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そのセグを解明せよ
後編③
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「……麻百合、麻百合っ!?」
聞き覚えのある声が頭に響いてきた。まだ眠っていたいが、尿意を覚えたのも確かで、必死に瞼を開けてみる。ぼやけた視界に映り込んだのは、心配そうな柳の顔だった。
「柳、どうして……?」
しかも麻百合は花梨の部屋ではなく、見知らぬ部屋のベッドに寝ている。
「よかった、気がついて」
柳は安堵の表情になった。
「ここ、どこ? 私、なんで寝てるの?」
「お久しぶりです、麻百合さん」
柳の隣には黒いスーツに眼鏡をかけたレイがいた。左手にスマートフォンを持っている。
「ここがどこであるかは明かせませんが、安全な場所であることは保証します。気分はどうですか?」
「なんだかふらふらしてて、でも、あの、ちょっとトイレに」
起き上がろうとすれば、ぐるぐると目が回った。ひどい眩暈で気持ち悪くなる。
「柳、連れて行ってやれ」
「連れて行くってどこへだよ」
「トイレに決まってんだろうが。点滴と利尿剤を打ったんだ、出すもん出さなきゃ始まらねえんだよ」
レイと柳のやり取りは、昔からの友人のような気楽さがあった。
「けど、俺が見てたらマズいだろうが」
途端に柳は落ち着きがなくなる。それを見て、レイが大きな溜息をついた。
「バカか、おまえは。連れて行けと言っただけで、一緒に入れなんて言ってねえよ」
「なんだ、それなら早く言えって」
「いい、ひとりで行けるから……」
なんとか立ち上がろうとすれば、足下がふらついて倒れそうになる。
「遠慮せずにつかまってください。すぐそこですから」
麻百合を支えてくれたのはレイだった。チラチラとスマートフォンの画面に目をやりながらも、トイレの前まで付き添い、扉を開けてくれた。
「すみません、お借りします」
用を足して少し気分はもちなおしたものの、相変わらず目が回っていた。まるでひどい二日酔いのように。
「なんでおまえが連れて行ってんだよ」
「てめえがグズグズしてるからだろうが。そんなに心配なら、中の様子を見に行ってこい」
「はあ!? 行けるわけねえだろうが」
「だったら、おとなしく待ってろ」
柳とレイの会話が聞こえてくる。早く出なくてはと思うのだが、ふらついて、なかなかうまくいかない。
「今更だけど、点滴とか勝手にやって、大丈夫だったのか?」
「通常とは異なるルートではあるが、医師免許は取得している。問題ない」
やっぱり、柳が言ってた「特別ルート」の人なんだ。
レイと出会ったときから予感はしていた。彼ならオートロックを開けたり、パチンコで不正を働いたり、それ以外のこともなんなくやってのけそうだ。
「あの感じだと、睡眠薬に強いアルコールを混ぜたものを飲ませたんだろう。コーヒーなら味は誤魔化せるからな」
一口飲んだとき、舌が痺れるように感じたのはそのせいだったのかと、麻百合は納得した。
(そのまま、永遠に眠ってしまいなさい)
意識を失う間際に聞いた和子の言葉を思い出した。
花梨は今どうしているのだろう。早く花梨のところへ行かなくては。麻百合が扉を開け放つと、そこに柳がいた。
「花梨、花梨は? 大丈夫なの!?」
前に進もうとして一歩踏み出したものの、麻百合の体はぐらりと揺れ、柳に支えられる。
「無理するな、まだふらついてんじゃねえか」
柳を好きだという気持ちを自覚したものの、そこから先に進むつもりは全くなかった。柳は花梨を好きで、麻百合は花梨の双子の姉だから気にかけてくれるだけ。こうして心配してくれるのも、その延長上にすぎないのだから。
「行かなきゃ、花梨の側に」
それでも、花梨にはきちんと話しておきたかった。彼女は柳に対する気持ちを正直に話してくれた。だから麻百合も、花梨にだけはきちんと話しておきたかったのだ。
「残念ながら、お嬢様は亡くなったようだぜ」
レイの非情な宣告に、麻百合は大きなショックを受けた。
「そんな話、聞いてねえぞ」
すぐさま柳が詰め寄る。
「あいつらにやられたわけじゃねえ。俺らが踏みこんだときはまだ生きてた。これを見てみろ」
そう言って、レイはスマートフォンの画面を見せる。映っているのは花梨の部屋で、相次郎がいて高橋がいて、ベッドに寝ている人物の顔には白い布がかけられてあった。
