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後編
観光地で観光しないとかあり?(主人公視点)
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「ヴィル兄様、ぜひまたお立ち寄り下さいませ」
翌朝、アンネリース嬢の見送りをうけて、俺たちはツァイス領都ヘルネを発った。この先に、父さんから立ち寄るよう言われている場所がある。
世界樹の森だ。
世界樹は、この世界の柱とも言われている巨大な木で、この国では富士山的なランドマークとなっている。
うちの領都からもよく見えるその巨大な木はまさにファンタジー。某ロールプレイングゲームをやり込んでいた俺は、この世界に転生して初めてテンションがあがったのがこの世界樹を見た時だった。
「なあヴィル、本当に世界樹の森に入るんだな?あそこがどんなところかは知ってると思うが……。大丈夫なのか?」
「ああ。大丈夫だよ、父さんはこれがあれば少なくとも森からは無事に出れるって言っていたから」
そう言う俺の胸元で光るのは、父さんから預かった母さんのペンダント。
「それは……?」
「母さんの形見なんだ」
「お母様の………」
「お前の母親は………」
「うん、俺が三歳の時に亡くなったんだ」
父さんは、母さんは原因不明の奇病で亡くなったと言っていたけど、あれは本当に病気だったんだろうか。
未だに分からない。
なぜか三歳以前の記憶があやふやだからだ。おかしいな。生まれたときからしっかりと憶えてた筈なんだけどな。
「そうか………。嫌なこと聞いちまって悪かったな」
「いいんだ。それに、父さんは世界樹の森に母さんが関係してるかもしれないって言っていた」
「世界樹の森が……?どういうことだ」
「わからない。ただ、あそこに行けば、母さんのことが何か分かるんじゃないかって、少し期待してる」
魔の森と呼ばれる危険なところに、俺の個人的なことで付き合ってもらうのは気が引けるけど、父さんは、あの森に行けばこの腕が治るかもしれないとも言っていた。
でも、皆にはそのことは言えなかった。
だって、治るかもしれないって期待させておいて治らなかったら、俺も辛いし、皆をきっとがっかりさせる。
「あっ!見てヴィル!世界樹が見えて来たわ!」
蒼く澄んだ空に雲が流れ、山の向こうにに葉を繁らせた世界樹の頭が顔を出しているのが見えてきた。
ここから、山の間の谷を抜ければ、世界樹の森も見えるはずだ。
俺は期待と緊張と不安とを胸に、馬車に揺られて行く。
しばらくして、
「おっ、こっからオーベル領だ」
谷地を越えると、また舗装が変わった。
ここからオーベル領に入ったみたいだ。
「近づいて来たぞ、世界樹の森だ」
馭者台のアヒムさんが、そう言って指差した先には木々が茂る森が、そしてそのほぼ中央に、世界樹がそびえていた。
オーベル領は世界樹を一目見ようと集まる人々で観光事業が盛んだ。
領土の半分ほどが世界樹の森が占めているため、農地もほとんどない。
これで、森に入って世界樹を間近に見られるとかならもっと観光が盛り上がるんだろうけど、なにせ魔の森と呼ばれる場所だ、そんな訳にはいかないだろう。
「お待ち下さい」
「失礼、コール筆頭公爵家の馬車とお見受け致します。私共はオーベル男爵家所属の兵士でございます。申し訳ございませんが、この先は危険区域として自由民以外の方のご通行はご遠慮頂いております」
世界樹の森の東側の入り口とされる場所まで進むと、オーベル男爵の私兵に呼び止められた。
誤って観光客が森に入らないよう警らしているのだそうだ。ご苦労様。
「俺たちゃ、依頼主もひっくるめて承知の上で入るんだから構わねぇでくれよ」
「そうは参りません。自由民以外の方の通行は、オーベル男爵の許可がございませんと」
そりゃそうだ。
俺もうっかりしてたよ。
世界樹の森は本来人族の領地ではないけど、実質的に管理しているのは我が国でありオーベル男爵だ。
自由組合の名のもとに自由と権利が保証されている自由民は自己責任で世界樹の森に入ることはできる。
対して俺たち貴族や平民は、この国の人間である以上、ルールに従って手続きを踏まなくては森には入れない。
仕方ない。
遠回りをして、オーベル男爵に許可を頂いてこよう。
