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スターチスは突として
2-b.甘い誘惑は身近に
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わたしはそーっとエリック様を見てみるとぼろぼろと大粒の涙をこぼしていた。
うわぁぁ!何?わたし何かしちゃったかな。これって王族への不敬罪にあたるのか。どうしよう。
近くにいたエリック様の従事者っぽい方がわたしたちのもとへやって来た。
「リバランス嬢、殿下に何をされたのですか。」
ぎっとわたしを見つめてくる。ものすごい鬼の形相で。フィールより恐かった。
わたしが謝ろうとしたとき、エリック様が手でそれを止めて喋りだした。
「あ、ありがとうエーデル嬢。なんだか懐かしい気持ちがあふれてきてしまって。醜い姿を見せてしまって本当に申し訳ない。」
懐かしい気持ち...。わたしも1週間の間に何度も前世のことを考えていた。もう会えないかもしれない数少ない友達、厳しくも優しくて憧れだった先輩、どこから見てもかわいい後輩、いつもお世話になってたアパートの大家さん、出来ることならもう一度会って感謝の意を伝えたいと思った。でもここはエーデルがいる世界だ。過去の思いに浸ってめそめそしてはいけないと思った。きっとわたしの懐かしいとエリック様の懐かしいは違う懐かしいかもしれないけれど、それでもわたしは。
「エリック様、辛い気持ちや悲しい気持ち、懐かしい気持ちになったらいつでもわたしのところに来てください。あなたの婚約者候補だとか、お世辞だとか、家の為だとかそんなものではなく、ただ純粋にあなたが笑顔で生きていてほしいから。」
わたしは今度こそ王族への不敬罪を免れないかもしれないという覚悟で腕を大きく開いて何かを待った。
だが、エリック様は立ち上がることはなかった。ただそこにじっと。
「申し訳ございません。エリック様の気持ちも考えず。」
しばらく微妙な空気が流れた。誰も何も喋らず目が泳いでいる。
するとエリック様が使用人を全員さげてほしいと頼んできた。頼まれた通り近くにいる使用人たちには屋敷の中か ここから離れたところにいるようにと指示をした。エリック様の従事者たちも玄関のほうに向かっていた。どうしてこんなことをするんだろう。
「私は王太子です。ですが1人の人間でもあります。それは貴女も同じ。はい、私のところに来てください。」
今度はエリック様が腕を大きく開き何かを待っていた。
ここでわたしがエリック様のところに行ってしまったらエリック様に惚れてしまいそうで怖い。わたしは先程エリック様に対してひどいことしたのにそんなわがままなことはこれ以上できない。
「ごめんなさい。わたしは殿下にこれ以上ひどいことをして傷つけてしまいたくありません。わがままな人間で本当に申し訳ございません。」
「なんでそんなこと...言うんですか。貴女は知らないんですか、わがままだって言わないと壊れてしまう。だからせめて友達としてでもいい、私にも頼ってください。」
頼る。それは出来ない。わたしにはそんなことをしてもいいとは思えない。わたしは自分の為にエリック様の愛する人を邪魔していたという1つの過去がある。身勝手で自分のことしか考えていないわたしにはエリック様の為というわがままな口実で自分だけ助かろうとした。ひどい人間だ。
「私もわがままな人間ですよ。私は貴女と婚約するのは国王陛下からの命令でした。失礼ですが、貴女とは婚約したいとは思っていませんでした。貴女は地位と名誉に執着するご令嬢と噂を聞いていたからです。そんな人が本当に国を守る『国母』に向いているのかと思っていました。ですが、噂とは事実と異なることもあります。エーデル嬢は地位と名誉に執着する様子は全く見られませんでした。それどころか私のことを優しく抱きしめてくれた、私に手を差し伸べてくれた。卑怯かもしれないですが、私と婚約していただけませんか。」
やっぱり噂はエリック様の耳に届いていたんだ。なのに婚約を申し込んでくれるなんて。
「わがままですが、友達になりたいです。まだ婚約はちょっと。」
「わかりました。それでは1か月間私にチャンスをください。1か月の間に貴女が私に惚れていただけるよう精進します。それでよろしいでしょうか。」
その顔は先程の子犬のような顔ではなく、1人の決意ある男性の顔をしていた。
その後、少し会話した後エリック様は王城へ向けて出発していった。お互い顔は赤くなっていた。緊張やら恥ずかしいやらであまり目を合わせられなかった。
顔が赤くなっているわたしを見たフィールが早く休んだほうがいいと準備をしてくれた。
わたしはベッドに入り、モヤモヤと考えていた。
1か月間で惚れさせる!?婚約してほしい!?一体どうして。でも1か月という猶予がある、その時までにエリック様が失望すればいいかも。でも失望させるといっても何かいい方法は。
仮の婚約者をつくる!
