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スターチスは突として
6-a.時間が過ぎるのはいつも早いもので
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わたしとエリック様は今、負けられない戦いをしている。婚約を公表するかしないかについて。
「それでは一つ目。私の妹、メロディ王女と会ってお話してくれませんか。そして仲良くなっていただけませんか。二つ目に今度の王族主催お茶会について助言してください。」
メロディ王女って噂で聞いたことがあるけれど確か「隠れ姫」って呼ばれていたはず。めったに人前に現れず、パーティーでも気づいたらいなくなっているほどよく隠れているからそう呼ばれていたはず。会えるのかな。いやいや、ここで弱気になってしまったら勝負に負けてしまう。負けないんだから。
えっと、二つ目が今度の王室主催お茶会の助言だよね。助言ってそもそも貴族の令嬢が王太子にしてもいいのかな。って助言って不敬罪とかいろいろならないよね。心配すぎるよ。
「すぐには無理でも出来る限りのことをさせていただきます。ところで三つ目は。」
「三つめは二つが達成してから。頑張ってね。メロディのことはこちらでも準備しておくから。よろしくね。期待してるよ。」
その言葉にわたしの闘志は一気に燃え上がった。
ついにメロディ王女と会う日になった。というか今、メロディ王女が住むリりィ宮殿に来ている。王族ではあるが、相当の恥ずかしがり屋らしく離宮で普段暮らしているそうだ。リリィ宮殿の侍女の方に連れられて応接間までやってきた。
「初めましてメロディ王女様。エリック様からの紹介で来ました。エーデル・リバランスでございます。」
「顔を上げてください。とりあえずそこに座ってください。」
言われた通り高級そうなソファに腰を下ろす。うん。ふっかふか。
「本日はありがとうございます。エーデルさんって噂と違うんですね。びっくりしました。あっ。」
噂? 前のエーデルのときのことかな。でも、そんなに噂になるようなことしてたんのかな。
「あの、一体それは。」
「な、なんか昔見てた印象と違うっていうか。柔らかいっていうか。貴族のご令嬢にこんなこと言っちゃダメでしたよね。あはは、すいません。」
よくしゃべるな。ちょっと意外。前髪少し目にかかっていて猫背気味でいかにも陰キャですみたいなオーラを出しているけれどしゃべると覇気があっていいな。
「急なんですけど、エーデルさんは前世とかって信じたりしますか?」
今、前世って言ったか? 言ったよな。どういうことだ。もしかして転生してきたとか? いやいや、公務の何かで知ったとかかもしれない。
「もし、わたしが前世の記憶を覚えているって言ったらどうしますか。」
わたしの質問にメロディ王女はにやりと笑ってきた...気がした。
「だったら話すのみです。」
その何か企んだようなしゃべり方、エリック様と似ている。さすが兄妹。
「もう我慢出来ないので話しちゃいますね。ボク前世で十八の男子高校生だったんですよね。エーデルさんも高校生?」
こ、高校生だと。しかも男子! 今目の前にいるのは王女。転生は性別をも超えてしまうというのか。衝撃的すぎる。
「あはは。男子高校生か。若いね。」
「そういうエーデルさんは?」
そんな好奇心に満ち溢れた目で見ないでくれ。心が痛む。
「そ、そうね。一応女で社会人、だったかな。」
何となく自分年齢は言えない、言う気はなかった。約五歳離れているということはおばさんに見えるよね。恥ずかしいよなぁ。
「年上なんですね。今も年上なのは一緒ですね、エーデルおねぇさん。」
おねぇさんって恥ずかしい。でも嬉しい。ふふふ。
「ボク、前世では顔が女の子みたいだったから女の子が着る服をよく着てて、なんか、こう、違和感ないんですよね。こういうフリフリしたドレス嫌じゃないんですよね。」
「うん。似合っているよ。本当にかわいい!あ、嫌だった?」
本当に似合っている。なんていうか、守りたくなるようなかわいさがある。これは、ゲームの主人公である彼女とどこか似ている気がする。
「全然!むしろ嬉しいくらいですよ。」
もう、ほんといいなぁ彼。
その後も積もる話はいっぱいあるものでお互い息をするのを忘れるくらい話した。
「またお茶しませんか。今度はもっと前世のこといっぱい話しましょう。おねぇさん。」
「えぇ。いっぱい話しましょう。」
外は少しずつ日が傾いていた。こんなにも話していたなんて。時間が過ぎるのはあっという間だった。
