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第24話:占術士モネ

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☆ルカsides☆


零人とモービルが買い出しに出掛けてから数刻、僅かにいた客も帰っていき、店内はスタッフだけになった

ゴードンは今日の売り上げの精算をして、ランボルトは後ろで遅めの賄いをガツガツと食べている

…ルドガーが帰ってきたあと『巨大鳥ロックバード』とやらの料理も出てくるのではなかったか?
彼は食べられるのだろうか

カウンターを片付けていると、シュバルツァーが肩を叩いてきた


「ねぇ、ルカ。ちょっと話せる?」

「…?ああ、構わんが」


彼女はクイッと顎で店の入口を指した
外で話したいという事だろう

私たちはゴードンに断りを入れて、店の外へ移動した


☆☆☆


外は暑くもなく寒くもなく、人肌には快適な温度だ
今の身体でなければこんな些細な事象も、感じ取ることはできなかったな

シュバルツァーの金色の頭髪が夜風になびいている


「今日はいつもと違って慣れない仕事だったけど、いろいろ勉強になったわ」

「そうだな。
特に最近の我々は戦闘をメインにしたクエストが多かったからな。
今回は良い気分転換にもなっただろう」

「ええ、そうね」


シュバルツァーは私と会話しているが、その目線はどこか遠くを見ているようだった
朝の時は様子が少しおかしかったが、今の彼女は落ち着いていてどことなく大人の表情だ


「それで?
話したい事とは何だシュバルツァー?」


話の本題に入ろうと私が切り出すと、何故か彼女はクスッと笑った


「フフ、ルカってばなんかレイトみたいね」

「そうか?別に真似をした覚えは無いが…」

「言い回しよ、言い回し。
朝、あいつもこんな感じに聞いてくれたわ」

「……」


そういえば零人は最初シュバルツァーをどこに連れて行ったのだろう?
戻ってきた時になぜかあいつはヘコんでいたようだが…

その疑問を投げようとする前に、彼女は真剣な眼差しで私を捉えた


「ルカ、あなたはレイトのこと…好き?」


…前にも同じ質問を受けたな
だが、今回のこの感じは…ただの興味本位という訳ではなさそうだ
誤魔化しは許さない…といった表情だ


「以前と答えは同じだ。なぜ2度も問う?」

「コソコソ隠し事するのは苦手だから正直に言うわ」

「…なんだ?」


シュバルツァーは少し息を溜め込み、決意の籠った声音でハッキリと喋った


「私はレイトに惚れてるわ。
どうしようもないくらい、好きなの」


「…そうか。
やっと君は自らの気持ちを自覚したのだな」


正直、私はこの自覚を予想していた

戻ってきてから、明らかにシュバルツァーがレイトを見る目がこれまでとは違っていたからな


「ええ。それでしつこいようだけど、あんたはどうなの?」

「…だから答えは前と同じだ」

「ウソね」


キッパリと彼女は言い切った
なぜそこまで断言する?