「大変失礼致しました。出直して参ります」
「畏れ入ります」
「オーベル領都プラウエン方面へはこの先街道を西へお進み下さい」
「ありがとうございます」
俺たちの馬車は方向を変え、一路領都プラウエンへ向かった。
「ようこそ。プラウエンへ」
オーベル領都プラウエンは木々に囲まれた街で、観光客の為の宿泊施設があり、みやげ物屋や飲食店などを営む商人らが頻繁に出入りする。賑やかな田舎街といった場所だ。
門番の兵士の審査を受けて街に入ると、賑やかな中央通りでふと、目に留まった人がいた。
赤茶けた髪に日に焼けた肌の、背の高い人。
異国風な装束を翻し、大きな荷物を背負うその人から、なぜか俺は視線を逸らせなかった。
「どうしたの?ヴィル」
「ん?ああ、いや。何でもないよ」
「そう?」
ティナに声を掛けられて初めて視線を外すと、その人は人混みに紛れて姿が見えなくなっていた。
なんだったんだろう………。
不思議な雰囲気のひとだったな………。
やがて中央通りの先に、領主の邸が見えて来た。
「ヴィクトール・アードリゲ・ヴァイゼ・コールと申します。突然申し訳ない。オーベル男爵にお会いしたいのですが」
兵士にそう告げると、慌てて邸に走って行った。
ほどなくして、馬車を停めて待っていた俺たちのもとへ執事がやって来て、邸の中へ通された。
先触れを出したのが遅かったからか、慌てさせてしまった。申し訳ない。
「初めまして、ヴィクトール様、ティアナ様。私、フェルディナント・アーデル・オーベルと申します」
応接間に通された俺たちを待っていたのは若い男。
あれ、フェルディナント殿は確かオーベル男爵の嫡男の……。いつの間に代替わりしたんだろ。
「突然の訪問にも関わらず、快くお迎えいただき、ありがとうございます。私は、ヴィクトール・アードリゲ・ヴァイゼ・コールと申します」
「ティアナ・アーデル・フェヒター・ヒルシュと申します」
俺たちは挨拶を交わすと静かに腰を下ろした。
「父に御用とのことでしたが、あいにく、父は隠居しまして、私に代わりに御用をお聞かせ下さい」
「ご隠居なされたとは………、存じ上げず失礼致しました」
「いえ、まだ正式な手続きを踏んでおりませんので、ご存知でなくて当然です、お気になさらず……」
え、隠居って、今?
的なことをつい漏らすと、フェルディナント殿は困った様に表情を変え
「今回の件で父はさすがに責任を感じたのでしょう……」
とだけ言った。
そんな事を話していると、静かに侍女がお茶を運んで来た。
侍女が下がると、フェルディナント殿は膝の上で手を握りしめ、口を開いた。
「………この度の妹の非礼を深くお詫び申し上げたく存じます。誠に、申し訳ございませんでした。加えて、ヒルシュ公爵令嬢におかれましては、妹がご忠告を無視するばかりか、暴言を吐いたと聞いております、申し開きのしようもございません……」
フェルディナント殿がそう言って深々と頭を下げる。
「………それは、オーベル男爵家からの正式な謝罪と受け取って宜しいのですね。フェルディナント殿」
「はい。私を、当主の代理とお考え下さい」
俺とティナはお互いに顔を見合せ、うなずきあった。マリアンネ嬢の件は俺の出る幕はないだろう。
ティナが口を開いた。
「どうぞ、お顔を上げて下さいフェルディナント様。お気持ちは十分、分かりました」
ティナに促され、フェルディナント殿はゆっくりと顔を上げた。
表情は変わらないが、内心ほっとしてるんだろう。
「フェルディナント様、マリアンネ様がどのような言動をされたか、ご存知ですか……?」
「……はい。ヒルシュ公爵をはじめ、複数の方から抗議文をいただきましたので……」
実を言うと、学院でのマリアンネ嬢の言動は俺はむしろほとんど知らない。
男女でクラスもフロアも別れていたので、女生徒とは合同授業や休憩時間に顔を合わせるくらいだったからだ。
ただ、そんな中でもちらほらと、聞こえてきていたのは、とある下位の令嬢が婚約者のいる男子生徒に言い寄っているらしい。という噂だった。
「妹は、五歳の時に階段を踏み外して頭を打って以来、人が変わったようにおかしな言動をするようになってしまいまして………。もちろん、そのことを言い訳にするつもりはございません、ひとえにこの度のことは、学院に入れれば淑女らしくなるだろうなどという甘い考えをしていた私共の責任です」
ん?
