私の心はあなたのもの

みミリィ

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アデラールを迎え入れる

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 アデラールの手は胸に服越しでは無く、直接触れるとはじめて動き出した。
 僅かに弾力を楽しむように押しては引いてを繰り返す。

 それはマリエナが想像していたより甘美な衝撃をもたらしてくれた。
 ささやかなマリエナの胸を壊れものを取り扱うごとく、微かな動きであったが。
 しかし刺激の強さにひく、ひくと身体が反応してしまう。
 
 それでも、乳房を撫ぜるだけで肝心の部分に触れてくれない事にもどかしさを覚える。
 彼のひざの上に対面して座っていたが、マリエナは膝を立てる。
 彼の顔の正面に胸を出し、強調してみる。


 
 アデラールの眼は若々しく艶やかなぴんと張った乳首に釘付けにされた。
乳首を避けて触れていた手の親指でその可愛いそそり立つ乳首に触れる。
 
「んっ」
 
 ぷつん、と指で形を変えた乳首は親指から離れると元の位置にもどった。
 ぷつん、ぷつん。幾度も幾度も繰り返していく中で胸から甘い香りがするのに気付いた。
 アデラールはその精悍せいかんな顔を寄せて当たるか当たらないかの近さで香りを嗅ぐ。
 
 (ああ、これはあの薬の香りだ)
 
 自分の用意した薬はマリエナのこんな部分に使用されている。そう考えただけで頭の中で何かが広がる音がした。
 鼻先を皮膚につけ、胸いっぱいに香りを楽しむ。
 
 (ああ、可愛い)

 鼻先で乳首の感触を楽しむ。
 これを口に入れたらどうなるだろうか。
 目の前がクラクラしながらアデラールは薄ピンクの突起物を吸い込んだ。

「ああっ、ああ……」

 歓喜の声。マリエナから漏れたのは喜びだった。
 舌触りが良く、程よい弾力だ。
 夢中になって右に左に胸を吸う。
 アデラールは少し呼吸を整えようと頭を上げるようとすると、マリエナにすがるように頭をき抱かれて胸に頭を押し付けられた。

「お願い、辞めないで……」

 胸に触れていた腕でマリエナを抱きしめる。
 そのまま隣にマリエナを押し倒した。
 薄紫のネグリジェは生地が薄く、はだけた胸元、すそがずり上がり太ももが大きくさらけ出され、月明かりで白く輝いている。

 彼女を焼け焦げそうなくらい見つめる。
 アデラールの視線に熱があったならもう既に彼女は大火傷を負っているだろう。

 はぁっ、はぁっ、とお互い肩で息をしている。
(俺も彼女と同じような顔をしているのだろうか
……)
 マリエナの上気し、潤んだ瞳でこちらを見る姿にてられる。

 シーツに絹のようにつやめく金糸が広がり、それが更に彼女の可憐さを際立たせている。
 躊躇ためらいがちに頬に触れる。
 マリエナは心地よさそうに微笑んでその手に顔を擦り寄せた。

 そのまま彼女の唇と触れるだけのキスをする。
 ちゅ、と音を立て離れそうになるとマリエナはアデラールの頭に抱きついた。

「もっと……」

 ちゅ、ちゅ。彼女の唇をみ、軽く吸いつく。
 舌で中に入り、彼女の前歯を舐め、隙間から侵入する。
 隠されていた舌に触れるとその感触にもっと触れたくなり舌と舌を擦り合わせる。
 彼女の着ていた服は既に上半身から取り払われており、身体を撫ぜるように触る。
 吸い付くような肌に、頭がどうにかなりそうなキスに溺れながなら彼女を見ると瞳はうるみ、頬はこれ以上無いくらい紅く染まり恍惚こうこつとしている。
 
 合間に呼吸が苦しくなったマリエナは顔を離してアデラールを見上げる。
 アデラールのシャツを指でつまみながらこういった。
 
「アデラールも……脱いで……」

 先程とは逆に寝転がる彼女をまたぎ、自分のシャツをもどかしい気持ちで脱ぎ捨てる。
 マリエナの下半身にまとわりついていたネグリジェも全て取り払う。
 驚く事に下着はなにも着ていなかった。
 彼女の淫部は控えめな金色に守られていて、濡れそぼっていた。
 太ももまで濡れていて、触れて確認する。
 無垢な彼女が濡れている。そう思うだけで自分が酷く興奮しているのがわかる。