「あんた、後ろめたいことがあると必ず視線を右寄りに下げているわ。
宝石スフィアの頃から変わってないわよ」

「なっ!?」


まさか…
自分でも気づかなかったが、たしかに私は言われた方向に視線を逸らしていた


「ゴメンね、これ『心理学』って言うらしいわ。
レイトから教わったの」

「零人め…こんな特技を隠し持っていたのか」

「ふふ、前に私も同じことやられたわ」


シュバルツァーは私の横にすっと近づいた
息がくすぐる、絶妙な距離で問う


「ルカが零人にキスしたの…あれは『融解メルトロ』だけが理由じゃないでしょ?」

「……なぜそう思う?」

「私がルカの立場なら同じことしたからよ」

「フッ…そうか」


最早このエルフにごまかしや嘘の類いは通用しないようだ
ならば、私の正直な感情をありのままに伝えるのが賢明だろう


「君や皆は私の事を気難しい性格と思っているだろうが、実のところかなり単純なのだ。
なにせ零人のことを意識しだしたのは出会った初日からだからな」

「ええ!?さ、さすがに早くないかしら?」


シュバルツァーは驚いて目を見開いた
当然の反応だろう


「『黒竜ブラック・ドラゴン』と闘い、撃退した功績をあいつは決して自分の力ではないと言い張った。
転移テレポートの力を過信したり、利用するという概念が零人にはなかったのだ。
零人は私たち『2人の力』で撃退したと…
宝石スフィアにとってこれほど嬉しい言葉はない。
まったく…我ながら単純過ぎて反吐が出る」

「ルカ…そんなことないわ」


シュバルツァーは私の背中を優しくさすってきた
…いつの間にかこんな気遣いができるようになったのだな

私は彼女の手を取り、言葉を続けた


「イザベラと対峙した時、瀕死の零人が命懸けで私たちを逃がそうと私を転移テレポートさせた時は、頭がどうにかなってしまいそうだった。
零人を失いたくない。
ただそれだけを願った瞬間、私はこの身体と僅かな記憶を得た」

「ええ、あの時は本当にビックリしたわよ。
ルカがまさか人間になるなんてね」

「ああ。…だが、血みどろになった零人をこの腕で抱き締めた時、私は心の中に安堵と『』を感じたのだ」

「欲?」

「そうだ。
零人の髪をすいてみたい、零人の顔を撫でてみたい、零人に…口づけをしてみたい…
あのような非常時に不謹慎ではあったが、私の『欲』は大きくなり始めたのだ」


おそらく、人間の身体を得たからこその『欲』だろう
それまでは零人と話をしたり、じゃれたり、共に寝るだけで…それだけで充分だった

人間とは…いや、私は…欲深い生き物だ


「そして、私は零人にキスをした。
融解メルトロ』という口実を作ってな」


改めて己の行動を口にしてみると、なんとはしたない…
ウォルトの事を言えないな
シュバルツァーは腕を組んで口を尖らせた


「ふぅん、やっぱりそうなのね」

「怒っているか?」

「当たり前じゃない。私の初恋なのよ」

「…すまない」


シュバルツァーの気持ちに気づいていながら、私は何故目の前であんな事をしてしまったのか

いくら謝ったところでもう許してはもらえまい


「けど、あんたの正直な気持ちを聞けてスッキリしたわ。
ねぇルカ、最後にもう1回だけ訊くわ。
レイトのこと、好き?」


シュバルツァーは私の両肩に手を置いて本日何回目かの質問をした

意地悪な女だ…

ここまで私の内情を開けっぴろげにされたなら、言うことは決まっているではないか


「好きだ。
宝石スフィアとしても1人の女としても。
零人が居ない生き方はありえない」


今度は私がシュバルツァーの目を見据えて告白すると、彼女は待ってましたと言わんばかりに手を叩いた


「ふふ、決まりね!よーし、ルカ!
今夜レイトを襲うわよ!2人で!」

「は!?な、何を言っている…?」

「そんなの『既成事実』に決まってるじゃない。
私はどちらかが引くとか譲るとか、まどろっこしいのは嫌いなのよ。
あいつに私達を抱かせれば、両方と付き合わざるを得ないでしょ?」

