天使と死神は恋をする(追憶のquiet特別番外編)

makikasuga

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2days③

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 桜はシラサカの申し出を了承し、零の側にいることを受け入れた。父にバレたら大変な事になるからと、直人は説得を試みたが、桜の気持ちは変わらなかった。こうなれば、直人は折れるしかなく、シラサカと松田を加えた四人でアリバイ工作を考えた。
 相談の結果、表向きは監視に嫌気がさしたことにして、父絡みのものから全て逃げることにした。アルバイトもお休みすることにして、診療所から店に電話をかけた。事情を話すと、勤労意欲のない店主は、避暑地に行ってリフレッシュすると言って二つ返事で了承した。こうして桜は、松田の診療所に身を寄せることになり、着替え等を取り戻るべく、直人に連れられ、一旦自宅に戻った。

「桜ちゃん、本当にいいの?」
 着替えや宿泊の準備をして車に乗り込むと、直人は話を切り出した。彼はまだ納得していないようだった。
「シラサカさんは、君は利用するつもりでいる。零が優衣さんを思い続ける気持ちを使って、あいつの記憶を呼び起こそうとしている」
 松田が蓮見という名に反応したことから、八年前の事件と優衣の名前を出したとばかり思っていた。
「桜ちゃんと零を一緒にって言われたとき、気づけばよかった。人が良さそうに見せてるけど、あの人は零より非情だから」
 犯人は永遠に謎のままに終わると言った際、優しかったシラサカの目が鋭く光った。あれがシラサカの本性らしい。
「私は、零さんに伝えなきゃいけないんです。助けてくれたお礼と、償いはもういらないことを」
「本当にそれだけ?」
 直人が言うように、それはあくまでも表向きの理由であって本音は違う。
「あいつを好きになっても、辛いだけだよ」
 それらしいことを伝えたつもりはなかったが、直人は桜の気持ちをわかっていたようである。
「だからこそ、これで決着つくかなって……」
 鍵をかけて封じ込めて、もう二度と関わらないはずだった。それなのに、出会ってしまった。神様の悪戯か、それとも運命か。どちらにせよ、結末はわかりきっているというのに。
「桜ちゃんがそこまで言うのなら、お父さんのことは、こっちでなんとかするよ」
 桜の決意を知り、直人は腹をくくったようである。
「人を好きになることは間違いじゃないし、その気持ちは大切だと俺は思うから」
 そんなこんながあって、桜は再び診療所に戻ってきた。深夜を過ぎたせいか、既にシラサカの姿はなく、主の松田が出迎えてくれた。
「ウチは人手不足だから、お嬢ちゃんにも色々手伝ってもらうよ」
「はい、よろしくお願いします!」
「いい返事だ。手始めに、今夜はぐっすり寝ること。部屋はここだ」
 案内された部屋は、まるでホテルの一室のような豪華な造りだった。零の病室も同じ造りだと言われ、同じ空間を共有していることが嬉しくなった。

 私のことも、忘れてくれてるよね。

 直人と話をする前、零は少しだけ桜の方を見てくれたが、無反応だった。直人のことがわからなかったぐらいだ、桜のことなど、わかるはずもないだろう。

 少しは仲良くなれるといいな。

 期待と不安を感じながら、桜は眠りついた。
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