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第三百二十五話 上機嫌だな?
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「ふんふふーん♪」
いつものようにバリスタの調整を終えて、宿に戻ると食堂に上機嫌なフランさんがいた。見た感じ、他の皆さんはいない。
「上機嫌ですけど、どうかしました?」
「ノエルが来るんじゃよ」
「ああ、なるほど」
よくよく考えたらフランさんが上機嫌になるのなんて、ノエルちゃん関連だよね。お祭りの時は会ってたみたいだけど、それだけじゃ足りていないんだろう。前みたいに暴走しないと良いけど。
「他の皆さんはまだみたいですね」
「もう少しで来るじゃろ。集まったら、美味い中華料理屋に行くぞ。既に予約をしてあるからな」
「張り切ってますね」
「当たり前じゃ。ノエルには美味しい物を食べて欲しいからのう」
ブレないフランさんの発言に関心していると、宿の入口からミエルさん、ホウリさん、ノエルちゃんが入って来た。
「ただいま」
「ただいま戻った」
「ただいま~」
瞬間、フランさんの姿が消えた。比喩ではない。文字通り、姿が跡形も無く消えた。
「な、何が……」
「ノエル~!」
フランさんの姿を探していると、後ろから声が聞こえた。
振り返ってみると、フランさんがノエルちゃんに抱き着いている姿があった。
「久しぶりじゃのう」
「えへへ、久しぶり」
「まだ祭りから2週間くらいだけどな」
「細かいことは気にするな。それよりも、お腹空いたじゃろ?美味い中華料理屋を予約しておるんじゃ」
「個室はあるか?」
「勿論じゃ」
「なら、そこで今後の話をしよう」
☆ ☆ ☆ ☆
フランさんが予約した中華料理屋さんに皆で行く。
個室に通されて、皆でメニューを見つつ注文を決めていく。
「私は北京ダックが食べたいな」
「麻婆豆腐なんかも良いのう」
「僕は八宝菜がいいです」
「ねぇねぇ、ハンバーグは無いの?」
「無いが、肉団子ならあるぞ?」
そんな感じで料理を決めて、店員さんへの注文まで済ませる。
「さてと、皆に集まって貰ったのは他でもない。今後の方針を説明するためだ」
「オダリムの防衛についてってことですか?」
「違う。スターダストの方針についてだ」
「今話すことなのか?」
確かに今はオダリムが襲撃を受けている最中だ。スターダストの事を考えている余裕などあるのだろうか。
「オダリムを蔑ろにしている訳じゃない。襲撃の対策をしている合間にスターダストの方針も固めていた」
「お主っていつ休んでるんじゃ?」
「ここ1年はあまり休んでないな」
「オダリム襲撃前からそんな感じなのか」
「なら問題無いか」
「問題無いんですかね?」
ホウリさんがどんな生活をしているのか気になる。夜に家にいることをほとんど見たことが無い。ちゃんと寝てるんだろうか。
「それで、スターダストの方針とは何を話すつもりじゃ?」
「王都を出る日が決まった」
ホウリさんの言葉を聞いた僕らの間に緊張感が走る。
「知っての通り、俺達はフランを倒すために旅をしている」
「言うなればラスボスを倒すための準備じゃな」
「ラスボス自身がそれを言うか」
ラスボスと勇者が同じ席でご飯を食べながら、ラスボス討伐の話をしている。なんとも奇妙な光景だ。
「王都にいるのは情報と道具の調達が目的だ。それの目途が立った」
「いつ旅立つのだ?」
「8か月後だ」
8か月後、ちょうど王都に来てから1年経ったくらいでの旅立ちになるんだ。
「それまでに王都でやっておくべきことは済ませておけ」
「はーい」
「騎士団の方はどうなるんですかね?」
「また休職するしかないだろう」
「1年で休職ですか。なんだか申し訳ないですね」
「世界を救うためだ。多少の無理は俺が通す」
「世界を救う?そんな目的だっけ?」
ノエルちゃんが首を傾げる。そういえば、旅の目的を話したのも随分前だ。確かミエルさんが隠れて暮らしていた時いらいかな。
「なんだ、旅の目的を忘れたのか?」