「き…君ってやつは…!
ここまで奔放な性格だったのか?」

「じゃあ私がレイトを貰ってもいいの?」

「それはダメだ!!…あ…」


…思わず全力で叫んでしまった

慌てて口をつぐむ
シュバルツァーは悪どくニヤっと口角を上げた


「ふふふ、でしょ?
だけど、私もレイトを諦めるのは絶対に嫌。
そうなるとあいつには甲斐性を見せてもらわないとね」

「君の言わんとすることは分かったが、本当にそんな大それたこと決行するのか?
もし、私達2人とも断られたらどうするのだ?」

「へっ!?だ、大丈夫よ多分…
今日だってナディアが邪魔しなければ一線越えられそうだったし…」

「おい待て。それは朝の話か?
君たちはいったいどこで何をしていたのだ!?」


シュバルツァーの肩を掴み、ガクガクと揺らす

まったく…まさかシュバルツァーにここまで掻き回されるとは思わなかった

だが、不思議と私の心の中は晴れやかだった
おそらく私も自分の気持ちに気づき、それを認めることができたからだろう

それに零人のやつはまだ気づいていないが、私がこの身体に変身できるのには大切な理由がある

私はその記憶も取り戻していた

…早く帰ってこい零人
私たちには、君が必要だ


☆間宮零人sides☆


「モネ・ラミレス…
あんたが例の『占術士フォーチュナー』か」

「うん。そうだよ、よろしくねマミヤ君」


フードを取り、緑色のパーマヘアの彼女は、ボーイッシュな雰囲気を醸し出している

しかし、なぜ俺の名前を知っている?
しかも俺のいる場所まで把握していたみたいだし…
アルタイル大学には冒険者ギルドへの取り次ぎしか頼んでないはずだ


「ニャア…不思議な魔力マナニャ…
レイト君の蒼の魔力マナとはまた違う感じニャ」


俺の脇に抱えられたままのセリーヌが彼女を見て息を吐いた

前にフレイが言っていたな
占術士フォーチュナー』は後天的になれる職業ジョブではないと

ナディアさんのように生まれた時から特殊な力を供えていないとなれないそうだ


「それで…
えと、ラミレスさんはなぜここに?」

「『モネ』で構わないよ。
キミ達の事情はある程度分かっている。
ボクは『星の導き』でここへ来たのさ」


片手を胸に当てて微笑んだ

ふむ、星の導きとな?
彼女は占星術でもするのかな?

まぁ、それならそれで話が早そうだな

セリーヌを隣に置いて話を進める


「そうか。
えと、モネ、早速だけど会って欲しい奴が…」

「それには及ばないよ」


あ、あれ?
ルカにエネルギーを見てもらおうと思ったんだけど…


「マミヤ君はボクを転移テレポートで連れて、蒼の宝石くんにボクの魔力マナが紅の宝石くんと契約を結ぶのに適合するか判断してもらうつもりなんでしょ?」

「「ええ!?」」


俺とセリーヌは同時に叫んだ!
そこまで事情を知っているなんて…
占術士フォーチュナー』パねぇな…


「…そして残念だけど、ボクは紅の宝石くんとは契約を結べない。
せっかく待っててもらったのに申し訳ないね」

「え!?ま、待ってくれ!
せめてルカに一目見てもらってから…」

「キミがそれで納得するなら別に構わないけど、結果は変わらないよ?」


ピシャリと彼女は言い切った
むう…


「だけど落胆することはないよ。
ボクは契約者にはなれないけど、契約者になれる人物を占うことはできる。
ボクはそのためにキミに逢いに来たんだ」

「ほ、本当か!?」

「うん。
ただ、ボクも仕事でね。
料金は頂くけど構わないかい?」

「いくらニャ?」


セリーヌが訊くとモネは手をパーにして示した

5?


「ざっと50,000,000Gジル
小切手カード分割払いローンは受け付けない。
現金キャッシュのみだよ」

「ご、ご、ごごせんニャん!?…はぅ…」

「あ!おいセリーヌ!?」


クラっと倒れそうになったセリーヌを慌てて支える
ど、どうしたんだ?


「しっかりしろ!おい、大丈夫か!?」

「レ、レイトくん…5000万Gジルってどんな金額か分かっているのニャ?」

「え?
ま、まぁエラい金額ってのはなんとなく分かるけど…」

「エラいなんてもんじゃないニャ…
その金額は国の国家予算に匹敵する額ニャ!」

「なんだと!?」


国家予算!?
国を動かせるほどの金ってこと?

