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第2章:異界ログイン編
ゲートの先は銀世界?
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ゲートを抜けたユイとダクエルの目の前に広がっていたのは、一面の銀世界だった。
「……寒っ!」
ユイは腕を抱え、ぶるぶると震える。
「当然だろう、ここは冥界の外縁『忘却の雪原』だ」
ダクエルは得意げに語るが、小さな体はやはり寒そうだ。
「で、契約破棄の儀式はどこ?」
「もっと中心にある『契約の祭壇』だ。しかし魔力が足りぬうちは辿りつけんぞ」
「つまり、地味に事件解決して魔力貯めろってこと?」
「その通り」
そこへ、銀色の森の奥から人影が現れた。
長い白髪と凛とした表情の、美しい青年だった。
「またイケメンだ」
「紹介しろ!」
ダクエルは反射的にユイの肩でぴょんぴょんと跳ねる。
「いや、そういう場合じゃないでしょ!」
青年は穏やかに微笑みつつも、不穏なことを口にした。
「冥界への侵入者……あなた方をここから通すわけにはいきません」
「うわ、めんどくさ!」
ユイは顔をしかめ、戦闘態勢をとったが、ダクエルは必死で止めた。
「ま、待て!この雪原でズドンは危険だ、なだれが起きるぞ!」
「じゃあどうするのよ!?」
青年は魔法の鎖を構え、冷ややかな目で迫ってくる。
「契約侵入者に慈悲はない──」
「ひぃ!」
ユイは慌てて小さな鉄の盾を生成したが、勢いで倒れ込み、雪の上を滑った。
「あれ?」
青年の鎖が空を切る。ユイは偶然にも滑り込んだ勢いで青年の足元へと飛び込み、そのまま衝突。
ドスンッ!!
二人は雪に埋まり、あたりは静まり返る。
「……なんだ、この結末は」
ダクエルが唖然としていると、雪の中から青年が顔を出した。
「まさか、私の魔法を破るとは……」
「いや、私も滑っただけなんだけど……」
青年は静かに微笑み、小さくうなずいた。
「この地では、それが運命なのでしょう。あなたを通します……」
青年の姿が静かに消えると、ダクエルは感嘆したように呟いた。
「お前、やはり運だけはあるな」
「それ褒めてる?」
「呆れている」
ユイは鼻をすすりつつ起き上がり、遠くを眺める。
雪原の先には、ぼんやりと巨大な祭壇らしき影が見えていた。
「まだまだ先は長そうだなぁ」
「当然だ。だが、少しずつ進んでいるぞ」
ユイは肩の小さな魔族を見て笑った。
「まあ、地味にやってくしかないか」
二人は銀世界をゆっくりと歩き出した。祭壇への道はまだまだ遠かったが──少しだけ前進したことを感じていた。
(了)
「……寒っ!」
ユイは腕を抱え、ぶるぶると震える。
「当然だろう、ここは冥界の外縁『忘却の雪原』だ」
ダクエルは得意げに語るが、小さな体はやはり寒そうだ。
「で、契約破棄の儀式はどこ?」
「もっと中心にある『契約の祭壇』だ。しかし魔力が足りぬうちは辿りつけんぞ」
「つまり、地味に事件解決して魔力貯めろってこと?」
「その通り」
そこへ、銀色の森の奥から人影が現れた。
長い白髪と凛とした表情の、美しい青年だった。
「またイケメンだ」
「紹介しろ!」
ダクエルは反射的にユイの肩でぴょんぴょんと跳ねる。
「いや、そういう場合じゃないでしょ!」
青年は穏やかに微笑みつつも、不穏なことを口にした。
「冥界への侵入者……あなた方をここから通すわけにはいきません」
「うわ、めんどくさ!」
ユイは顔をしかめ、戦闘態勢をとったが、ダクエルは必死で止めた。
「ま、待て!この雪原でズドンは危険だ、なだれが起きるぞ!」
「じゃあどうするのよ!?」
青年は魔法の鎖を構え、冷ややかな目で迫ってくる。
「契約侵入者に慈悲はない──」
「ひぃ!」
ユイは慌てて小さな鉄の盾を生成したが、勢いで倒れ込み、雪の上を滑った。
「あれ?」
青年の鎖が空を切る。ユイは偶然にも滑り込んだ勢いで青年の足元へと飛び込み、そのまま衝突。
ドスンッ!!
二人は雪に埋まり、あたりは静まり返る。
「……なんだ、この結末は」
ダクエルが唖然としていると、雪の中から青年が顔を出した。
「まさか、私の魔法を破るとは……」
「いや、私も滑っただけなんだけど……」
青年は静かに微笑み、小さくうなずいた。
「この地では、それが運命なのでしょう。あなたを通します……」
青年の姿が静かに消えると、ダクエルは感嘆したように呟いた。
「お前、やはり運だけはあるな」
「それ褒めてる?」
「呆れている」
ユイは鼻をすすりつつ起き上がり、遠くを眺める。
雪原の先には、ぼんやりと巨大な祭壇らしき影が見えていた。
「まだまだ先は長そうだなぁ」
「当然だ。だが、少しずつ進んでいるぞ」
ユイは肩の小さな魔族を見て笑った。
「まあ、地味にやってくしかないか」
二人は銀世界をゆっくりと歩き出した。祭壇への道はまだまだ遠かったが──少しだけ前進したことを感じていた。
(了)
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