愛され方を教えて

あちゃーた

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それから入学試験に向けた対策が行われた。

アルタード学園とは、身分に関係なく入学できるエリート学校だ。
自国だと学校というものは平民が行くもので貴族が通うなんて考えられない。

リガー帝国では俺たちの国とは異なる文化がいくつかある。
その中の一つが、貴族でも騎士になるし、逆に平民でも国のお偉い役職に就くという要は実力至上主義なところだ。
貴族という身分はあるものの、それは完全に世襲というわけではなく、家主の実力が認められて与えられているそうだ。
だから貴族たちは子孫に自分たちの持つ知識や教養を詰め込み、家柄を保っているらしい。
が、それでは平民に機会が与えられないではないかという意見からいくつかこういう学校があるらしい。

アルタード学園には剣術科と教養科という2つの学科があり、どちらも入学試験において受けなければならない試験は2つ。
剣術と筆記テストだ。

「リハルト様は公爵家で高度な教育を受けていますので筆記試験に関しましては学んだことのないリガー帝国の歴史に注力しておけば大丈夫です。問題は…」

チラッとメイドが騎士を見た。

「‥あの騎士がリハルト様に剣術を上手く教えられるのかどうかですね」

メイドの言葉と視線を受けて、件の騎士はペコリと頭を下げるだけだ。
相変わらず話をしない寡黙なやつである。

「大丈夫だ。剣術はなんとなく、できる気がするから。」

本音を言うと、なんとなくではなく、ほぼ確実にできると思う。

過去では12歳の頃から剣術を始めた。
今回は、12歳の誕生日を迎えた後、剣術の授業を始めようという時にリガー帝国に来ることになったため、俺は全くもって剣の初心者というわけだ。

しかしながら、過去の俺は、貴族にとって一つの嗜み程度にしか思われていなかった剣術に馬鹿みたいに真剣に取り組んでいた。そのおかげで過去に騎士としてそこそこの出世頭にまで昇りつめたし、所属していた騎士団では敵なしだった。

「リハルト様、自信を持つことはいいことですがリガー帝国は剣術に関しては頭一つ抜けている国だと思っていてください。かなりの実力主義国家です、油断しているとすぐにやられてしまいます。」

「わかった。」

大人しく頷く。

今の俺はまともに剣を握ったこともない12歳の子供だ。
メイドが俺の言葉を根拠のない自信だと思うのも無理はない。

相変わらず何も喋らない騎士はただじーっとこちらを見ていた。

「そこの騎士様、話を聞いていましたか?」

「……………」

騎士はただコクンと頷いた。
メイドはもう半分諦めた顔で「リハルト様が合格できる水準まで剣術を教えて差し上げてください」とぼやいた。

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