あんぐりとしながらモネの方を見ると、彼女は懐からコインを取り出してピン!と上に弾いた


「(パシッ)この星の運命は金次第…ってね。
あいにくボクの占いは安くない。
どうだい?払えるかい?」

「いや…
俺たち最近働き口を見つけたばかりだし…
そんな大金持ってねぇよ」


こいつ…俺たちの事情を知ってるなら、候補者を見つけることが世界の命運に繋がっていることを知らないはずがない

金を巻き上げてる場合なのか?


「いくらなんでも高過ぎニャ!
そんなの、人間の一生を掛けても稼げるか分からない金額ニャ!」


セリーヌも俺と同様の感想のようで、彼女に向かって糾弾した

そうだそうだ!
俺もそれに乗っかり追撃する


「あんた状況を分かってるのか?
紅の魔王を倒さないとこの国が滅ぼされちまうんだぞ!」

「ボクには関係のないことだ。
ボクにとって重要なのは、星と金だけさ」


こ、コイツ…!
モネに詰め寄ると、ビッと人差し指を立てた


「話は最後まで聞くものだよ?マミヤ君。
ボクだってそれが法外な金額なことは重々承知してるさ。
そこで代わりの条件として、キミにはボクの『仕事』を手伝ってほしいんだ」

「は…?仕事って…
俺占いなんて手相占いくらいしか分からないぞ」

「のんのん。
キミにはボクの付き人として同行してもらいたい」


付き人?
ボディーガードってことか?
それなら俺じゃなくても良いような気がするけど…


「どうしてレイト君じゃないとダメなのニャ?
別にレイト君みたいなヒョロヒョロじゃなくても、あたし達のパーティーにはもっと強いメンバーがいるニャ」


概ね同意だが、さりげなく雑魚扱いしやがったなこのロリ猫ババア


「簡単な話さ。
マミヤ君、君は今この国…いや、この大陸で最もホットな男なんだ」

「ほ、ホット?なんだそりゃ?」

「有名人ってことだよ。
まぁ、その知名度が知れ渡っている界隈は限定してるけどね」

「「………」」


俺とセリーヌは顔を見合わせた
有名になった覚えはないけど、最近騒がれたこともあったし、1つ心当たりはある

もしかすると…


「レイト君が盗賊団ベンターを壊滅させた実績で有名になったのニャ?」

「たしかにその功績も素晴らしいが、それ以上の偉業を成し遂げたじゃないか」


んん?
王様から直々に屋敷まで報酬貰ったのに…それ以上の功績ってなんかあったっけ?


「『黒竜ブラック・ドラゴン』。
この名前に聞き覚えはないかい?」

「ひっ!?」

「ニャッ!?」


モネは両手を顔の横に掲げて威嚇するようなポーズをとった
い、いきなりその名前を出すんじゃないよ…
思わずセリーヌにしがみついちゃったじゃねぇか

情けない…


「レイト君大丈夫ニャ。
よしよし…モネちゃん、どうして黒竜ブラック・ドラゴンがレイト君に関係あるのニャ?」

「おや、そこの彼から聞いていないのかい?
マミヤ君はあの黒竜ブラック・ドラゴンを単独で討伐したんだよ」

「ニャアア!?本当ニャの、レイト君!?」


震える身体を抑えて俺は答えた


「…2つ訂正がある。
討伐じゃなくて退だ。
あいつはまだ生きていて俺に復讐する気だよ。
…あと単独じゃない。
俺とルカ、『2人の力』だ。
俺だけだったら殺されてたぜ」

「そ、そうだとしてもとんでもない功績ニャ…
レイト君、なんであたしたちに教えなかったのニャ?」

「言うほどの事じゃない…なんてカッコいい事言ってみたいけどね。
情けないことにあいつは俺のドラゴン恐怖症病気の元凶なんだ。
だからドラゴンの話題を避けてただけだよ…」

「レイト君…」


毎度の事ながらドラゴンが関わると勝手に腰が引けてしまう
リックと話してるうちに治ってきたと思ったけど、全然やな

セリーヌが再び俺の頭をなでなですると、モネはわざとらしく咳払いをした


「ガルドの村から噂は流れたよ。
『異世界より転移した黒き髪の男が、悪名高き黒竜ブラック・ドラゴンを討伐した』と。
『撃退』じゃなくて『討伐』ってなったのは、どこかで尾ひれが付いちゃったんだろうねぇ」


モネは顎をさすり、初対面ながら馴れ馴れしくほくそ笑む

ちくしょう誰だよ!変な噂流したの!
ドラゴン討伐の依頼とかされたらどうすんだ!

