魔族との契約婚、物理で解決中

冬風蓮

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第2章:異界ログイン編

ゲートとダイスと運命と

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冥界行きを決めたものの、肝心のゲートの情報はなかなか見つからなかった。

そんなある日。

「見つけたぞ!冥界ゲートの手がかりを!」

ダクエルは勢いよくユイの肩に飛び乗った。

「マジ!?どこに?」

「廃遊園地だ。あの場所には契約者の痕跡がある」

「……遊園地ってまたベタな」

しかしユイは内心ワクワクしていた。だって、ちょっと面白そうだから。

***

夜の遊園地は静まり返っていた。
朽ち果てた観覧車が不気味に揺れる中、二人はゲートらしきものを探して歩く。

「あれじゃない?」

ユイが指さした先、朽ちたメリーゴーランドの中央に小さな石碑があった。

ダクエルが慎重に触れると、かすかな光が灯る。

「間違いない、これは冥界ゲートの痕跡だ。だが魔力が足りない……」

「どうする?」

その時、背後から声がした。

「私の契約を受ければ、そのゲートは開きますよ」

振り返ると、そこには古風な燕尾服をまとった美青年が立っていた。
微笑みは上品だが、瞳に宿るのは鋭い魔力。

「あなたも契約者?」

「ええ。私と契約すれば、その小さなゲートも開きます。ただし──」

「ただし?」

「開けば、あなたの契約は上書きされ、私のものに」

ユイは渋い顔をした。

「うーん、乗り換え契約ってことか……めんどくさいな」

「選択肢はあなたにあります。さあ、どうします?」

迷ったユイはダクエルを見るが、小さな姿のダクエルはただ焦っているだけだった。

「くっ、今の我では助言も難しい……!」

そこでユイは指先から鉄を取り出し、小さなサイコロを作り出した。

「よし、これで決める!」

「は?運任せか!?」

「うん、偶数なら契約してゲート開放。奇数ならズドン」

「またズドンか!」

ユイは勢いよく鉄のサイコロを放り投げる。
サイコロは地面で弾み、回転しながら止まった。

出目は──【1】。

「はい、ズドン決定!」

「ちょっと待て!あれほどズドン禁止と──」

「もう決めた!」

ユイは即座に拳を握り、美青年の契約魔法に向かって一撃を放つ。

「待って、ちょっと話し合いを──ぐわぁぁ!」

青年は派手に吹き飛び、契約の魔力は砕け散った。
その瞬間、小さな石碑が輝きを増し、ゲートが淡く光り始める。

「何とかなったじゃん」

ダクエルは呆れ顔だったが、魔力の流れを見て安堵する。

「……どうやら運命は貴様のズドンを選んだようだな」

ユイは笑って石碑に近づく。

「じゃあ、開けてみる?」

「仕方ないな。少しずつ我が魔力も戻りつつある、なんとかなるだろう」

ゲートがゆっくりと開き始め、淡い光が二人を包む。

こうしてまたひとつ、契約トラブルがズドンによって解決され──
彼女たちはついに異界への第一歩を踏み出した。

(了)
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