わたしに婚約者がいればエリック様は失望するかもしれない。でも婚約者を探すのはめんどくさい。これはやめよう。もう諦めてエリック様と婚約する?いや、王族との婚約は国の未来を動かす重要なもの。よく考えて準備しなくちゃ。
あぁ休めないよ。とりあえず目をつぶってみよう。
あれ、ここはあの時の場所。確かエーデルに未来を託された場所。でもどうしてここへ?
「貴女、今とても迷っているでしょう。」
この声ってエーデル!?
「はい、いい選択肢が見つからなくて。」
「私から1つ助言よ。婚約は1つの未来に過ぎないってことよ。」
え?それってどういうこと...
あ、朝だ。あの後ずっと寝ていたみたい。あの時は確か夕方くらいだったから夕食を食べ損ねてしまった。お腹ペコペコ。
さすがに何か食べないとやばそうだった為、ベルを鳴らして侍女を呼んだ。来たのはやはりフィールだった。
「おはようございますエーデル様。何を準備すればよろしいでしょうか?」
「朝食の前に何か食べらるものを用意してほしいな。」
「かしこまりました。どのようなものがよろしいでしょうか。」
「じゃあフルーツを。」
フィールはすぐに部屋を出て行ってしまった。。きっと仕事が早いからすぐ帰ってくるだろう。わたしも何かしようかと思ったらすぐに帰って来た。仕事が早い。用意されたものはリンゴだった。フィールはさくさくとリンゴの皮を剥き、綺麗に8等分していた。包丁の使い方がお上手!
「ありがとう。ん~リンゴおいしい。」
これからいろいろ考えなくてはならないことがあるけれど、わたしがこの世界でしたいことが1つ見つかった。それは、「この世界のフルーツをいっぱい食べること」
やっぱり疲れた時はフルーツが1番!
うわぁぁ!何?わたし何かしちゃったかな。これって王族への不敬罪にあたるのか。どうしよう。
近くにいたエリック様の従事者っぽい方がわたしたちのもとへやって来た。
「リバランス嬢、殿下に何をされたのですか。」
ぎっとわたしを見つめてくる。ものすごい鬼の形相で。フィールより恐かった。
わたしが謝ろうとしたとき、エリック様が手でそれを止めて喋りだした。
「あ、ありがとうエーデル嬢。なんだか懐かしい気持ちがあふれてきてしまって。醜い姿を見せてしまって本当に申し訳ない。」
懐かしい気持ち...。わたしも1週間の間に何度も前世のことを考えていた。もう会えないかもしれない数少ない友達、厳しくも優しくて憧れだった先輩、どこから見てもかわいい後輩、いつもお世話になってたアパートの大家さん、出来ることならもう一度会って感謝の意を伝えたいと思った。でもここはエーデルがいる世界だ。過去の思いに浸ってめそめそしてはいけないと思った。きっとわたしの懐かしいとエリック様の懐かしいは違う懐かしいかもしれないけれど、それでもわたしは。
「エリック様、辛い気持ちや悲しい気持ち、懐かしい気持ちになったらいつでもわたしのところに来てください。あなたの婚約者候補だとか、お世辞だとか、家の為だとかそんなものではなく、ただ純粋にあなたが笑顔で生きていてほしいから。」
わたしは今度こそ王族への不敬罪を免れないかもしれないという覚悟で腕を大きく開いて何かを待った。
だが、エリック様は立ち上がることはなかった。ただそこにじっと。
「申し訳ございません。エリック様の気持ちも考えず。」
しばらく微妙な空気が流れた。誰も何も喋らず目が泳いでいる。
するとエリック様が使用人を全員さげてほしいと頼んできた。頼まれた通り近くにいる使用人たちには屋敷の中か ここから離れたところにいるようにと指示をした。エリック様の従事者たちも玄関のほうに向かっていた。どうしてこんなことをするんだろう。
「私は王太子です。ですが1人の人間でもあります。それは貴女も同じ。はい、私のところに来てください。」
今度はエリック様が腕を大きく開き何かを待っていた。
ここでわたしがエリック様のところに行ってしまったらエリック様に惚れてしまいそうで怖い。わたしは先程エリック様に対してひどいことしたのにそんなわがままなことはこれ以上できない。
