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ナルシストと友人
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「悪いな、急に呼び出して」
「ううん、大丈夫だよ、それより話って何?」
誰もいない旧校舎の使われていない教室。
にこやかに目の前に立つ人物は今や学校の王子様と呼ばれつつある。
「お前本当に性格変わったよなぁ、愛の力か?」
「そうかもね、ろたがありのままの僕の方がいいって言ってくれたから、本来の僕にちょっとだけ自信がついた感じかな?」
「ふーん、でもさぁ、ろたって甘風の本来の姿知らないだろ?」
「……………どう言う意味?」
「お前、本性まだ隠してるだろ」
ニッコリ微笑んで言ってやる。
にこやかだった甘風も流石に表情を崩した。
「どこで分かった?」
「俺さ、実を言うとずっとお前らの話に聞き耳立ててたんだよね、俺にさ、お前部屋を出て行くように言っただろ?あの時」
「で?」
「おかしくない?だって小宮は自分に彼氏がいるって言ったのに全然お前聞きもしないし、最初から嘘ってわかってるみたいに話してた」
ずっと疑問だった。
あの時、甘風は小宮に彼氏の件について何も問わなかった。
忘れてるのかと思ったけど、そんなわけないし。
小宮はバカだから気づかずに会話してたけど。
普通は彼氏がいるのに小宮があんな提案してきたら不思議に思うはず。
それに自信のない性格の人間がその事を分かっていながら小宮と付き合えると思うか??
「友人君、なかなか鋭いね」
「俺さ、特技があるんだよ」
ふふんっと鼻を鳴らして甘風に近づく。
「人間観察?」
「いや、俺人の感情読み取るのが得意なの、というかなんなら相手の感情を自分にコピーできるっていうか、まぁつまり、お前がどんな嘘ついてるか全部わかってる、お前が小宮に対して恐ろしい愛着を持ってることも分かってるよ」
「例えば?」
無表情のまま、甘風は窓を背に寄りかかった。
「小宮のストーカーのくせによく言うよ、どうせあいつのこと事細かく調べてるし、監視もしてるんだろ…、小宮に彼氏なんてできたら速攻消すくせにさ、例えばって何?ストーカー行為の事を細かく言えばいいんですかぁ?」
「ははっ、お前消されたいの?」
ゾッとするような笑みを向けられ一瞬固まる。
「俺はね、ろたのことが好きなんだ、ただどうしようもなく好きなだけ、わかる?」
「だからあんなめんどくさい方法で小宮に近づいたのか?」
「ろたは初対面の人にでさえ同情できる、優しい子なんだ」
「小宮は面倒見いいもんな、だから急にあんな弱々しい態度とられたら放って置けないだろうな」
「それにろたは自分に向けられる好意に弱いんだよ、知ってる?」
「お前さ、小宮の家庭についても調べたんだろ?」
俺は幼馴染だから知ってる。
小宮の家庭は再婚してて、率直に言えば小宮はいないもののように扱われてる。
「ろたが俺に向ける優しさは一番じゃなきゃだめなんだ…、ろたは存在しないかとのように扱われることに最も同情してくれる…、だってろた自信がそうだから」
「だから小宮にそんな性格で縋り付いたのか?」
「うん、今のところ全てが順調に進んでる…と思ってたんだけど、君、邪魔だなぁ」
ニコッと微笑まれる。
それは決して優しい笑みではない。
どうやって小宮から俺を引き剥がそうか考えている顔だ。
「安心しろ、言わないから」
「じゃあどうして俺にわざわざ伝えたわけ?」
冷たい、凍るような視線。
これが甘風薫の本性。
が、元から分かってはいたし怯えてはならない。
このことを伝えに呼び出したのだから。
「小宮が幸せなら別にいいんだよ、あいつだって自分のことを一番にみてくれる相手が見つかって嬉しいんだろうしな…、ただ一つ頼む、さっき言ったように俺は無意識にも相手の感情を呼んでしまうことがあるんだ」
「だから?」
「お前の脳内に聞いてみろよ!いっつもろたを使ってエッチな妄想ばっかしやがって!!更にはろたへの愛のポエムが聞こえるんですけど!?俺の気持ちわかる!?え、しかも監禁したいとか俺無しで生きていけなくしたいとか、ピーしたいとか!やめて!!」
「俺の脳内の可愛いろた見ないでくれる?うっかり手が出そう」
「殴りたいのはこっちだわっ!!!」
本当に誰か助けてください。
それからどうなったって?
