21 / 25
2:4
それから入学試験に向けた対策が行われた。
アルタード学園とは、身分に関係なく入学できるエリート学校だ。
自国だと学校というものは平民が行くもので貴族が通うなんて考えられない。
リガー帝国では俺たちの国とは異なる文化がいくつかある。
その中の一つが、貴族でも騎士になるし、逆に平民でも国のお偉い役職に就くという要は実力至上主義なところだ。
貴族という身分はあるものの、それは完全に世襲というわけではなく、家主の実力が認められて与えられているそうだ。
だから貴族たちは子孫に自分たちの持つ知識や教養を詰め込み、家柄を保っているらしい。
が、それでは平民に機会が与えられないではないかという意見からいくつかこういう学校があるらしい。
アルタード学園には剣術科と教養科という2つの学科があり、どちらも入学試験において受けなければならない試験は2つ。
剣術と筆記テストだ。
「リハルト様は公爵家で高度な教育を受けていますので筆記試験に関しましては学んだことのないリガー帝国の歴史に注力しておけば大丈夫です。問題は…」
チラッとメイドが騎士を見た。
「‥あの騎士がリハルト様に剣術を上手く教えられるのかどうかですね」
メイドの言葉と視線を受けて、件の騎士はペコリと頭を下げるだけだ。
相変わらず話をしない寡黙なやつである。
「大丈夫だ。剣術はなんとなく、できる気がするから。」
本音を言うと、なんとなくではなく、ほぼ確実にできると思う。
過去では12歳の頃から剣術を始めた。
今回は、12歳の誕生日を迎えた後、剣術の授業を始めようという時にリガー帝国に来ることになったため、俺は全くもって剣の初心者というわけだ。
しかしながら、過去の俺は、貴族にとって一つの嗜み程度にしか思われていなかった剣術に馬鹿みたいに真剣に取り組んでいた。そのおかげで過去に騎士としてそこそこの出世頭にまで昇りつめたし、所属していた騎士団では敵なしだった。
「リハルト様、自信を持つことはいいことですがリガー帝国は剣術に関しては頭一つ抜けている国だと思っていてください。かなりの実力主義国家です、油断しているとすぐにやられてしまいます。」
「わかった。」
大人しく頷く。
今の俺はまともに剣を握ったこともない12歳の子供だ。
メイドが俺の言葉を根拠のない自信だと思うのも無理はない。
相変わらず何も喋らない騎士はただじーっとこちらを見ていた。
「そこの騎士様、話を聞いていましたか?」
「……………」
騎士はただコクンと頷いた。
メイドはもう半分諦めた顔で「リハルト様が合格できる水準まで剣術を教えて差し上げてください」とぼやいた。
アルタード学園とは、身分に関係なく入学できるエリート学校だ。
自国だと学校というものは平民が行くもので貴族が通うなんて考えられない。
リガー帝国では俺たちの国とは異なる文化がいくつかある。
その中の一つが、貴族でも騎士になるし、逆に平民でも国のお偉い役職に就くという要は実力至上主義なところだ。
貴族という身分はあるものの、それは完全に世襲というわけではなく、家主の実力が認められて与えられているそうだ。
だから貴族たちは子孫に自分たちの持つ知識や教養を詰め込み、家柄を保っているらしい。
が、それでは平民に機会が与えられないではないかという意見からいくつかこういう学校があるらしい。
アルタード学園には剣術科と教養科という2つの学科があり、どちらも入学試験において受けなければならない試験は2つ。
剣術と筆記テストだ。
「リハルト様は公爵家で高度な教育を受けていますので筆記試験に関しましては学んだことのないリガー帝国の歴史に注力しておけば大丈夫です。問題は…」
チラッとメイドが騎士を見た。
「‥あの騎士がリハルト様に剣術を上手く教えられるのかどうかですね」
メイドの言葉と視線を受けて、件の騎士はペコリと頭を下げるだけだ。
相変わらず話をしない寡黙なやつである。
「大丈夫だ。剣術はなんとなく、できる気がするから。」
本音を言うと、なんとなくではなく、ほぼ確実にできると思う。
過去では12歳の頃から剣術を始めた。
今回は、12歳の誕生日を迎えた後、剣術の授業を始めようという時にリガー帝国に来ることになったため、俺は全くもって剣の初心者というわけだ。
しかしながら、過去の俺は、貴族にとって一つの嗜み程度にしか思われていなかった剣術に馬鹿みたいに真剣に取り組んでいた。そのおかげで過去に騎士としてそこそこの出世頭にまで昇りつめたし、所属していた騎士団では敵なしだった。
「リハルト様、自信を持つことはいいことですがリガー帝国は剣術に関しては頭一つ抜けている国だと思っていてください。かなりの実力主義国家です、油断しているとすぐにやられてしまいます。」
「わかった。」
大人しく頷く。
今の俺はまともに剣を握ったこともない12歳の子供だ。
メイドが俺の言葉を根拠のない自信だと思うのも無理はない。
相変わらず何も喋らない騎士はただじーっとこちらを見ていた。
「そこの騎士様、話を聞いていましたか?」
「……………」
騎士はただコクンと頷いた。
メイドはもう半分諦めた顔で「リハルト様が合格できる水準まで剣術を教えて差し上げてください」とぼやいた。
あなたにおすすめの小説
【完結・続編別立】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
妹に婚約者を取られるなんてよくある話
龍の御寮さん
BL
ノエルは義母と妹をひいきする父の代わりに子爵家を支えていた。
そんなノエルの心のよりどころは婚約者のトマスだけだったが、仕事ばかりのノエルより明るくて甘え上手な妹キーラといるほうが楽しそうなトマス。
結婚したら搾取されるだけの家から出ていけると思っていたのに、父からトマスの婚約者は妹と交換すると告げられる。そしてノエルには父たちを養うためにずっと子爵家で働き続けることを求められた。
さすがのノエルもついに我慢できず、事業を片付け、資産を持って家出する。
家族と婚約者に見切りをつけたノエルを慌てて追いかける婚約者や家族。
いろんな事件に巻き込まれながらも幸せになっていくノエルの物語。
*ご都合主義です
*更新は不定期です。複数話更新する日とできない日との差がありますm(__)m
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
※画像はpicrewさんよりお借りしました。
愛などもう求めない
一寸光陰
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
Seele―目が見えるようになったのは奇跡ではなく、罰だった―
真紀
BL
【完結まで執筆済み】目が見えない兄と、彼を一人遺して死にゆく弟の物語。
死んだ弟の角膜で、光(コウ)は視力を得た。見えたのは、涙をこらえる親友の顔。「和はおまえが大嫌いだった。憎んでた。だからおまえに目をくれたんだよ」光が歌をやめたのは、その日からだ。
あの人が泣きながら殴るたび、光は願う。「どうか明日は、早く壊れてしまえますように」と。
光は音楽を捨て、達哉は涙を隠せないまま、二人は同じ世界に立ち続ける。
これは、赦しのない世界で、それでも生きようとする者たちの物語。
《第二章》盲目の光が、最愛の弟を失うまでの日々を書いています。ブロマンス寄りですがBL好きな方に読んで欲しい作品です。「ノンケを堕とすノンケ」が好物の方、ぜひどうぞ。
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。