どっかで聞いたことのある話だな。
「おかしな言動……、マリアンネ様が御自身を『ヒロイン』だとか、一部の男性達を『攻略対象』とか、私のことを『悪役令嬢』などと仰っていましたが……」
「そうです、特に家族に対しては『モブ』などと言って下に見る始末でして………」
うん。
聞いたことあるわ。
妹が持ってた小説で、転生先がゲームの登場人物だった……とかいういわゆる『転生モノ』で、俺みたいに生まれてすぐに前世の記憶があるタイプじゃなくて、生まれて数年経ってから何らかのショックで急に前世の記憶を取り戻すタイプだ。
それにしても、家族を『モブ』扱いするとか……、ゲーム脳すぎだろ。
「……フェルディナント様……、マリアンネ様にお会いすることは出来ますかしら。私どうしてもマリアンネ様と直接お話をしたいのです」
「………」
「マリアンネ様がなぜ、あのような言動をなさったのか、御本人からお聞きしたいのです」
フェルディナント殿は険しい顔をして、悩んでいるようだ。
「妹は………、先日王都から父が連れ帰ったのですが、アルベルト殿下と婚約出来なかったのはティアナ様のせいだと公然とのたまっておりまして……。本当に何を言うか分かりません……」
多分、上から目線でティナを責め立てるんだろうな。
「構いません。私からお話をしたいと申し上げたのですから。マリアンネ様が何を仰っても、一切フェルディナント様をはじめ男爵家に責は問いません」
ティナがいいならいいけど。
と言う代わりに、ティナの視線にうなずいて返した。
翌朝、アンネリース嬢の見送りをうけて、俺たちはツァイス領都ヘルネを発った。この先に、父さんから立ち寄るよう言われている場所がある。
世界樹の森だ。
世界樹は、この世界の柱とも言われている巨大な木で、この国では富士山的なランドマークとなっている。
うちの領都からもよく見えるその巨大な木はまさにファンタジー。某ロールプレイングゲームをやり込んでいた俺は、この世界に転生して初めてテンションがあがったのがこの世界樹を見た時だった。
「なあヴィル、本当に世界樹の森に入るんだな?あそこがどんなところかは知ってると思うが……。大丈夫なのか?」
「ああ。大丈夫だよ、父さんはこれがあれば少なくとも森からは無事に出れるって言っていたから」
そう言う俺の胸元で光るのは、父さんから預かった母さんのペンダント。
「それは……?」
「母さんの形見なんだ」
「お母様の………」
「お前の母親は………」
「うん、俺が三歳の時に亡くなったんだ」
父さんは、母さんは原因不明の奇病で亡くなったと言っていたけど、あれは本当に病気だったんだろうか。
未だに分からない。
なぜか三歳以前の記憶があやふやだからだ。おかしいな。生まれたときからしっかりと憶えてた筈なんだけどな。
「そうか………。嫌なこと聞いちまって悪かったな」
「いいんだ。それに、父さんは世界樹の森に母さんが関係してるかもしれないって言っていた」
「世界樹の森が……?どういうことだ」
「わからない。ただ、あそこに行けば、母さんのことが何か分かるんじゃないかって、少し期待してる」
魔の森と呼ばれる危険なところに、俺の個人的なことで付き合ってもらうのは気が引けるけど、父さんは、あの森に行けばこの腕が治るかもしれないとも言っていた。
でも、皆にはそのことは言えなかった。
だって、治るかもしれないって期待させておいて治らなかったら、俺も辛いし、皆をきっとがっかりさせる。
「あっ!見てヴィル!世界樹が見えて来たわ!」
蒼く澄んだ空に雲が流れ、山の向こうにに葉を繁らせた世界樹の頭が顔を出しているのが見えてきた。
ここから、山の間の谷を抜ければ、世界樹の森も見えるはずだ。
俺は期待と緊張と不安とを胸に、馬車に揺られて行く。
しばらくして、
「おっ、こっからオーベル領だ」
谷地を越えると、また舗装が変わった。
ここからオーベル領に入ったみたいだ。
「近づいて来たぞ、世界樹の森だ」
馭者台のアヒムさんが、そう言って指差した先には木々が茂る森が、そしてそのほぼ中央に、世界樹がそびえていた。