「ごめんなさい。わたしは殿下にこれ以上ひどいことをして傷つけてしまいたくありません。わがままな人間で本当に申し訳ございません。」
「なんでそんなこと...言うんですか。貴女は知らないんですか、わがままだって言わないと壊れてしまう。だからせめて友達としてでもいい、私にも頼ってください。」
頼る。それは出来ない。わたしにはそんなことをしてもいいとは思えない。わたしは自分の為にエリック様の愛する人を邪魔していたという1つの過去がある。身勝手で自分のことしか考えていないわたしにはエリック様の為というわがままな口実で自分だけ助かろうとした。ひどい人間だ。
「私もわがままな人間ですよ。私は貴女と婚約するのは国王陛下からの命令でした。失礼ですが、貴女とは婚約したいとは思っていませんでした。貴女は地位と名誉に執着するご令嬢と噂を聞いていたからです。そんな人が本当に国を守る『国母』に向いているのかと思っていました。ですが、噂とは事実と異なることもあります。エーデル嬢は地位と名誉に執着する様子は全く見られませんでした。それどころか私のことを優しく抱きしめてくれた、私に手を差し伸べてくれた。卑怯かもしれないですが、私と婚約していただけませんか。」
やっぱり噂はエリック様の耳に届いていたんだ。なのに婚約を申し込んでくれるなんて。
「わがままですが、友達になりたいです。まだ婚約はちょっと。」
「わかりました。それでは1か月間私にチャンスをください。1か月の間に貴女が私に惚れていただけるよう精進します。それでよろしいでしょうか。」
その顔は先程の子犬のような顔ではなく、1人の決意ある男性の顔をしていた。
その後、少し会話した後エリック様は王城へ向けて出発していった。お互い顔は赤くなっていた。緊張やら恥ずかしいやらであまり目を合わせられなかった。
顔が赤くなっているわたしを見たフィールが早く休んだほうがいいと準備をしてくれた。
わたしはベッドに入り、モヤモヤと考えていた。
1か月間で惚れさせる!?婚約してほしい!?一体どうして。でも1か月という猶予がある、その時までにエリック様が失望すればいいかも。でも失望させるといっても何かいい方法は。
仮の婚約者をつくる!
わたしに婚約者がいればエリック様は失望するかもしれない。でも婚約者を探すのはめんどくさい。これはやめよう。もう諦めてエリック様と婚約する?いや、王族との婚約は国の未来を動かす重要なもの。よく考えて準備しなくちゃ。
あぁ休めないよ。とりあえず目をつぶってみよう。
あれ、ここはあの時の場所。確かエーデルに未来を託された場所。でもどうしてここへ?
「貴女、今とても迷っているでしょう。」
この声ってエーデル!?
「はい、いい選択肢が見つからなくて。」
「私から1つ助言よ。婚約は1つの未来に過ぎないってことよ。」
え?それってどういうこと...
あ、朝だ。あの後ずっと寝ていたみたい。あの時は確か夕方くらいだったから夕食を食べ損ねてしまった。お腹ペコペコ。
さすがに何か食べないとやばそうだった為、ベルを鳴らして侍女を呼んだ。来たのはやはりフィールだった。
「おはようございますエーデル様。何を準備すればよろしいでしょうか?」
「朝食の前に何か食べらるものを用意してほしいな。」
「かしこまりました。どのようなものがよろしいでしょうか。」
「じゃあフルーツを。」
フィールはすぐに部屋を出て行ってしまった。。きっと仕事が早いからすぐ帰ってくるだろう。わたしも何かしようかと思ったらすぐに帰って来た。仕事が早い。用意されたものはリンゴだった。フィールはさくさくとリンゴの皮を剥き、綺麗に8等分していた。包丁の使い方がお上手!
「ありがとう。ん~リンゴおいしい。」
これからいろいろ考えなくてはならないことがあるけれど、わたしがこの世界でしたいことが1つ見つかった。それは、「この世界のフルーツをいっぱい食べること」
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