「うん。フランお姉ちゃんを倒すっていうのは覚えているけど、なんでかっていうのは忘れちゃった」
「そうじゃな。わしを倒すのはノエルにとって心苦しいじゃろうが」
「え?普通に倒すけど?」
「……そうか」
フランさんが悲しそうに俯く。そんなフランさんをホウリさんは無視して話を始める。
「フランを倒す理由は魔王と勇者の魂を回収することにある」
「魔王と勇者は昔から争っているんですっけ」
「そうだ。人族と魔族の争いの原因もそこにある」
「それは初耳だな」
「別に重要なことじゃないからな」
ホウリさん曰く、魔王と勇者は憎しみ合うようになっていて、1000年前から争いが絶えなかったらしい。そして、戦いの規模は大きくなり、魔国と人国の争いにまで発展した。
「フランが出てくるまで戦争は続いたからな」
「終わらせるのに苦労したんじゃぞ?攻撃されながらも人国に何度も出向いたりしてのう」
「そうなんだ!フランお姉ちゃんって凄いんだね!」
「じゃろ?」
ノエルちゃんからの尊敬のまなざしを受けて、フランさんの表情が明るくなる。
「で、フランが魔王の魂を持ってからは魔王と勇者の戦いは起こらなくなった。けど、問題は終わっていない」
「それぞれの魂は戦いを重ねるごとに強くなっていく。そして、そのエネルギーは勇者と魔王の決着がつくと放出されるのだったな」
「そうだ。それを防ぐためには、魔王と勇者の魂が出た瞬間に神に回収して貰う必要がある」
「だから、フランさんが魔王の魂を持っている間にホウリさんが倒す必要があるんですよね」
「もしくは、わしがホウリを倒すかじゃな」
「俺は死なん」
「わしじゃって負ける気はない」
そんな言葉を交わしているが、フランさんとホウリさんの間に殺伐とした雰囲気は無い。殺し合いの話をしているのに異様だ。
「ここまで来たら、理由は思い出せたな?」
「うん!バッチリ!」
「それは良かった」
「ですが、フランさんを倒す方法なんてあるんですか?」
「目途は立っている」
「ほう?どういう方法か知りたいのう?」
「敵に教える訳ないだろうが」
驚いた、ホウリさんにはフランさんを倒す方法が思いついているのか。
トリシューラを片手で受け止める人を倒す方法?僕には思いつかない。
「王都を出た後はどこに向かうんだ」
「とりあえず魔国に向かう予定だ。目的地は明確には決まっていないが、レベルの向上を目的としている」
「旅の期間はどのくらいですか?」
「2年を予定している」
結構短いかも?でも、ホウリさんの事だしなんとかなりそうだ。
「方針の説明は以上だ。他に質問がある奴はいるか?」
「はい!」
ノエルちゃんが勢いよく手を上げる。
「どうした?」
「届いたナイフって何に使うのかなって思ってさ」
「ナイフ?」
ノエルちゃんが2本のナイフを取り出してテーブルに置く。
「これはなんだ?」
「この2本のナイフに同じMPを込めれば赤く光るの。ホウリお兄ちゃんから、光るのを3時間はキープできるように練習するようにお手紙を貰ったの」
「へぇ、変わったものですね」
ナイフを手に取ってみる。刃の部分は丸くなっていて、武器としては使いにくいだろう。それ以外は普通のナイフだ。
試しに2本のナイフにMPを込めてみると赤く光り出した。
「確かに光りますね。どういう仕組みなんですか?」
「MPを込めると特殊な魔力波が出る。魔力波の量が2本とも同じになると光るという仕組みだ」
「ミントが作ったのか?」
「ああ」
込めるMPを増減させると、光が強くなったり弱くなったりする。
「おもちゃみたいで面白いですね」
「すっごーい!ノエルなんて10秒くらいしか光らせられないのに!」
「MPのコントロールの練習はいつもやってるからね」
「お前ら2人はMPのコントロールが重要だからな。少しでも上手くなって貰うぞ」
「だが、2本のナイフで練習する理由はなんじゃ?」
「とある発明品を使って貰おうかと思ってな」
「とある発明品?」
「詳しくは後のお楽しみだ。だが、ワクワクすることは確実だぜ?」
そう言ってホウリさんがいたずらっぽくニヤリと笑う。ワクワクする発明品?一体何だろうか?
