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しかるべき場所に
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一連の騒動で汗と埃まみれだったロラン王子は入浴後、アルマンに手伝われ身じたくを整えていました。
久方ぶりの本拠地。安息に、どちらの口数も多くなります。
「にしても、モモちゃんがミヤ姫だったなんて驚きだよ。アルマン知ってた?」
「知るわけないでしょう」
「だよねぇ。コルトもびっくりしてたし。術がほどこされてたら普通は魔力を感知できるって言ってたもん。ハクレンちゃんって本当にすごい魔術師だったんだね」
「そのようですね。ったく、まんまと一杯食わされましたよ」
チヨはモモのことを、知人から預かった娘さんだと説明していました。ということは正体を知っていて当然ですし、もちろんライゴも。
モモへ変心するロラン王子にやきもきしていた自分を見てチヨが愉快がっていたのかと思うと、アルマンは苦々しく思わずにいられません。
「でも、これで万事解決だね。もともとミヤ姫と結婚するつもりだったんだから」
「すごい自信ですね。勝算あるんですか」
「あるよ。てか、これでないなら俺は女性不信になるよ」
「だとするなら、チトセ女王が義姉になるのは避けられませんね」
「あっ、そうだよヤバイよ、どうしよう。あんなおっかない小姑なんて……!」
上着をきせてもらいつつ、ロラン王子が頭をひねります。
「あ、いいこと考えた。アルマン、チトセ女王と結婚しちゃいなよ。ライフステージが変われば(二人とも)少し性格が丸くなるかもしれないし」
「なにを言いだすかと思えば。誰もが殿下のように身分を気にしないわけではありませんよ」
「平気なんじゃないの。チトセ女王、チヨちゃんやライゴとも普通に仲良くしてるみたいだし。それにアルマンならどこをとっても、そこらの王侯貴族に負けないよ。自信もって!」
「そういう問題じゃないでしょう。あと、最終的に力業で解決するタイプは自分的にちょっと厳しいです」
「うっそ、まさかの同族嫌悪」
「さあ、くだらないこと言ってないで行きましょう。ホスト側が待たせたら失礼ですよ」
「わかってるよ。……ううう、緊張してきた。兄上たちと一緒にごはんなんて何年ぶりだろう」
彼らと同じころ、チトセ女王以下ニリオンの面々も一旦母国に戻っておめしかえ。モモはハクレンに術をといてもらって真実の姿となり、ロラン王子の前におでましです。
「本当にモモちゃん?」
「はい、そうですよ」
造形は完全にミヤ姫ですが、笑顔の放つふんわりとした癒やしパワーは、ロラン王子の大好きなモモのものです。
彼女だと確信した矢先、そそくさとアルマンの背に隠れます。
「なにをしているんですか」
「だってなんかちょっと恥ずかしい」
「かわいこぶらないでください、おぞましい。ほら、きちんとエスコートして。モジモジしない」
アルマンに叱りとばされながら大食堂に向かいます。
ニリオン側はミヤ姫とチトセ女王に加え、特別にチヨとライゴも来賓扱いです。(ハクレンは本人の希望もあり、女王不在のあいだ国を守るために留守番です)
ロラン王子は、アルマンたち自国の臣下やコルトの同席も願いでました。彼らの活躍をおおいに認めた両陛下はこころよくお許しになりましたが、本人たちはめっそうもないと遠慮し、そばに控えるだけとなりました。
「どうして影武者たてたの? なにか危ないことでもあった?」
晩餐会がはじまり、おりをみて口をきったロラン王子にチトセ女王が答えます。
「いいえ、不在をさとられないようにしたまでです。それにチヨさんに預かってもらうにしても王家の者だと知れると、なにかと面倒が生じそうでしたので」
ライゴのお師匠さまは、チトセ女王の武術指南に彼をお供にすることが多く、時にはチヨも同伴、肝の太い両名は国の嫡女相手に臆さず親交を深めました。