帰りの馬車の中でわたしはメロディ王女のことを考えていた。
メロディ王女は見た感じは物静かで少し後ろに下がっているようなおとなしい女性って感じだけど、実際にしゃべるととても元気で明るい子というギャップが噂の原因の一つなのかもしれない。でも今日会って王女が転生者で男子高校生だということが分かったのはよかった。
またおしゃべりしたいけれど、おねぇさんと呼ばれるのには反応に困った。年齢的に上だけど、もし、もしも義姉という意味があったなら申し訳ない。わたしは結婚する気がないから。婚約を公表してしまったら婚約解消をするときめんどくさいことになってしまうから、何としても公表は避けたい。
お願いの一つ目はこなせただろう。残るはあと二つ。この調子で何としてでもクリアしてみせる。
後日、リバランス公爵邸にて。
「エリック様。お願い一つ目はこなしたと思います。どうでしょうか。」
「えぇ、あんなにメロディ王女が心を開いたのは初めてですよ。何をしたんですか、教えてください。」
「特に何もしてないですよ。ただお話ししただけですよ。」
ちょこっとだけ前世の話をしただけなんだけどね。
「まさか一つ目のお願いをこなすとは思っていませんでしたよ。」
ちょっとそれどういうことなのよ。挑発してるってのか。もうこのイケメンめ。
「二つ目のお願いのことなんですが、明日でもよろしいでしょうか。」
ちょ、明日! いくらなんでも早すぎじゃないか。予定的に微妙な気がするようなしないような。
「ちょっと予定を確認しますね。それによっては。」
あ! もしかしてわざと明日なんて言ったのでは。予定があればわたしはお願いの二つ目がこなせない。これが本当だとしたらひどい。
状況を察知したフィールがすぐに明日の予定について教えてくれた。その答えは
「エリック様。明日予定が空いていますの。よかったです、予定がなくて。」
危なかった。明日は何とか行けそうね。一安心。ふっ、どうだ。
「そうですか。それでは明日よろしくお願いします。明日もエーデルと話せてうれしいです。楽しみにしていますね。」
エリック様の表情は少し明るかったのはなぜだ。やっぱりよくわからないわ、この国の王太子。この人が攻略対象なのも納得いくなぁ。だってこんなに攻略が難しい人はいないだろう。
「明日は国王陛下と王妃陛下もいらっしゃるので本当に楽しみですね。」
こ、国王陛下と王妃陛下が来るなんて聞いてないよ~もう。やばい、心臓一気にバクバクしてきた。
「それでは一つ目。私の妹、メロディ王女と会ってお話してくれませんか。そして仲良くなっていただけませんか。二つ目に今度の王族主催お茶会について助言してください。」
メロディ王女って噂で聞いたことがあるけれど確か「隠れ姫」って呼ばれていたはず。めったに人前に現れず、パーティーでも気づいたらいなくなっているほどよく隠れているからそう呼ばれていたはず。会えるのかな。いやいや、ここで弱気になってしまったら勝負に負けてしまう。負けないんだから。
えっと、二つ目が今度の王室主催お茶会の助言だよね。助言ってそもそも貴族の令嬢が王太子にしてもいいのかな。って助言って不敬罪とかいろいろならないよね。心配すぎるよ。
「すぐには無理でも出来る限りのことをさせていただきます。ところで三つ目は。」
「三つめは二つが達成してから。頑張ってね。メロディのことはこちらでも準備しておくから。よろしくね。期待してるよ。」
その言葉にわたしの闘志は一気に燃え上がった。
ついにメロディ王女と会う日になった。というか今、メロディ王女が住むリりィ宮殿に来ている。王族ではあるが、相当の恥ずかしがり屋らしく離宮で普段暮らしているそうだ。リリィ宮殿の侍女の方に連れられて応接間までやってきた。
「初めましてメロディ王女様。エリック様からの紹介で来ました。エーデル・リバランスでございます。」
「顔を上げてください。とりあえずそこに座ってください。」
言われた通り高級そうなソファに腰を下ろす。うん。ふっかふか。
「本日はありがとうございます。エーデルさんって噂と違うんですね。びっくりしました。あっ。」
噂? 前のエーデルのときのことかな。でも、そんなに噂になるようなことしてたんのかな。
「あの、一体それは。」
「な、なんか昔見てた印象と違うっていうか。柔らかいっていうか。貴族のご令嬢にこんなこと言っちゃダメでしたよね。あはは、すいません。」
よくしゃべるな。ちょっと意外。前髪少し目にかかっていて猫背気味でいかにも陰キャですみたいなオーラを出しているけれどしゃべると覇気があっていいな。
