七不思議をつくろう

真山マロウ

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第四の不思議

むちゃぶり三昧

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「いいよなぁ、羨ましいよなぁ」
 どれだけくり返せば気がすむんだろう。さすがに、うんざりしてきた。

 いまや日課となってしまった、さしいれおやつの受けとり業務。たいていは五分そこらで退散するけど、今日はどうしてもと懇願され着席することにした。

 美味しい紅茶をふるまわれてしまった手前むげにもできない。とはいえ、みんなを待たせてしまっている。早く戻らないと。

「それで、お話ってなんですか」
 リピート再生を中断、理事長がティーカップをおく。丸っこい二重ふたえの目がまっすぐに私を見つめた。

「次の七不思議、決まった?」
「まだですけど」
「じゃあさ、僕のつくってよ」
「……はい?」
「だから、僕の。理事長にちなんだ七不思議」

 唐突な申しいれに狼狽。私だけで判断しかねて、話を持ちかえらせてもらうことにする。化学部のときので見なおしてたけど撤回。どれだけ私たちを煩わせたら気がすむんだ、この人は!

「ってことなんだけど、どうしようか」
 戻るなり相談。予想どおり、みんなの反応もかんばしくない。

「そうきたかって感じだよね。理事長らしいというか」
 義井くんが困り顔で本日のおやつ、パステルカラーなメレンゲ菓子にかじりつく。手のひらくらいの大きさがあるので、それなりに食べごたえがある。

「相手にしなくていいだろ」と夏木くんは言うけれど。
「これだけ毎日お菓子もらってると僕、断りづらいよ」
「つっても、ムズくねえか。なんだよ、理事長にちなんだ七不思議って。意味わかんね」
 おっしゃるとおり。私もまったく想像つかない。

「過去イチ適当でよくない?」
 つぎの日、響子に相談すると秒で答えが返ってきた。

「できればそうしたい」
「しちゃいな。あたし決めたげるよ。三日間、理事長のこと見なかったら開運する。どうよ?」
「難易度高そう。しょっちゅう校内うろついてるよね、あの人」
「うん。ほぼ無理ゲーっしょ」

 ふたりでけらけら笑いとばす。と左右にすばやく目を動かした響子が、すすすと体を寄せて声をひそめた。
「それより気をつけたほうがいいかも、七不思議」
 テンションの落差と表情が真面目な話だとものがたる。ぞわっと寒気がした。

「まじで? 私たち、なんかやらかしてた?」
「てゆうか、目つけられてるっぽい。副会長に」
「えっ! それって、もしかして生徒会の?」
「うん。昨日あたし聞いちゃったんだよね、偶然。近々、接触してくるかも」

 動悸と冷や汗がとまらない。これは理事長うんぬん言ってる場合じゃない。
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