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【資料集】幻に満ちた世界の歩き方

世界と人と

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 ここではざっくり世界観を説明したり、人物について書いていきます。
 面倒だなって思ったら読み飛ばしてあ、いっすよ(気軽)



1.舞台となる世界。幻素エレメント幻導士エレメンターとは?

 「幻素エレメント」という物質が存在する世界のお話です。幻素は「自然現象が生物の扱える形にまで縮小された物質」で、魔力とかフォー〇とか、そう言ったものと思っていただければ大体OK。
 幻素についてですが、木・炎・金・水・土・風・光・闇などの属性が知られています。他にもあるかもしれない。属性ごとに長所と短所があり、「流体は術式の速度に優れるが、術式の強度に難がある」、「固体は術式の強度が高いが、術式の完成が遅い」という感じ。
欠点は、幻素の制御技術の熟達によってある程度は緩和できます。

 この幻素を体内で生成し、扱える人たちが「幻導士エレメンター」です。魔道士とかジェ○イみたいな。とはいえ幻素を一度にどれだけ作り出せるか、どれだけ自由な形を取らせることができるか、にはかなり個人差があります。

 炎属性で言うなら「焚火のために炎を出すだけ」なら簡単ですが、「炎を杭の形に留める術式」は結構難しい。テレザのように「術式を小さく圧縮して走り回り、拳に乗せて撃ちだす」となると至難の業といったところ。
 幻素は自然界に大量に存在していますが、脂肪や糖など、体内に存在するエネルギー源を消費して作り出すことも可能。なので過度に幻素を使うとエネルギーが枯渇し、体調不良を起こします。これを「幻素欠乏イグゾースト」と呼び、重度の場合死に至ることもあります。幻素は用法・用量を守って正しくお使いください。


 幻導士は基本的にギルドに所属し、日々舞い込む依頼を解決して金銭を稼ぐ、という生活をしています。中にはフリーランスで各地を転々とする者もいますが、やはりギルドという後ろ盾は大きく、よほどの腕がなければそんなことはできません。
 彼らの生活水準にも、かなりの格差があります。作品内で「幻導士には荒くれ者が多い」とよく言われますが、それも階級によってマチマチです。


階級と生活の目安

階級:低


緑青……地域の便利屋程度の存在。常に金欠。周囲からは軽んじられる。

青銅……金欠はマシにはなるが解消はされない。

真鍮……駆け出しを卒業。日銭には困らない程度の収入。

錬鉄Ⅰ……いわゆるボリュームゾーン。世間一般よりは稼げるが、その分気が大きくなっている者も多い。世間一般の幻導士のイメージはこの辺から来ている。

錬鉄Ⅱ……討伐依頼を優先して回してもらえる。それなりに裕福。

錬鉄Ⅲ……収入はさらに増えるが、依頼の危険度も増してくる。

――――実力・人格などの高い壁――――

赤銅……一つの節目。腕っぷしだけでは到達できない領域。ここまで来れば一流。

麗銀……ギルドが授与できる最高位。社会的にも上流階級として認知され、貴族から名指しで依頼が来ることもある。

黄金……年に一度の試験を潜り抜ける必要あり。王が直々に位を授与する。が、まだ元の所属(ギルドなど)に帰してもらえる。

白金……年に一度の試験を以下略。例外なく国家直属となる。その国家の切り札ゆえ収入も莫大。

黒金剛……伝説の勇者。万が一昇級なんてしたら後世の教科書に名前が載ったり石像が建つレベル。


階級:高


 地位はこんな感じ。真鍮級まで上がれば、ある程度社会的地位は確保されます。逆に言えばそれ未満はゴロツキと言われても文句言えない。
 作中の依頼人は今のところ良い人ばっかりですが、それはリーダーを高位の幻導士が務めていたためかもしれません。そうじゃないかもしれません。
 とにもかくにも階級が全て、という厳しい世界です。錬鉄Ⅰ級に上がる前に命を落とすこともよくあり、何なら緑青の初陣で討伐依頼に参加して死ぬ人もいます。

 自由である分、全部が「自己責任」。依頼で怪我をしても、治療費は自分持ち|(依頼の報酬から天引き)。当然、依頼の途中で死にそうになっても誰も助けてくれません。

 ですが体を張る分、生活水準の上限は高いです。腕さえ良ければ出自に関係なく豊かになれる、夢のある職業と言えます。ですのでこの作品では、幻導士を志す人間は大勢います。



2.登場人物


テレザ・ナハトイェン
性別:女性
年齢:18歳
階級:麗銀
属性:炎
プロフィール:主人公その1。異例のペースで麗銀へ昇格した若き天才。類稀な幻素の制御技術を持ち、体術も一級品。外見は美人と言って良いが、本人が異性に興味がないため浮いた噂はゼロ。
 基本的に口調はラフだが依頼人に対しては敬語を使うこともある、いわゆる内外激しいタイプ。怪我も治りかけで依頼に出るなどは無茶な行動も過去に繰り返していたが、シェラと出会って自身を大事にすることを覚える。


