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第七の不思議
初めて知る事実
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私は薄情者だ。自分のことばかりに頭がいっぱいで、身近な人の異変にずっと気づかずにいた。
「響子ちゃんのことで、ききたいことがあって」
放課後。同じクラスで吹奏楽部の子が話しかけてきた。もじもじと指をいじり、か細い声。たまにしか会話したことのない彼女は、いつも俯きかげんで内気な感じのする子だ。
「響子がどうかしたかな」
「いつも放課後なにしてるか、知ってたら教えてほしくて」
「部活じゃないの?」
「一か月くらい前から急に来なくなったの。何度か理由をきいてみたんだけど、はぐらかされちゃって。中垣さん、仲いいよね。それとなく確かめてもらえないかな」
「ええっ、私が!」
そんなスパイ行為できっこない、と断ろうとしたけれど、涙目で見つめられると弱い。たぶん彼女も、同じクラスだからとかの理由で、ほかの部員の子たちに頼まれたりしたんだろうな。
「やってみるけど、だめだったらごめん」
「うん、全然それでいいから」
「あんまり期待しないでね、ほんとに」
「そんなこと言わないで。できるだけ頑張って。お願い」
「頑張っても、うまくいく保証ないし」
「大丈夫だよ。ポジティブでいこう。中垣さんならできるよ」
態度は控えめだけど押しは強め。本性これだけ強気キャラなら、私に頼まなくても自分でやれるのでは。
「私もう部活いかなきゃ。じゃあ、よろしくね」
走り去るのを見送り、安うけあいしてしまったのかも、と後悔。集合場所にいく。最後の七不思議を決めるとあって、なかなか納得のいく答えに到達できず。連日、話しあいという名の、おやつタイムを過ごしていた。
「なにかあったんですか? また木島さんですか?」
顔をあわせるなり、福谷さんが心配そうにきいてくる。あれ以来、木島さんとは言葉をかわしていない。廊下ですれ違っても、お互い見て見ぬふり。
「そっちは平気だよ。今は友達のことで」
言いかけて疑問。なんでわかったんだろう。
「もしかして私、考えが顔にでるタイプかな」
おやつに夢中の夏木くん以外、目配せ。
「正直でいいと思うよ」「裏表があるより断然いい」「そうです、そこが中垣さんのいいとこです!」
あ、でてるんだ。
「自覚なかったのかよ」
話を聞いていないと思っていた夏木くんが、くちを挟んでくる。
「いつでも自分の顔が見れるわけじゃないし」
「それもそうだな」
興味なさげな相槌で、おやつに向きなおす。こないだみたいに感激させてとは思わないけど、もっと言い方なかったのかな。
「響子ちゃんのことで、ききたいことがあって」
放課後。同じクラスで吹奏楽部の子が話しかけてきた。もじもじと指をいじり、か細い声。たまにしか会話したことのない彼女は、いつも俯きかげんで内気な感じのする子だ。
「響子がどうかしたかな」
「いつも放課後なにしてるか、知ってたら教えてほしくて」
「部活じゃないの?」
「一か月くらい前から急に来なくなったの。何度か理由をきいてみたんだけど、はぐらかされちゃって。中垣さん、仲いいよね。それとなく確かめてもらえないかな」
「ええっ、私が!」
そんなスパイ行為できっこない、と断ろうとしたけれど、涙目で見つめられると弱い。たぶん彼女も、同じクラスだからとかの理由で、ほかの部員の子たちに頼まれたりしたんだろうな。
「やってみるけど、だめだったらごめん」
「うん、全然それでいいから」
「あんまり期待しないでね、ほんとに」
「そんなこと言わないで。できるだけ頑張って。お願い」
「頑張っても、うまくいく保証ないし」
「大丈夫だよ。ポジティブでいこう。中垣さんならできるよ」
態度は控えめだけど押しは強め。本性これだけ強気キャラなら、私に頼まなくても自分でやれるのでは。
「私もう部活いかなきゃ。じゃあ、よろしくね」
走り去るのを見送り、安うけあいしてしまったのかも、と後悔。集合場所にいく。最後の七不思議を決めるとあって、なかなか納得のいく答えに到達できず。連日、話しあいという名の、おやつタイムを過ごしていた。
「なにかあったんですか? また木島さんですか?」
顔をあわせるなり、福谷さんが心配そうにきいてくる。あれ以来、木島さんとは言葉をかわしていない。廊下ですれ違っても、お互い見て見ぬふり。
「そっちは平気だよ。今は友達のことで」
言いかけて疑問。なんでわかったんだろう。
「もしかして私、考えが顔にでるタイプかな」
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「正直でいいと思うよ」「裏表があるより断然いい」「そうです、そこが中垣さんのいいとこです!」
あ、でてるんだ。
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話を聞いていないと思っていた夏木くんが、くちを挟んでくる。
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