七不思議をつくろう

真山マロウ

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第二の不思議

次の一手

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「次の七不思議、決めよう!」
 放課後。教室に入るなり告げる。先にきていた、夏木くん以外の表情がいっせいに華やいだ。

「中垣さん、やる気まんまんですね!」
 福谷さんが透明感のある頬をピンク色にそめ、前のめり。彼女のほうこそ、ずっと意欲的でひたむき。押しの強さは否めないが、それだけ真剣な証拠だろう。まじめな好人物だ。

「好評だったもんね、動画。理事長からのお墨みつきももらったし」
 義井くんも声を弾ませ笑顔。今回の成功体験が自信になったとみえ、人あたりの良さに明るさが加わり、ぐんと接しやすくなった。クラスでも話かけられることが増えたとのこと。なによりだ。

「勢いがあるうちに次を投稿したほうが注目されそうだしな」
 言いながら、夏木くんの視線と手は菓子折りの開封にいそしむ。いまいち七不思議づくりに乗り気じゃない彼を繋ぎとめているのが、毎日さしいれされる理事長からのおやつ。餌づけは功を奏しているらしい。

「鉄は熱いうちに打てか。たしか候補は……」
 志倉くんが、スマホに収めていたメモ画像を確認。メンバーのなかで一番謎めいて掴みどころがなかったけど、動画制作のとき気がまわるのを見て、几帳面なしっかり者と認識をあらためた。

「音楽室、理科室、美術室、体育館、グラウンド、プール。前回のトイレと違って協力が必要になってきそうだな」
「ね。関係各所に話を通してたほうが揉めなそう」
 たとえば音楽室のにするなら、音楽の先生や吹奏楽部の人たちの承諾がないと。

「美術室の七不思議、石膏像の目が光るやつだったか?」
 夏木くんが呼びかける。応じたのは福谷さんだ。
「やめてください、美術室に行けなくなるじゃないですか! 怖い系は嫌です! ハッピー路線を続けましょう!」

 こういうとき、もれなく反対意見をぶつけてきたのは志倉くんだったけれど、

「そうだな。オカルト系じゃなかったのが、おもしろがられた部分もあるし」
「あっ、思いつきました! 縁起のいい絵を飾りませんか」
「鶴亀とかか? うちのばあさんの部屋に、それっぽいのがあった気が」

 こんなに早く、平和的に話しあってくれる日がこようとは。思わずジーンと胸を熱くしていると、一転して黙りこんでしまった夏木くんが引っかかった。

「どうしたの?」
 なにか気にさわりでもしたのかと心配したものの、そうではなかったようだ。彼の目には、またもや光がほのめいていた。
「美術部にアテがある。内容は任せるから、次はそれにしねえか?」
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