードは絶対に''ウォーグリズリー''のものだ」
決定的な情報を受け、フィーナの血相が変わる。
「交雑種……!」
フォレストベアとウォーグリズリーの交雑種、交雑熊は過去にも少数だが確認されており、その度にフォレストベアだと思い込んで討伐に向かった幻導士に犠牲者を出している。
元々討伐の目安としては、フォレストベアは青銅から真鍮級が三名、ウォーグリズリーは赤銅級が三名とされている。
フォレストベアを討伐できたら一人前。ウォーグリズリーを討伐すれば一流の幻導士と言って良いだろう。
「交雑熊の実力はウォーグリズリーよりも劣りますが、フォレストベアよりははるかに強い。錬鉄Ⅲ級が四名以上、というところでしょう」
フィーナが資料から実力を推定すると、今まで無言だった眼鏡の幻導士が我慢できなくなったというように、その拳を机に叩きつけた。
「爪の長い足跡に、遠目に見ても太い手足。今思えば、違和感はあったはずなんです。なのに、何も言わなかった……僕の責任だ……ッ!」
どうやら彼は、斥候の役目を担っていたらしい。しかし交雑熊の容姿はフォレストベアと非常によく似ている。じっくり観察できる研究所のような場ならまだしも、狩場で見分けるのは困難だ。
「自分だけをあまり責めないでください。今は一刻も早く、交雑熊を討伐することこそが重要です。どこで交戦し、その後どこへ向かったかが分かれば、これ以上被害を出さずに済みます」
その様子に心を痛めつつ、フィーナは少しでも冷静にさせるような言葉を選ぶ。仲間よりも今後を考えさせれば、より多くの情報が出てくるかもしれない。
受付嬢になる時、いつかこうした事態に直面するとギルドマスターから言われた。地域の安全のために、失意の底に沈む人間からも情報を聞き出さなければならないと。その時が、今だ。
そんなフィーナの胸の内なぞ知らないだろうが、眼鏡の幻導士の目に少し力が戻る。大きく息をつき、頭を整理した彼はゆっくりと話す。
「えっと……村から、東に外れた森の中で遭遇したんです。顔に傷を負わせましたが、パーティは壊滅。交雑熊は一人を咥えて、森の中を、さらに東へ消えていきました」
フィーナは地図を広げる。依頼を出した村に丸を打ち、そこから証言に従い、東へと矢印を引っ張る。
「東へ……この方角で、交雑熊が足を止めそうな場所は……」
「ここだと思う」
フィーナが地図を見渡していると、リーダーがある地点を指差した。その目は赤く腫れているものの、せめてこれ以上の犠牲は出させまいとする決意が見て取れた。
「依頼地からそう遠くない、モリキノコの群生地だ。奴は傷を負っている、開けて平らな場所で休息する可能性が高い」
リーダーの予測にフィーナは努めて感情を抑え、マニュアル通りの答えを返した。
「……っ。分かりました。すぐに討伐隊の手配をします」
リーダーの男は頭を下げ、静かに言った。
「……仇を、よろしく頼む」
「はい。できる限り高位の幻導士に依頼を出します!」
フィーナは内心焦りつつ、他のギルド職員に情報を共有する。
「まずい……!」
そのモリキノコの群生地には駆け出しのシェラと、手負いのテレザが向かっている可能性が高い。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる