七不思議をつくろう

真山マロウ

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第三の不思議

人のことよりも

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 翌日、放課後。義井くんと五組の教室へ赴く。事前に話を通してくれた夏木くんも同席だ。

「めちゃくちゃ仲いいってんじゃないけど悪くもない。フツーに先輩後輩じゃね?」
 瓶山くんは愛想よく、実森さんとの関係性を語ってくれる。

「もしかして、サネさん俺らのことなんか言ってた? もっとマジメに部活やれとか?」
「そんなことは。私たちが七不思議つくるにあたって、もう少し化学部のこと知っておきたくて」

 我ながら無理のあるこじつけでも、瓶山くんは気にもせず「律儀だなー」と笑う。

「それで実森さんって、瓶山くんからみてどんな人かな」
 友好的な流れにまかせ核心に触れる。瓶山くんはわずかばかり考えたそぶりをして、手首についたブレスレットを爪弾いた。

「サネさん、あんな感じじゃん? なに考えてるかわかんないんだよな。腹割ってくれてもとは思うけど、そういうのって人それぞれだし。ま、俺は楽しけりゃいっかな派だから」

 嫌ったりはしていないようだが、丸っきり不満がないわけでもなさげだ。

「つか、なんでそんなこと訊いてくんの? あ、もしかして、なんかトラブってる? だったら七不思議、やめてくれてもいいし。断んの気まずいなら、俺がサネさんに言っとくわ」

「あ、いや、まだ今のところ大丈夫だから」
 ぎくっ、としたのが伝わり、瓶山くんは高笑い。
「中垣って正直だよな。ま、無理しなくていいから」

 と、収穫あったんだかなかったんだかな訪問を終えて。執拗に絡んでこようとする理事長をいなし、おやつだけありがたく受けとり、いつもの空き教室に向かう。

「何度言えばわかるんですか!」
「こっちのセリフだ! わからず屋!」
「なんですと! この、すっとこどっこい野郎!」

 まさか、トラブっている真っ最中だったとは。

「話になりません! 私もう帰ります!」
「勝手にしろ!」

 とめる隙もなく福谷さんが教室をでる。

「えっ、えっ、なに、どうしたの」
「知らん! 俺も帰る!」
 私を押しのけ、志倉くんもでていく。背後で義井くんと夏木くんが話すのが聞こえた。

「あの二人だけにしといたの、まずかったかな」
「そこまでいちいち気にしてらんねえだろ」
「追っかけたりとかしたほうが」
「ほっとけ。どうせ明日になったらケロッとしてる」
「でも……」
「じゃあ、行ってこいよ。俺はこれ食うから。ここの月餅うめえんだよ」

 コミュニケーション不足なのは私たちのほうかもしれない。まいったな、よその心配してる場合じゃなさそうだよ。
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