【完結】しろくまニアック!

佐橋 竜字

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【番外編】25.祝 初配信

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 レン様がヘッドフォンを付け、コントローラーを手にする。僕も渡された配信装備を装着する。
「皆ー! ただいまー」
 コメント欄が僕のものと比にならない速さと量で埋め尽くされる。さすがは超有名人だ。
「えー、この度、俺の初配信に初登場してくださいます、皆ご存じの、バーチャルライバーの黒ずきん氏ですー」
「どうも、黒ずきんです。今回もどうぞよろしくお願いいたしぐっ」
 レン様からの突然の肘鉄。
「硬過ぎだろ!? 黒ずきん氏、実況何年目だよ?」
「えっ!? だって、レン様僕の動画見て下さったなら分かるでしょう?」
「・・・? 何が?」
「ぃやだから、僕の配信! コラボなんてあんまりしたことがないから、緊張するんですぅ!」
「あ、あぁ? そうだっけ。コラボ配信と自分の配信って違うんだ?」
「いやいや違うでしょう!? 他人様の動画ですよ!? 前回は僕の配信で、見に来てくれるのは僕のリスナーです。だけど今回は、今回は違います! レン様の、レン様のファンリスナー様達が、今、ナウ、ここに集まって視聴されているんです!」
「ぅ、うん?」
「粗相がないとか、汚い言葉は使用していないかとか、マナーとか。僕達ストリーマーはリスナー様あっての存在なんですよ!」
「すとりーまー?」
「あ、あぁすいません。動画配信者のことです。顔出ししてたり、ただ声だけだったり、僕のようなバーチャルだったり。同じエンターテイナーですが、その方々の色と個性とやり方がある。面白い世界ですよ」
「うんうん、それに俺が入ったわけね」
 僕は拍手した。
「ようこそレン様! そしておめでとうございます!」
 するとコメント欄が拍手のアイコンとパチパチという表記でいっぱいになる。
「うわぁ、嬉しい~。本当にありがとう。動画のこととなると凄い饒舌になる可愛い黒ずきん師匠と共にぃ、今回、ミルフィオリ最終回? 迎えちゃいます!」
 饒舌。
「・・・そ、そんなに喋ってました?」
「多分ね、大体文字数で言うと400字原稿用紙一枚分ぐらい?」
「・・・・・・すいません」
「何で謝るのさ? ストリーマーなんだから、喋ってなんぼだろ」
「いや、人様の配信でそんな」
「んもぅ気を使い過ぎ! ね? 皆、俺が黒ずきん氏リスペクトする理由、分かる? 分かった?」
「?」
 コメントに何やら変な単語が流れる。
「そうなんだよ~、庇護欲煽られるっていうか、可愛い弟っていうか。実写もね、黒髪でお目目くりんとしてて可愛いのさ」
「なっ!? レレレレレン様っ!」
「ん?」
「こういう世界ではそういうリアルな話はご法度ですってば!」
「えー? あぁ、そうなのか。ふんふん、そうそう。俺はリアルの黒ずきん氏の隣でラブラブゲームしてるんだ」
「レーンーさーまーっ!」
「んもぅごめんごめんてば。じゃ、続きやろやろ~?」
 中々のご令嬢である。
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