「他に質問がある奴は?」
ホウリさんの言葉に手を上げる人はいなかった。
「じゃあ、これで話はおしまいだ。あとは飯でも食いながら近況でも話すか」
「そうじゃな」
「ですね」
この後、僕らは中華料理を堪能しながら楽しくお喋りをするのであった。
いつものようにバリスタの調整を終えて、宿に戻ると食堂に上機嫌なフランさんがいた。見た感じ、他の皆さんはいない。
「上機嫌ですけど、どうかしました?」
「ノエルが来るんじゃよ」
「ああ、なるほど」
よくよく考えたらフランさんが上機嫌になるのなんて、ノエルちゃん関連だよね。お祭りの時は会ってたみたいだけど、それだけじゃ足りていないんだろう。前みたいに暴走しないと良いけど。
「他の皆さんはまだみたいですね」
「もう少しで来るじゃろ。集まったら、美味い中華料理屋に行くぞ。既に予約をしてあるからな」
「張り切ってますね」
「当たり前じゃ。ノエルには美味しい物を食べて欲しいからのう」
ブレないフランさんの発言に関心していると、宿の入口からミエルさん、ホウリさん、ノエルちゃんが入って来た。
「ただいま」
「ただいま戻った」
「ただいま~」
瞬間、フランさんの姿が消えた。比喩ではない。文字通り、姿が跡形も無く消えた。
「な、何が……」
「ノエル~!」
フランさんの姿を探していると、後ろから声が聞こえた。
振り返ってみると、フランさんがノエルちゃんに抱き着いている姿があった。
「久しぶりじゃのう」
「えへへ、久しぶり」
「まだ祭りから2週間くらいだけどな」
「細かいことは気にするな。それよりも、お腹空いたじゃろ?美味い中華料理屋を予約しておるんじゃ」
「個室はあるか?」
「勿論じゃ」
「なら、そこで今後の話をしよう」
☆ ☆ ☆ ☆
フランさんが予約した中華料理屋さんに皆で行く。
個室に通されて、皆でメニューを見つつ注文を決めていく。
「私は北京ダックが食べたいな」
「麻婆豆腐なんかも良いのう」
「僕は八宝菜がいいです」
「ねぇねぇ、ハンバーグは無いの?」
「無いが、肉団子ならあるぞ?」
そんな感じで料理を決めて、店員さんへの注文まで済ませる。
「さてと、皆に集まって貰ったのは他でもない。今後の方針を説明するためだ」
「オダリムの防衛についてってことですか?」
「違う。スターダストの方針についてだ」
「今話すことなのか?」
確かに今はオダリムが襲撃を受けている最中だ。スターダストの事を考えている余裕などあるのだろうか。
「オダリムを蔑ろにしている訳じゃない。襲撃の対策をしている合間にスターダストの方針も固めていた」
「お主っていつ休んでるんじゃ?」
「ここ1年はあまり休んでないな」
「オダリム襲撃前からそんな感じなのか」
「なら問題無いか」
「問題無いんですかね?」
ホウリさんがどんな生活をしているのか気になる。夜に家にいることをほとんど見たことが無い。ちゃんと寝てるんだろうか。
「それで、スターダストの方針とは何を話すつもりじゃ?」
「王都を出る日が決まった」
ホウリさんの言葉を聞いた僕らの間に緊張感が走る。
「知っての通り、俺達はフランを倒すために旅をしている」
「言うなればラスボスを倒すための準備じゃな」
「ラスボス自身がそれを言うか」
ラスボスと勇者が同じ席でご飯を食べながら、ラスボス討伐の話をしている。なんとも奇妙な光景だ。
「王都にいるのは情報と道具の調達が目的だ。それの目途が立った」
「いつ旅立つのだ?」
「8か月後だ」
8か月後、ちょうど王都に来てから1年経ったくらいでの旅立ちになるんだ。
「それまでに王都でやっておくべきことは済ませておけ」
「はーい」
「騎士団の方はどうなるんですかね?」
「また休職するしかないだろう」
「1年で休職ですか。なんだか申し訳ないですね」
「世界を救うためだ。多少の無理は俺が通す」
「世界を救う?そんな目的だっけ?」
ノエルちゃんが首を傾げる。そういえば、旅の目的を話したのも随分前だ。確かミエルさんが隠れて暮らしていた時いらいかな。
「なんだ、旅の目的を忘れたのか?」
「うん。フランお姉ちゃんを倒すっていうのは覚えているけど、なんでかっていうのは忘れちゃった」
「そうじゃな。わしを倒すのはノエルにとって心苦しいじゃろうが」
「え?普通に倒すけど?」
「……そうか」