歳月をへてライゴとは主従関係となりましたが、チヨとは今でも気のおけない間柄です。
そんな彼女の進言もあって箱入り娘のミヤ姫に社会勉強させていたところ、青天の霹靂、見合い話がもちあがりました。
女性関係の評判が悪いフシェン王子に大切な妹を嫁がせたくなかったのもありますが、この婚姻が対等な関係でなく、ミヤ姫を人質にいずれニリオン国をとりこむおそれがあったため、チトセ女王はそのまま影武者に見合いをさせようとしたのです。
けれども、それはあまりに惨いことだとモモ――もとい本物のミヤ姫はロラン王子に阻止をこいねがいました。彼女は自分ではなく、侍女を助けてほしかっただけでした。
利用されていたのかも、というのが杞憂に終わりホッとしたロラン王子はつぎの質問に移ります。
「そういやフシェンがいきなり帰ったのはなんで?」
「可能ならば、私も見合いを反古にしたい気持ちはありました。そのため隠密に動いてもらっていたのです」
チトセ女王は取引材料にするため、フシェン王子もしくはその家族の情報を探っていました。そして彼の父である、パシン国王についての噂の裏取りに成功したのです。
「それって非合法の愛妾のこと?」
「よくご存じで」
「ゴシップロイヤルに載ってたもん。毎号最低十回は、すみからすみまで読みこんでるからね」
そこで過日、迎賓館のあの一室で、交渉のため密かに出向いたチトセ女王とロラン王子が鉢合わせ。扉が開いた瞬刻、彼女の姿をとらえた目の早いチヨがただごとでないのを知覚し、ロラン王子を気絶させ、理由をでっちあげたのでした。
「ひどいよチヨちゃん、かなり痛かったんだから!」
「すんだことをゴチャゴチャ言うんじゃないよ。みみっちい」
二人の会話に花笑み、チトセ女王が続けます。
「でも、その必要もありませんでした。彼の真の目的は見合いではなく、ハクレンさんに会ってロランさんを探してもらうことだったのですから」
「俺を? なんで? まさか、あの大臣たちの仲間だったとか……」
「いえ、かねてよりゴシップ誌の編集長と懇意だったことで子細を知り、それをロランさんに知らせようとしたそうです。どうにかしてあなたに伝えるよう、私からミヤに頼んだのですが、お聞きになりませんでしたか。本文に隠されたメッセージを」
「じゃあ、あの推理、ほんとはフシェンが。って、あいつ編集長と仲良いの? なにそれ羨ま……じゃなくて! だったら普通にハクレンちゃんに会えばいいじゃん。お見合いなんかせずに」
すると、チヨが話を横どり。
「そういや、あわよくばチトセやミヤと仲良くなる腹づもりだったと言ってたね」
「うっわ、これだから女好きは。油断も隙もないよ」
「人のこと言えた義理かね。あんただって……」
藪蛇を感じとり、ロラン王子がごり押しで話題を転換します。
「ていうか、なんでそんなことしたんだろね。会ったこともない俺のために」
「借りがあると言ってたよ。これでやっと返せるともね」
「え、そうなの?」とロラン王子は首をひねりましたが、
「だめだ、まったく思いだせない」
「前にお節介でもやいたんじゃないのかい」
「それはないと思うんだよね。イケメンは助けない主義だから」
「狭量な男だよ。あんたがモテないのは、そのせいだろうね」
「じゃあ今度から助けるよ、積極的に!」
「だから、そういうところが狭量だって言ってんだよ」
と、先刻から顔をふせ気味にしていたレオン王太子が、たまらず吹きだしました。挟みこまれる彼らのやりとりに限界だったのです。
兄の笑声を聞くのが初めてのロラン王子は、目を皿。そんな息子たちを見やり、王妃はクスクス笑います。
「あらまぁ、レオンの笑い上戸はなおらないものね」
「兄上が?」
「そうよ、小さいころから。でも、嫡子としての威風が損なわれるからと教育係に注意されて、わざと眉間に皺を寄せているのよ」