「急なんですけど、エーデルさんは前世とかって信じたりしますか?」
今、前世って言ったか? 言ったよな。どういうことだ。もしかして転生してきたとか? いやいや、公務の何かで知ったとかかもしれない。
「もし、わたしが前世の記憶を覚えているって言ったらどうしますか。」
わたしの質問にメロディ王女はにやりと笑ってきた...気がした。
「だったら話すのみです。」
その何か企んだようなしゃべり方、エリック様と似ている。さすが兄妹。
「もう我慢出来ないので話しちゃいますね。ボク前世で十八の男子高校生だったんですよね。エーデルさんも高校生?」
こ、高校生だと。しかも男子! 今目の前にいるのは王女。転生は性別をも超えてしまうというのか。衝撃的すぎる。
「あはは。男子高校生か。若いね。」
「そういうエーデルさんは?」
そんな好奇心に満ち溢れた目で見ないでくれ。心が痛む。
「そ、そうね。一応女で社会人、だったかな。」
何となく自分年齢は言えない、言う気はなかった。約五歳離れているということはおばさんに見えるよね。恥ずかしいよなぁ。
「年上なんですね。今も年上なのは一緒ですね、エーデルおねぇさん。」
おねぇさんって恥ずかしい。でも嬉しい。ふふふ。
「ボク、前世では顔が女の子みたいだったから女の子が着る服をよく着てて、なんか、こう、違和感ないんですよね。こういうフリフリしたドレス嫌じゃないんですよね。」
「うん。似合っているよ。本当にかわいい!あ、嫌だった?」
本当に似合っている。なんていうか、守りたくなるようなかわいさがある。これは、ゲームの主人公である彼女とどこか似ている気がする。
「全然!むしろ嬉しいくらいですよ。」
もう、ほんといいなぁ彼。
その後も積もる話はいっぱいあるものでお互い息をするのを忘れるくらい話した。
「またお茶しませんか。今度はもっと前世のこといっぱい話しましょう。おねぇさん。」
「えぇ。いっぱい話しましょう。」
外は少しずつ日が傾いていた。こんなにも話していたなんて。時間が過ぎるのはあっという間だった。
帰りの馬車の中でわたしはメロディ王女のことを考えていた。
メロディ王女は見た感じは物静かで少し後ろに下がっているようなおとなしい女性って感じだけど、実際にしゃべるととても元気で明るい子というギャップが噂の原因の一つなのかもしれない。でも今日会って王女が転生者で男子高校生だということが分かったのはよかった。
またおしゃべりしたいけれど、おねぇさんと呼ばれるのには反応に困った。年齢的に上だけど、もし、もしも義姉という意味があったなら申し訳ない。わたしは結婚する気がないから。婚約を公表してしまったら婚約解消をするときめんどくさいことになってしまうから、何としても公表は避けたい。
お願いの一つ目はこなせただろう。残るはあと二つ。この調子で何としてでもクリアしてみせる。
後日、リバランス公爵邸にて。
「エリック様。お願い一つ目はこなしたと思います。どうでしょうか。」
「えぇ、あんなにメロディ王女が心を開いたのは初めてですよ。何をしたんですか、教えてください。」
「特に何もしてないですよ。ただお話ししただけですよ。」
ちょこっとだけ前世の話をしただけなんだけどね。
「まさか一つ目のお願いをこなすとは思っていませんでしたよ。」
ちょっとそれどういうことなのよ。挑発してるってのか。もうこのイケメンめ。
「二つ目のお願いのことなんですが、明日でもよろしいでしょうか。」
ちょ、明日! いくらなんでも早すぎじゃないか。予定的に微妙な気がするようなしないような。
「ちょっと予定を確認しますね。それによっては。」
あ! もしかしてわざと明日なんて言ったのでは。予定があればわたしはお願いの二つ目がこなせない。これが本当だとしたらひどい。
状況を察知したフィールがすぐに明日の予定について教えてくれた。その答えは
「エリック様。明日予定が空いていますの。よかったです、予定がなくて。」
危なかった。明日は何とか行けそうね。一安心。ふっ、どうだ。
「そうですか。それでは明日よろしくお願いします。明日もエーデルと話せてうれしいです。楽しみにしていますね。」
エリック様の表情は少し明るかったのはなぜだ。やっぱりよくわからないわ、この国の王太子。この人が攻略対象なのも納得いくなぁ。だってこんなに攻略が難しい人はいないだろう。
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