七不思議をつくろう

真山マロウ

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第三の不思議

ひとまず解決

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 相談にいくと理事長は大喜びで必要なものを即発注。「明日には届くよ」と揃えてくれたうえ関係各所にも話をとおしてくれた。財力のみならず行動力まで持ちあわせていようとは。理事長が頼れる大人だったことを、はからずも実感することになった。

 私たちがお願いしたのは、七不思議用として新たな骨格標本と白衣を数枚。届いてさっそく福谷さん主導で標本をデコる。デザインのアドバイスをもらうため、美術部の江藤くんと花岡さんにも協力要請。「いです」と福谷さんも納得のできばえだ。

 ポップなカラーリング。ラインストーンなどの小物で飾られた標本に、化学部の人たちが着ているのと同じタイプの白衣を着せる。

「願いごとを書くと対人運がアップ」

 今回は私だけじゃなく、化学部とのコラボとして実森さんも動画出演。暗闇にうかぶ坊主頭と眼鏡のとりあわせが「あやしげだ」と好評で、理科室前に置かれた白衣は日に日に空白が消えていく。

〈友だちと仲なおりできますように〉〈バイト先の人とうまく話したい〉〈新しい出会いがありますように〉
 そして、襟の裏にこっそり書かれた実森さんの思い――〈後輩と仲よくなりたい〉

 その願いが届いたのか、後日、瓶山くんが「いいこと思いついた」と私たちのもとに。白衣に寄せ書きして、実森さんが引退するときサプライズで渡すというのだ。

「せっかくだから一緒に書かね?」
 もちろん全員快く参加。自分が誰かの思い出の一部になるのかと思うと、ちょっとくすぐったい。

 実森さん本人は、
「このたびは大変お世話になりました。お陰さまで後輩たちとも少し打ちとけられたように感じます。このご恩は一生忘れません!」
 と、すっかり終わった気でいるみたいだけれど。

「大盛況だよね。白衣、何枚めだっけ」
「五枚め」
「効果あるんじゃないの、なんだかんだ言って、コメント欄とか見てるとさ」
 スマホ片手に響子が笑う。

「でも、これだと七不思議ってより、パワースポットで願掛けみたいになってきたような」
「ま、誰も文句言ってないし。栞里が気にすることないよ」
「ゆるいなぁ」
「よくない? ゆうても、理事長のワガママ叶えてやってるだけだし」
「……それもそっか」
 今回活躍してくれたとはいえ、あの人が元凶だもんな。

「よし、あと四個」
「頑張れー」
 次で折り返し地点。このまま何事もなく進めていければ年内にはかたがつきそうだ。というか、なんとしてもつけなければ。こんな案件抱えて年越しなんてのは嫌だ。
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