俺はため息をついて話を進めることにした


「とりあえず俺が有名になったことは分かったけど、どうしてそれがあんたの仕事を手伝う理由になるんだ?」

「さっき付き人って言ったけど、要はボクの助手だね。
自分で言うのもなんだけど、ボクってかなりできる『占術士フォーチュナー』だからさ。
助手君にもそれなりの知名度が必要なんだ。
じゃないとカッコつかないでしょ?」

「…質問の答えになっていないぞ。
できる占い師なら助手なんて必要無いはずだ。
俺が知りたいのは、俺を助手にしたいその動機だ」

「あれれー?
もしかしてマミヤ君は5000万Gジルお支払いの方が良かったのかなー?」


ぐっ…!
このパーマ女!のらりくらりと…!
肝心な部分は教えない気か!

俺は小声でセリーヌに聞いた


「セリーヌ、コイツとの取引…
受けるべきだと思うか?」

「怪しさ満点ニャ…
けど、このままじゃ無駄に時間を過ごすのも確かなのニャ。
ここは一度喫茶店に戻って、皆に相談するのはどうかニャ?
それに多分、ゼクスの王様も力になってくれそうニャ」

「ああ、俺も同じ考えだ」


よし、取り敢えずプランは決まった
モネに帰る旨みを伝えようとすると、彼女に先手を打たれた


「ああ、因みにこの取引はこの場限りだよ。
ここで返答をもらえないなら、現金キャッシュね~」

「はあ!?」


それじゃあ帰っても、もし金策を練るの失敗したらどん詰まりじゃねぇか!
もうこれ最初から一択じゃん…


「わ、分かった…
あんたの助手になるよモネ…」

「そうこなくっちゃ!毎度ありっ!」

「レイト君!?」


はぁ…こんなの取引でもなんでもないじゃん…
コイツ…ほんと俺に何をさせる気なんだろう?

まぁいい、俺もタダで受けるつもりは無い
俺は蒼のエネルギーを集中させ、蒼く光った右手をモネに見せつけた


「だけど、条件がある。
助手には俺の他に蒼の宝石…ルカも参加させてくれ。
何をさせる気かは知らんけど、この力をアテにしてるならルカがいないと始まらない。
それでいいな?」

「ふーん?うん、良いよ。取引成立だね」


モネは右手を出して握手を求めた
俺もエネルギーを引っ込めそれに応える

ふう…

ルカには悪いことしちゃったけど、これなら少し安心だ
大抵のことには対処できるはずだ

手を離そうと引くがモネは握ったままだった


「…?おい?」

「それじゃあルカ君を迎えに行こうか。
レッツゴ~」


握ってない方の手をグーにして号令をとった
いや離せよ


「あの、なんで手握りっぱなの?」

「こうするとおもしろい結果になるって星の導きがあったから」

「はあ?…まぁいいや。
セリーヌ、転移テレポートするぞ。
動くなよ」

「ガッテンニャ。
はぁ…あとでもう1回買い出しに行かないといけないニャ」


あ、そうだった買い物途中だったんだ

だけど、コイツ連れたままだしな…
仕方ない、あとでまたセリーヌに付き合うか

ブン!

こうして俺は冒険者から『占術士フォーチュナー』モネの助手に転職してしまった

この時の俺には知る由もない…『占術士フォーチュナー』という職業ジョブの過酷さを
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