「……やっぱり、行かなきゃ」
柳の手を振り払い、麻百合は歩き出そうとしたが、まともに歩くことが出来ず倒れ込んだ。
「待てよ、麻百合」
「花梨が待ってる、あそこに行かなきゃ!?」
まだ信じられない気持ちもあった。映像を見せられただけで、目の前で確認したわけじゃない。
「気持ちはわかるけど、今の状態じゃ無理だ」
「花梨に謝らなきゃいけないの、だって私……!?」
制止を振り切って麻百合が立ち上がろうとすれば、柳に強く抱きしめられた。
「ごめん。行かせてやりてえけど、俺らだけじゃ、あの家には入れねえんだ」
柳の声には悔しさが滲み出ていた。
そうだ、花梨を失って辛いのは麻百合だけじゃない。柳だって辛いに決まってる。
「麻百合さん、柳が言うように今は堪えてください」
重苦しい沈黙を破って、レイが麻百合に語りかけてきた。
「俺がまともな人間じゃないことはおわかりでしょう。今回の件を含めて、あなたに事情を話すことは出来ません。でも、これだけはお約束しますよ。お嬢様には必ず会わせて差し上げます。それが俺の仕事ですから」
恐る恐る顔を上げて、レイを見つめてみる。この人は笑っていても冷たい印象しかなかった。柳と話すときの態度が彼の本性なのだろう。それでも、浅田家にやってきた人達とは違う。レイは花梨のことをお嬢様と言ってくれるから。
「わかりました。カネモトさんにおまかせします」
「ありがとうございます。まだふらつきが残っているようですから、ゆっくり休んでください。柳、運んでやれ」
「わかってる」
全ていい終わらないうちに、柳は麻百合を抱き上げる。いつかと同じお姫様抱っこであるが、頭がぐるぐる回り続けている麻百合は、拒むことが出来なかった。ベッドに寝かされ目を閉じるも、右手に触れる手の感触で、麻百合は再び目を開けた。
「どうした? 寝てていいんだぞ」
「なんで、手を握ってんのかと……」
柳はベッドの側に置かれた椅子に座り、両手で麻百合の右手を握りしめていた。
「こうしていたいから」
柳にまっすぐ見つめられ、どうしていいかわからず、麻百合は目を反らす。
「いや、でも」
「今夜ぐらい、いいだろ」
柳は切ない表情になっていた。きっと花梨が亡くなったという事実が、彼を苦しめているのだろう。
「……そうだね」
花梨の代わりであっても、こうして柳に触れていられることが、麻百合は嬉しかったから。
聞き覚えのある声が頭に響いてきた。まだ眠っていたいが、尿意を覚えたのも確かで、必死に瞼を開けてみる。ぼやけた視界に映り込んだのは、心配そうな柳の顔だった。
「柳、どうして……?」
しかも麻百合は花梨の部屋ではなく、見知らぬ部屋のベッドに寝ている。
「よかった、気がついて」
柳は安堵の表情になった。
「ここ、どこ? 私、なんで寝てるの?」
「お久しぶりです、麻百合さん」
柳の隣には黒いスーツに眼鏡をかけたレイがいた。左手にスマートフォンを持っている。
「ここがどこであるかは明かせませんが、安全な場所であることは保証します。気分はどうですか?」
「なんだかふらふらしてて、でも、あの、ちょっとトイレに」
起き上がろうとすれば、ぐるぐると目が回った。ひどい眩暈で気持ち悪くなる。
「柳、連れて行ってやれ」
「連れて行くってどこへだよ」
「トイレに決まってんだろうが。点滴と利尿剤を打ったんだ、出すもん出さなきゃ始まらねえんだよ」
レイと柳のやり取りは、昔からの友人のような気楽さがあった。
「けど、俺が見てたらマズいだろうが」
途端に柳は落ち着きがなくなる。それを見て、レイが大きな溜息をついた。
「バカか、おまえは。連れて行けと言っただけで、一緒に入れなんて言ってねえよ」
「なんだ、それなら早く言えって」
「いい、ひとりで行けるから……」
なんとか立ち上がろうとすれば、足下がふらついて倒れそうになる。
「遠慮せずにつかまってください。すぐそこですから」
麻百合を支えてくれたのはレイだった。チラチラとスマートフォンの画面に目をやりながらも、トイレの前まで付き添い、扉を開けてくれた。
「すみません、お借りします」
用を足して少し気分はもちなおしたものの、相変わらず目が回っていた。まるでひどい二日酔いのように。
「なんでおまえが連れて行ってんだよ」
「てめえがグズグズしてるからだろうが。そんなに心配なら、中の様子を見に行ってこい」
「はあ!? 行けるわけねえだろうが」
「だったら、おとなしく待ってろ」