一途に隠そうとしながらも満身をひくつかせる兄は、とても人間的で、おのずからロラン王子も破顔。
自分同様、兄には兄の苦労があったのだと理解できると、この頑張り屋さんを一発で好きになってしまったのでした。
久方ぶりの本拠地。安息に、どちらの口数も多くなります。
「にしても、モモちゃんがミヤ姫だったなんて驚きだよ。アルマン知ってた?」
「知るわけないでしょう」
「だよねぇ。コルトもびっくりしてたし。術がほどこされてたら普通は魔力を感知できるって言ってたもん。ハクレンちゃんって本当にすごい魔術師だったんだね」
「そのようですね。ったく、まんまと一杯食わされましたよ」
チヨはモモのことを、知人から預かった娘さんだと説明していました。ということは正体を知っていて当然ですし、もちろんライゴも。
モモへ変心するロラン王子にやきもきしていた自分を見てチヨが愉快がっていたのかと思うと、アルマンは苦々しく思わずにいられません。
「でも、これで万事解決だね。もともとミヤ姫と結婚するつもりだったんだから」
「すごい自信ですね。勝算あるんですか」
「あるよ。てか、これでないなら俺は女性不信になるよ」
「だとするなら、チトセ女王が義姉になるのは避けられませんね」
「あっ、そうだよヤバイよ、どうしよう。あんなおっかない小姑なんて……!」
上着をきせてもらいつつ、ロラン王子が頭をひねります。
「あ、いいこと考えた。アルマン、チトセ女王と結婚しちゃいなよ。ライフステージが変われば(二人とも)少し性格が丸くなるかもしれないし」
「なにを言いだすかと思えば。誰もが殿下のように身分を気にしないわけではありませんよ」
「平気なんじゃないの。チトセ女王、チヨちゃんやライゴとも普通に仲良くしてるみたいだし。それにアルマンならどこをとっても、そこらの王侯貴族に負けないよ。自信もって!」
「そういう問題じゃないでしょう。あと、最終的に力業で解決するタイプは自分的にちょっと厳しいです」
「うっそ、まさかの同族嫌悪」
「さあ、くだらないこと言ってないで行きましょう。ホスト側が待たせたら失礼ですよ」
「わかってるよ。……ううう、緊張してきた。兄上たちと一緒にごはんなんて何年ぶりだろう」
彼らと同じころ、チトセ女王以下ニリオンの面々も一旦母国に戻っておめしかえ。モモはハクレンに術をといてもらって真実の姿となり、ロラン王子の前におでましです。
「本当にモモちゃん?」
「はい、そうですよ」
造形は完全にミヤ姫ですが、笑顔の放つふんわりとした癒やしパワーは、ロラン王子の大好きなモモのものです。
彼女だと確信した矢先、そそくさとアルマンの背に隠れます。
「なにをしているんですか」
「だってなんかちょっと恥ずかしい」
「かわいこぶらないでください、おぞましい。ほら、きちんとエスコートして。モジモジしない」
アルマンに叱りとばされながら大食堂に向かいます。
ニリオン側はミヤ姫とチトセ女王に加え、特別にチヨとライゴも来賓扱いです。(ハクレンは本人の希望もあり、女王不在のあいだ国を守るために留守番です)
ロラン王子は、アルマンたち自国の臣下やコルトの同席も願いでました。彼らの活躍をおおいに認めた両陛下はこころよくお許しになりましたが、本人たちはめっそうもないと遠慮し、そばに控えるだけとなりました。
「どうして影武者たてたの? なにか危ないことでもあった?」
晩餐会がはじまり、おりをみて口をきったロラン王子にチトセ女王が答えます。
「いいえ、不在をさとられないようにしたまでです。それにチヨさんに預かってもらうにしても王家の者だと知れると、なにかと面倒が生じそうでしたので」
ライゴのお師匠さまは、チトセ女王の武術指南に彼をお供にすることが多く、時にはチヨも同伴、肝の太い両名は国の嫡女相手に臆さず親交を深めました。
歳月をへてライゴとは主従関係となりましたが、チヨとは今でも気のおけない間柄です。
