七不思議をつくろう

真山マロウ

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第四の不思議

涙の一日

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「七不思議、やめないつもりだから」
 翌、昼休み。非常階段で鬼塚くんに告げる。呼びだしたときは注目の的だった。噂になっているかも。胃がキリキリしてくる。

「こちらの意向は全員に伝えてくれたのか」
「伝えた。話しあった。それでの結論」
「……そうか」

 納得していないのが見てとれる。相手の顔色にあわせて折れてばかりきたけど、今度はそうもいかない。

「問題おこらないよう注意していくし、理事長の承諾もとってあるから」
 宣言に、鬼塚くんの眉間が険しくなった。
「もう一度、話あってもらえないか。できれば強い措置はとりたくない」

 なにがなんでも中止させたいようだ。簡単には引きさがってくれない。なんなの、もっとほかに優先させる案件ないのかな。

「そこまで重大なことかな。ただの娯楽なのに」
「なにかあってからじゃ遅い。今のうちから……」
「先のことなんてわからないでしょ。勝手に決めつけないでよ」

 鬼塚くんは生徒や学園のことを思っている。私は自分のことしか考えていない。だからまともに反論できず、屁理屈をぶつけたあげくの果て、ぽろぽろと涙をこぼしてしまう。

 困惑したのか、鬼塚くんは腕組みをほどき、いくらか柔らかさのある口調になった。
「もうしばらく様子をみよう。だが、少しでも問題が起これば即中止してもらう。それだけは覚悟しておいてくれ」

 頬を拭うあいだに去っていく気配がした。涙がかわくまで、そこから動くことができなかった。

「どうしたの」
 放課後。集まり場所にいくと、みんなの様子が変だ。夏木くん以外が目くばせ。義井くんがおずおずと口をひらく。

「七不思議、やっぱり中止しない?」
 まさかの内容に思考ストップ。ようやく返せたのは、
「なんで……」

 その答えは夏木くんがくれた。
「鬼塚を呼びだしてたの、こいつら見たらしい」
 聞けば、どうやら一部始終、泣いたのまで見られていたようだ。

「私は平気。話してるうちに感情がたかぶっただけだから」
 と説明しているうちにも視界がうるむ。義井くん、志倉くん、福谷さんが激しい動揺をみせる。

「も、もう少し続けてみようか」
「そ、そうだな。せっかくだし」
「い、異議なしです!」

 夏木くんは態度を変えることなく、菓子折りを開封しながら冷静なご意見。
「問題おこる前に全部終わらせりゃいいんだろ。とっとと次の決めて撮影だな」

 究極そうだけど、それだけじゃないんだよな。夏木くんにとっては、今日のおやつのほうが重要なのかもしれないけれど。
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