フランさんが悲しそうに俯く。そんなフランさんをホウリさんは無視して話を始める。
「フランを倒す理由は魔王と勇者の魂を回収することにある」
「魔王と勇者は昔から争っているんですっけ」
「そうだ。人族と魔族の争いの原因もそこにある」
「それは初耳だな」
「別に重要なことじゃないからな」
ホウリさん曰く、魔王と勇者は憎しみ合うようになっていて、1000年前から争いが絶えなかったらしい。そして、戦いの規模は大きくなり、魔国と人国の争いにまで発展した。
「フランが出てくるまで戦争は続いたからな」
「終わらせるのに苦労したんじゃぞ?攻撃されながらも人国に何度も出向いたりしてのう」
「そうなんだ!フランお姉ちゃんって凄いんだね!」
「じゃろ?」
ノエルちゃんからの尊敬のまなざしを受けて、フランさんの表情が明るくなる。
「で、フランが魔王の魂を持ってからは魔王と勇者の戦いは起こらなくなった。けど、問題は終わっていない」
「それぞれの魂は戦いを重ねるごとに強くなっていく。そして、そのエネルギーは勇者と魔王の決着がつくと放出されるのだったな」
「そうだ。それを防ぐためには、魔王と勇者の魂が出た瞬間に神に回収して貰う必要がある」
「だから、フランさんが魔王の魂を持っている間にホウリさんが倒す必要があるんですよね」
「もしくは、わしがホウリを倒すかじゃな」
「俺は死なん」
「わしじゃって負ける気はない」
そんな言葉を交わしているが、フランさんとホウリさんの間に殺伐とした雰囲気は無い。殺し合いの話をしているのに異様だ。
「ここまで来たら、理由は思い出せたな?」
「うん!バッチリ!」
「それは良かった」
「ですが、フランさんを倒す方法なんてあるんですか?」
「目途は立っている」
「ほう?どういう方法か知りたいのう?」
「敵に教える訳ないだろうが」
驚いた、ホウリさんにはフランさんを倒す方法が思いついているのか。
トリシューラを片手で受け止める人を倒す方法?僕には思いつかない。
「王都を出た後はどこに向かうんだ」
「とりあえず魔国に向かう予定だ。目的地は明確には決まっていないが、レベルの向上を目的としている」
「旅の期間はどのくらいですか?」
「2年を予定している」
結構短いかも?でも、ホウリさんの事だしなんとかなりそうだ。
「方針の説明は以上だ。他に質問がある奴はいるか?」
「はい!」
ノエルちゃんが勢いよく手を上げる。
「どうした?」
「届いたナイフって何に使うのかなって思ってさ」
「ナイフ?」
ノエルちゃんが2本のナイフを取り出してテーブルに置く。
「これはなんだ?」
「この2本のナイフに同じMPを込めれば赤く光るの。ホウリお兄ちゃんから、光るのを3時間はキープできるように練習するようにお手紙を貰ったの」
「へぇ、変わったものですね」
ナイフを手に取ってみる。刃の部分は丸くなっていて、武器としては使いにくいだろう。それ以外は普通のナイフだ。
試しに2本のナイフにMPを込めてみると赤く光り出した。
「確かに光りますね。どういう仕組みなんですか?」
「MPを込めると特殊な魔力波が出る。魔力波の量が2本とも同じになると光るという仕組みだ」
「ミントが作ったのか?」
「ああ」
込めるMPを増減させると、光が強くなったり弱くなったりする。
「おもちゃみたいで面白いですね」
「すっごーい!ノエルなんて10秒くらいしか光らせられないのに!」
「MPのコントロールの練習はいつもやってるからね」
「お前ら2人はMPのコントロールが重要だからな。少しでも上手くなって貰うぞ」
「だが、2本のナイフで練習する理由はなんじゃ?」
「とある発明品を使って貰おうかと思ってな」
「とある発明品?」
「詳しくは後のお楽しみだ。だが、ワクワクすることは確実だぜ?」
そう言ってホウリさんがいたずらっぽくニヤリと笑う。ワクワクする発明品?一体何だろうか?
「他に質問がある奴は?」
ホウリさんの言葉に手を上げる人はいなかった。
「じゃあ、これで話はおしまいだ。あとは飯でも食いながら近況でも話すか」
「そうじゃな」
「ですね」
この後、僕らは中華料理を堪能しながら楽しくお喋りをするのであった。
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