まんまと小宮は罠に嵌って甘風と付き合い始めた。
今じゃ学校一ラブラブなカップル。
そんで甘風はゆっくりと、でも着実に小宮を自分に依存させている。
恐ろしい男に捕まったもんだよ。
最近になって以前の関係が逆転したように思える。
前は甘風が小宮にべったりって感じだったのに、今じゃ甘風に小宮がべったりって感じ。
脳内お花畑ならぬ脳内甘風状態。
俺の気持ちを考えて欲しい。
まぁ幸せそうだから別にいいけど。
「ううん、大丈夫だよ、それより話って何?」
誰もいない旧校舎の使われていない教室。
にこやかに目の前に立つ人物は今や学校の王子様と呼ばれつつある。
「お前本当に性格変わったよなぁ、愛の力か?」
「そうかもね、ろたがありのままの僕の方がいいって言ってくれたから、本来の僕にちょっとだけ自信がついた感じかな?」
「ふーん、でもさぁ、ろたって甘風の本来の姿知らないだろ?」
「……………どう言う意味?」
「お前、本性まだ隠してるだろ」
ニッコリ微笑んで言ってやる。
にこやかだった甘風も流石に表情を崩した。
「どこで分かった?」
「俺さ、実を言うとずっとお前らの話に聞き耳立ててたんだよね、俺にさ、お前部屋を出て行くように言っただろ?あの時」
「で?」
「おかしくない?だって小宮は自分に彼氏がいるって言ったのに全然お前聞きもしないし、最初から嘘ってわかってるみたいに話してた」
ずっと疑問だった。
あの時、甘風は小宮に彼氏の件について何も問わなかった。
忘れてるのかと思ったけど、そんなわけないし。
小宮はバカだから気づかずに会話してたけど。
普通は彼氏がいるのに小宮があんな提案してきたら不思議に思うはず。
それに自信のない性格の人間がその事を分かっていながら小宮と付き合えると思うか??
「友人君、なかなか鋭いね」
「俺さ、特技があるんだよ」
ふふんっと鼻を鳴らして甘風に近づく。
「人間観察?」
「いや、俺人の感情読み取るのが得意なの、というかなんなら相手の感情を自分にコピーできるっていうか、まぁつまり、お前がどんな嘘ついてるか全部わかってる、お前が小宮に対して恐ろしい愛着を持ってることも分かってるよ」
「例えば?」
無表情のまま、甘風は窓を背に寄りかかった。
「小宮のストーカーのくせによく言うよ、どうせあいつのこと事細かく調べてるし、監視もしてるんだろ…、小宮に彼氏なんてできたら速攻消すくせにさ、例えばって何?ストーカー行為の事を細かく言えばいいんですかぁ?」
「ははっ、お前消されたいの?」
ゾッとするような笑みを向けられ一瞬固まる。
「俺はね、ろたのことが好きなんだ、ただどうしようもなく好きなだけ、わかる?」
「だからあんなめんどくさい方法で小宮に近づいたのか?」
「ろたは初対面の人にでさえ同情できる、優しい子なんだ」
「小宮は面倒見いいもんな、だから急にあんな弱々しい態度とられたら放って置けないだろうな」
「それにろたは自分に向けられる好意に弱いんだよ、知ってる?」
「お前さ、小宮の家庭についても調べたんだろ?」
俺は幼馴染だから知ってる。
小宮の家庭は再婚してて、率直に言えば小宮はいないもののように扱われてる。
「ろたが俺に向ける優しさは一番じゃなきゃだめなんだ…、ろたは存在しないかとのように扱われることに最も同情してくれる…、だってろた自信がそうだから」
「だから小宮にそんな性格で縋り付いたのか?」
「うん、今のところ全てが順調に進んでる…と思ってたんだけど、君、邪魔だなぁ」
ニコッと微笑まれる。
それは決して優しい笑みではない。
どうやって小宮から俺を引き剥がそうか考えている顔だ。
「安心しろ、言わないから」
「じゃあどうして俺にわざわざ伝えたわけ?」
冷たい、凍るような視線。
これが甘風薫の本性。
が、元から分かってはいたし怯えてはならない。
このことを伝えに呼び出したのだから。
「小宮が幸せなら別にいいんだよ、あいつだって自分のことを一番にみてくれる相手が見つかって嬉しいんだろうしな…、ただ一つ頼む、さっき言ったように俺は無意識にも相手の感情を呼んでしまうことがあるんだ」
「だから?」
「お前の脳内に聞いてみろよ!いっつもろたを使ってエッチな妄想ばっかしやがって!!更にはろたへの愛のポエムが聞こえるんですけど!?俺の気持ちわかる!?え、しかも監禁したいとか俺無しで生きていけなくしたいとか、ピーしたいとか!やめて!!」
「俺の脳内の可愛いろた見ないでくれる?うっかり手が出そう」
「殴りたいのはこっちだわっ!!!」
本当に誰か助けてください。
それからどうなったって?
まんまと小宮は罠に嵌って甘風と付き合い始めた。
今じゃ学校一ラブラブなカップル。
そんで甘風はゆっくりと、でも着実に小宮を自分に依存させている。
恐ろしい男に捕まったもんだよ。
最近になって以前の関係が逆転したように思える。
前は甘風が小宮にべったりって感じだったのに、今じゃ甘風に小宮がべったりって感じ。
脳内お花畑ならぬ脳内甘風状態。
俺の気持ちを考えて欲しい。
まぁ幸せそうだから別にいいけど。
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