 自分の胸をマリエナの柔らかな皮膚に擦り合わせる。ああ、なんという事だ。
 彼女も私に肌を合わせてきた。お互いの体を擦り合わせながらたかぶりを覚える。

「ああ……」

 胸を滑る度に感じる彼女の極上の皮膚、その中に柔らかな乳首。
 ツンと張っていてそれが皮膚を走る度に快楽が増す。

 キスを溺れるようにし、そのまま首筋に移り、流れるように胸へ吸い込まれていく。
 どこを舐めても彼女は艶やかで美味しい。
 途中途中にある赤黒いあざが目に入る。

 その上から傷を付けないよう心がけ、強く吸い、上書きをしていく。
 
 彼女に快楽をもたらすのは俺だけで良い。
 
「アデラール、もっと、もっとして……」

 彼女の乳房についた歯形をなぞる様に舐め、早くこのあとが消える様にと呪いを込める。
 
「お嬢様……」

 そう呼ぶとにらまれて強くキスをされる。

 ちゅ、とリップ音を立てて離れてお嬢様と呼ばないでと怒られた。
 
 彼女の足の間に自分の足を割り込ませ、太ももを幾度いくどぜる。

「マリエナ」

 そう呼ぶとぴくん、と体を震わせた。

「ああ……」
 嬉しそうに笑う彼女にキスを落とす。

「マリエナ」

 再度呼ぶとキスをして返事をしてくれる。

「マリエナ」

「アデラール」

 お互いの名を呼び合いながら肌を合わせ、キスをし、くすくす笑い合う。

「アデラール、これ痛いの」

 マリエナがアデラールのベルトの金具を引っ張る。

 これを外してしまったら止められなくなる、そうアデラールはつぶやいた。

「……止められるの?」
 挑戦する様な目線でアデラールを見上げる。
そっと体のどこよりも熱くなった部分を服越しに透き通る白く繊細な指先がなぞる。
動きの止まったアデラールを見つめながら、かちゃり、かちゃり、と音を立てマリエナは金具を外していく。

 トラウザーズ(スーツのズボン)のボタンも外して下着ごと下に下ろし、お行儀が悪いが足でえいえいっと押しやって、脱げた物をベットから追い出す。
 動きの止まっていたアデラールに足を絡ませる。
 足と足を擦り合わせると更に快楽が増す。
アデラールの熱く硬くなった所に太ももを擦り付ける。

「マリエナ」

 アデラールはギラギラとした欲望を色濃くした視線でマリエナを見る。

 アデラールはマリエナの濡れそぼった場所を指で触れる。
 ほんの数日前、ガーゼ越しに触れたそこはこれまで触れたことのない程に柔らかく潤んでいた。

「あっ、あっ」

 触れただけで衝撃を感じたマリエナは体を震わせる。
 先程まで触れていた時より強い衝撃にうっとりとしていた。
 男性の太くたくましい指が少しずつ中に入ってくる。
 中を少しずつこすりながら先に先にと進んでいくのに頭が追いつかなくなるくらい快楽に溺れる。
 キスをしながら、アデラールの反対の手は胸を弄ったり身体を撫ぜたり、首筋を舐められて耳を喰まれてとなにも考えられなくなる。

 耳を舐められる音がひどくいやらしく感じて更に言葉にならない声が出ている。

「……もっと、もっとして、アデラール」

 太ももで刺激していた彼の熱い棒が私のあそこにひたりと当てられた。
 太ももで触れていた時は熱く感じていたソレは当てられてるところではヒヤリと冷たく感じた。

「マリエナ、いいか」

 それは質問でなく確認でもない。
 マリエナは拒否などするはずも無く、こくんと頷いた。

「あ、あ、あ……」

 ず、ず、ず、と少しずつ入ってるのは硬い愛おしいアデラール自身。そう思うだけで下半身に電撃が走り続けている。

 耳元でアデラールの荒い呼吸を感じで更に快楽が増す。
 
「マリエナ、熱くて、柔らかい」
 気持ちいいと言われて胸が熱くなる。
 ゆっくり、ゆっくり進んでくるアデラールにもどかしさを覚える。
 
「ん、ん、ん、アデラール、アデラール」

 自分から腰を進めて奥に奥にアデラールを迎え入れる。
 少しだけひりりとするけれど、エクトルにもたらされた恐怖と比べるとなんともなかった。

 とん、とお腹の中の奥にあたる感覚があった。

「マリエナの一番奥は、ここですね」
 ゆっくりと焦らされて、中の表面を撫でられる。
 それは緩やかな動きであったが、マリエナを翻弄ほんろうするには十分であった。



 
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