そんな彼女の進言もあって箱入り娘のミヤ姫に社会勉強させていたところ、青天の霹靂、見合い話がもちあがりました。
女性関係の評判が悪いフシェン王子に大切な妹を嫁がせたくなかったのもありますが、この婚姻が対等な関係でなく、ミヤ姫を人質にいずれニリオン国をとりこむおそれがあったため、チトセ女王はそのまま影武者に見合いをさせようとしたのです。
けれども、それはあまりに惨いことだとモモ――もとい本物のミヤ姫はロラン王子に阻止をこいねがいました。彼女は自分ではなく、侍女を助けてほしかっただけでした。
利用されていたのかも、というのが杞憂に終わりホッとしたロラン王子はつぎの質問に移ります。
「そういやフシェンがいきなり帰ったのはなんで?」
「可能ならば、私も見合いを反古にしたい気持ちはありました。そのため隠密に動いてもらっていたのです」
チトセ女王は取引材料にするため、フシェン王子もしくはその家族の情報を探っていました。そして彼の父である、パシン国王についての噂の裏取りに成功したのです。
「それって非合法の愛妾のこと?」
「よくご存じで」
「ゴシップロイヤルに載ってたもん。毎号最低十回は、すみからすみまで読みこんでるからね」
そこで過日、迎賓館のあの一室で、交渉のため密かに出向いたチトセ女王とロラン王子が鉢合わせ。扉が開いた瞬刻、彼女の姿をとらえた目の早いチヨがただごとでないのを知覚し、ロラン王子を気絶させ、理由をでっちあげたのでした。
「ひどいよチヨちゃん、かなり痛かったんだから!」
「すんだことをゴチャゴチャ言うんじゃないよ。みみっちい」
二人の会話に花笑み、チトセ女王が続けます。
「でも、その必要もありませんでした。彼の真の目的は見合いではなく、ハクレンさんに会ってロランさんを探してもらうことだったのですから」
「俺を? なんで? まさか、あの大臣たちの仲間だったとか……」
「いえ、かねてよりゴシップ誌の編集長と懇意だったことで子細を知り、それをロランさんに知らせようとしたそうです。どうにかしてあなたに伝えるよう、私からミヤに頼んだのですが、お聞きになりませんでしたか。本文に隠されたメッセージを」
「じゃあ、あの推理、ほんとはフシェンが。って、あいつ編集長と仲良いの? なにそれ羨ま……じゃなくて! だったら普通にハクレンちゃんに会えばいいじゃん。お見合いなんかせずに」
すると、チヨが話を横どり。
「そういや、あわよくばチトセやミヤと仲良くなる腹づもりだったと言ってたね」
「うっわ、これだから女好きは。油断も隙もないよ」
「人のこと言えた義理かね。あんただって……」
藪蛇を感じとり、ロラン王子がごり押しで話題を転換します。
「ていうか、なんでそんなことしたんだろね。会ったこともない俺のために」
「借りがあると言ってたよ。これでやっと返せるともね」
「え、そうなの?」とロラン王子は首をひねりましたが、
「だめだ、まったく思いだせない」
「前にお節介でもやいたんじゃないのかい」
「それはないと思うんだよね。イケメンは助けない主義だから」
「狭量な男だよ。あんたがモテないのは、そのせいだろうね」
「じゃあ今度から助けるよ、積極的に!」
「だから、そういうところが狭量だって言ってんだよ」
と、先刻から顔をふせ気味にしていたレオン王太子が、たまらず吹きだしました。挟みこまれる彼らのやりとりに限界だったのです。
兄の笑声を聞くのが初めてのロラン王子は、目を皿。そんな息子たちを見やり、王妃はクスクス笑います。
「あらまぁ、レオンの笑い上戸はなおらないものね」
「兄上が?」
「そうよ、小さいころから。でも、嫡子としての威風が損なわれるからと教育係に注意されて、わざと眉間に皺を寄せているのよ」
一途に隠そうとしながらも満身をひくつかせる兄は、とても人間的で、おのずからロラン王子も破顔。
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