柳とレイの会話が聞こえてくる。早く出なくてはと思うのだが、ふらついて、なかなかうまくいかない。
「今更だけど、点滴とか勝手にやって、大丈夫だったのか?」
「通常とは異なるルートではあるが、医師免許は取得している。問題ない」
やっぱり、柳が言ってた「特別ルート」の人なんだ。
レイと出会ったときから予感はしていた。彼ならオートロックを開けたり、パチンコで不正を働いたり、それ以外のこともなんなくやってのけそうだ。
「あの感じだと、睡眠薬に強いアルコールを混ぜたものを飲ませたんだろう。コーヒーなら味は誤魔化せるからな」
一口飲んだとき、舌が痺れるように感じたのはそのせいだったのかと、麻百合は納得した。
(そのまま、永遠に眠ってしまいなさい)
意識を失う間際に聞いた和子の言葉を思い出した。
花梨は今どうしているのだろう。早く花梨のところへ行かなくては。麻百合が扉を開け放つと、そこに柳がいた。
「花梨、花梨は? 大丈夫なの!?」
前に進もうとして一歩踏み出したものの、麻百合の体はぐらりと揺れ、柳に支えられる。
「無理するな、まだふらついてんじゃねえか」
柳を好きだという気持ちを自覚したものの、そこから先に進むつもりは全くなかった。柳は花梨を好きで、麻百合は花梨の双子の姉だから気にかけてくれるだけ。こうして心配してくれるのも、その延長上にすぎないのだから。
「行かなきゃ、花梨の側に」
それでも、花梨にはきちんと話しておきたかった。彼女は柳に対する気持ちを正直に話してくれた。だから麻百合も、花梨にだけはきちんと話しておきたかったのだ。
「残念ながら、お嬢様は亡くなったようだぜ」
レイの非情な宣告に、麻百合は大きなショックを受けた。
「そんな話、聞いてねえぞ」
すぐさま柳が詰め寄る。
「あいつらにやられたわけじゃねえ。俺らが踏みこんだときはまだ生きてた。これを見てみろ」
そう言って、レイはスマートフォンの画面を見せる。映っているのは花梨の部屋で、相次郎がいて高橋がいて、ベッドに寝ている人物の顔には白い布がかけられてあった。
「……やっぱり、行かなきゃ」
柳の手を振り払い、麻百合は歩き出そうとしたが、まともに歩くことが出来ず倒れ込んだ。
「待てよ、麻百合」
「花梨が待ってる、あそこに行かなきゃ!?」
まだ信じられない気持ちもあった。映像を見せられただけで、目の前で確認したわけじゃない。
「気持ちはわかるけど、今の状態じゃ無理だ」
「花梨に謝らなきゃいけないの、だって私……!?」
制止を振り切って麻百合が立ち上がろうとすれば、柳に強く抱きしめられた。
「ごめん。行かせてやりてえけど、俺らだけじゃ、あの家には入れねえんだ」
柳の声には悔しさが滲み出ていた。
そうだ、花梨を失って辛いのは麻百合だけじゃない。柳だって辛いに決まってる。
「麻百合さん、柳が言うように今は堪えてください」
重苦しい沈黙を破って、レイが麻百合に語りかけてきた。
「俺がまともな人間じゃないことはおわかりでしょう。今回の件を含めて、あなたに事情を話すことは出来ません。でも、これだけはお約束しますよ。お嬢様には必ず会わせて差し上げます。それが俺の仕事ですから」
恐る恐る顔を上げて、レイを見つめてみる。この人は笑っていても冷たい印象しかなかった。柳と話すときの態度が彼の本性なのだろう。それでも、浅田家にやってきた人達とは違う。レイは花梨のことをお嬢様と言ってくれるから。
「わかりました。カネモトさんにおまかせします」
「ありがとうございます。まだふらつきが残っているようですから、ゆっくり休んでください。柳、運んでやれ」
「わかってる」
全ていい終わらないうちに、柳は麻百合を抱き上げる。いつかと同じお姫様抱っこであるが、頭がぐるぐる回り続けている麻百合は、拒むことが出来なかった。ベッドに寝かされ目を閉じるも、右手に触れる手の感触で、麻百合は再び目を開けた。
「どうした? 寝てていいんだぞ」
「なんで、手を握ってんのかと……」
柳はベッドの側に置かれた椅子に座り、両手で麻百合の右手を握りしめていた。
「こうしていたいから」
柳にまっすぐ見つめられ、どうしていいかわからず、麻百合は目を反らす。
「いや、でも」
「今夜ぐらい、いいだろ」
柳は切ない表情になっていた。きっと花梨が亡くなったという事実が、彼を苦しめているのだろう。
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