シェラ・グレイブニル
性別:女性(人間)
年齢:14歳
階級:緑青→青銅
属性:光
プロフィール:この物語の主人公その2。誰が見ても可愛いことが特徴。辺境に住む農家の娘として生まれ、貧しいながらも両親から愛情を受けて育ってきた。その容姿から娼館で稼ぐという選択もあったが、幻導士を目指して街へと出る。テレザと出会ってからは医療術式を猛勉強し、彼女の支えになろうと日々励んでいる。常識人のため何かと振り回されがち。


フィーナ・オーデイン
性別:女性(人間)
年齢:25歳
階級:受付嬢
属性:??(非戦闘員のため不明)
プロフィール:シェラが幻導士として登録する際、受付を行った女性。受付嬢では最も若く、人当たりも良いため幻導士から言い寄られることも。オーガスタスのことは幻導士として認めてはいるものの、その暑苦しいアプローチには辟易している。


オーガスタス・マッシベン
性別:男性(人間)
年齢:37歳
階級:麗銀
属性:金
プロフィール:辺境一帯の幻導士達から尊敬を集める大男。荒くれ者を絵に描いたような外見だがいたって優しく、気遣いもできる人格者。人間離れした怪力と練り上げた技巧を併せ持ち、近接武器はどれを取っても戦える。フィーナに好意があるようが、アプローチの度冷たくあしらわれている。


カミラ・スオードナイト
性別:女性(人間)
年齢:37歳
階級:麗銀
属性:水
プロフィール:オーガスタスのパーティを組む女性幻導士。美麗な外見だが堅苦しい性格のため、彼女に言い寄る者は少ない。行き遅れとからかう者はもっといない。大盾と直剣を装備し、パーティの中で敵の攻撃を最前線で受け止める役割を果たす。オーガスタスと共に暇を見ては後進の指導に当たっている。


サイラス・メイジシャン
性別:男性(人間)
年齢:37歳
階級:麗銀
属性:風
プロフィール:オーガスタスとパーティを組む男。詠唱以外で口を開かず、依頼中でもプライベートでも終始無言。理由は親しい者以外知らない。腕は確かなのだが不気味すぎるため、パーティを組む2人以外は誰も近寄らない。肉体や武器への付加術エンチャントを使わず、純粋に幻素のみを編んで敵に撃ち込む珍しい戦闘スタイル。


カイン・フォレッティン
性別:男性(人間)
年齢:20歳
階級:真鍮→錬鉄Ⅱ
属性:木
プロフィール:テレザと一時別れたシェラをパーティに受け入れ、ゴブリン退治をした若手幻導士。理知的で真面目な好青年だが、とある事情で真鍮から昇級できずにいた。明晰な頭脳を持ち、実戦においても目立った穴のない優等生。だが嘘は苦手。今後の活躍に期待がかかる。


ピジム・ガントロー
性別:女性(人間)
年齢:15歳
階級:緑青→青銅
属性:土
プロフィール:カインと同じ村の出身で、後輩。小麦肌が印象的な快活な少女。オーガスタスを「おじさん」、カミラを「お姉さん」と呼ぶためオーガスタスは悲しんでいる。籠手を用いた格闘戦が得意だが、幻素の制御技術はまだ拙い。原石の大きさはテレザも認めるところ。


グラシェス・ロドム
性別:男性(人間)
年齢:15歳
階級:緑青→青銅
属性:水
プロフィール:内気な少年で、ピジムと幼馴染。黒縁の眼鏡が特徴的で、一見幻導士には見えない。よくどもる。幻素の扱いは才能の片りんを見せ始めているが、やはり体力面が課題。さらに、魔物にも情けを書けてしまうなど優しすぎる一面も。


ナガラジャ・ファンヴネル
性別:男性(竜人ドラゴニュート)
年齢:200歳くらい
階級:黄金
属性:金
プロフィール:鉄血都市の棟梁。鉄血都市に住んでいた頃のテレザに「勝てる気がしない」と思わせたほどの腕っぷしを誇る怪物。頭脳労働はノエルにほぼ一任して遊んでいるように見えるが、裏ではノエルの情報を元に八百長を暴くなど、一都市のトップらしいことも(たまに)する。


ノエル・エイグドラッセル
性別:男性(森妖人エルフ)
年齢:200歳くらい
階級:ギルドに未所属のためなし
属性:土
プロフィール:鉄血都市の執務長。表に立って荒くれ者を引っ張るナガラジャを支える、事実上のナンバー2。ギルドの階級票がないだけで、ナガラジャと喧嘩のできる腕前。頭も切れる。作中でも屈指の美男だが、先立った妻(先代の棟梁)の夢に殉じると誓っているため独身。鉄血都市と結婚した男。



 また追記があるかもしれませんが、ひとまずは鉄血都市編までをまとめておきます。最後までお読みいただきありがとうございました<(_ _)>
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