【完結】私たちの今

MIA

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素直になれない私が見る夢

9・完

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初めて知った、お母さんの思い。

藻掻いて、足掻いて、必死に頑張っていたのは、私だけじゃなかった。
私はずっと、一人で頑張ってるつもりだった。

誰かに助けられていることにすら気付かず。
誰かに思われていることにも気付けず。

こんなにやってるのに。
そうやって不平不満ばかりを口にしていた。

ー自分…なりにでしょ?ー

お母さんの声が問いかける。

一人でやってみたい。
そうやって強がってたくせに。

私は、どうしたら強くなれるのか。
それを自分で考えてきたことがあっただろうか。
人の話に耳を傾けて、真剣に言葉を聞いたことがあっただろうか。

水泳と、本気で。
向き合ってきたことがあっただろうか。

誰かのせいにして、誰かを羨んで。
勝手に比較して、勝手に失望して。

私は。
変わろうとしたかな?

溢れ出てくる涙。
それを止めたくても止められない。

お母さんがした覚悟。
その大きさに、改めて思い知らされる。

大人は凄い。
お母さんは、凄い。

信じたものを、迷いなく信じ続ける。
する。と決めた事を、やり通す。

それがどれだけ難しいか。
私は身に沁みてわかっているじゃないか。

変わらなきゃいけない。
まだまだ、やれることがある。

今、やめたら後悔する。
そうハッキリとわかった。

思いは、重りじゃない。
思いは、力だったんだ。



あれから。

私はちょっとだけ変わった。

やっぱりいきなり激変、とまではいかないし。
お母さんの言葉に相変わらず苛立ったり、煙たがったりもする。

そんな時は思い出すようにしている。

一人で戦ってるんじゃない。

その事を。

そうやって思えば、私はまだまだ頑張れる。



あの日。
お母さんに水泳を続けると言った時。

私は私なりに考えた結論を伝えた。

ーやれるとこまでやりきってみる。だから、時々。また助けて。ー

お母さんは、そうか。と言って。

ー当たり前だよ!ー

そう笑って腕を広げ、おいで!と言った。

私は笑いながら、やだよ。とその腕の中には飛び込まなかったけれど。

ーもう、子どもじゃないか。ー

そう言って、あっさりとその腕を下げたお母さん。

それは、少し寂しそうで、嬉しそうで。

私は幼い頃を思い出す。

あの頃みたいに、迷いなく胸の中に収まって。
無邪気に甘えられる子どもではいられなくなったけれど。
今だって。
やっぱり、頼って、寄りかかって、めいっぱい甘えてしまう。

お母さん。
ありがとう。

そんな事は、口が裂けても言えないけど…。

素直じゃない私は、今でも無謀な夢を追いかけている。

それは、お母さんが信じてくれているって思えるから、追いかけることができるんだよ。


タイムの線は少しづつ。
上へと、登り始めている。

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