オーベル領は世界樹を一目見ようと集まる人々で観光事業が盛んだ。
領土の半分ほどが世界樹の森が占めているため、農地もほとんどない。
これで、森に入って世界樹を間近に見られるとかならもっと観光が盛り上がるんだろうけど、なにせ魔の森と呼ばれる場所だ、そんな訳にはいかないだろう。
「お待ち下さい」
「失礼、コール筆頭公爵家の馬車とお見受け致します。私共はオーベル男爵家所属の兵士でございます。申し訳ございませんが、この先は危険区域として自由民以外の方のご通行はご遠慮頂いております」
世界樹の森の東側の入り口とされる場所まで進むと、オーベル男爵の私兵に呼び止められた。
誤って観光客が森に入らないよう警らしているのだそうだ。ご苦労様。
「俺たちゃ、依頼主もひっくるめて承知の上で入るんだから構わねぇでくれよ」
「そうは参りません。自由民以外の方の通行は、オーベル男爵の許可がございませんと」
そりゃそうだ。
俺もうっかりしてたよ。
世界樹の森は本来人族の領地ではないけど、実質的に管理しているのは我が国でありオーベル男爵だ。
自由組合の名のもとに自由と権利が保証されている自由民は自己責任で世界樹の森に入ることはできる。
対して俺たち貴族や平民は、この国の人間である以上、ルールに従って手続きを踏まなくては森には入れない。
仕方ない。
遠回りをして、オーベル男爵に許可を頂いてこよう。
「大変失礼致しました。出直して参ります」
「畏れ入ります」
「オーベル領都プラウエン方面へはこの先街道を西へお進み下さい」
「ありがとうございます」
俺たちの馬車は方向を変え、一路領都プラウエンへ向かった。
「ようこそ。プラウエンへ」
オーベル領都プラウエンは木々に囲まれた街で、観光客の為の宿泊施設があり、みやげ物屋や飲食店などを営む商人らが頻繁に出入りする。賑やかな田舎街といった場所だ。
門番の兵士の審査を受けて街に入ると、賑やかな中央通りでふと、目に留まった人がいた。
赤茶けた髪に日に焼けた肌の、背の高い人。
異国風な装束を翻し、大きな荷物を背負うその人から、なぜか俺は視線を逸らせなかった。
「どうしたの?ヴィル」
「ん?ああ、いや。何でもないよ」
「そう?」
ティナに声を掛けられて初めて視線を外すと、その人は人混みに紛れて姿が見えなくなっていた。
なんだったんだろう………。
不思議な雰囲気のひとだったな………。
やがて中央通りの先に、領主の邸が見えて来た。
「ヴィクトール・アードリゲ・ヴァイゼ・コールと申します。突然申し訳ない。オーベル男爵にお会いしたいのですが」
兵士にそう告げると、慌てて邸に走って行った。
ほどなくして、馬車を停めて待っていた俺たちのもとへ執事がやって来て、邸の中へ通された。
先触れを出したのが遅かったからか、慌てさせてしまった。申し訳ない。
「初めまして、ヴィクトール様、ティアナ様。私、フェルディナント・アーデル・オーベルと申します」
応接間に通された俺たちを待っていたのは若い男。
あれ、フェルディナント殿は確かオーベル男爵の嫡男の……。いつの間に代替わりしたんだろ。
「突然の訪問にも関わらず、快くお迎えいただき、ありがとうございます。私は、ヴィクトール・アードリゲ・ヴァイゼ・コールと申します」
「ティアナ・アーデル・フェヒター・ヒルシュと申します」
俺たちは挨拶を交わすと静かに腰を下ろした。
「父に御用とのことでしたが、あいにく、父は隠居しまして、私に代わりに御用をお聞かせ下さい」
「ご隠居なされたとは………、存じ上げず失礼致しました」
「いえ、まだ正式な手続きを踏んでおりませんので、ご存知でなくて当然です、お気になさらず……」
え、隠居って、今?
的なことをつい漏らすと、フェルディナント殿は困った様に表情を変え
「今回の件で父はさすがに責任を感じたのでしょう……」
とだけ言った。
そんな事を話していると、静かに侍女がお茶を運んで来た。
侍女が下がると、フェルディナント殿は膝の上で手を握りしめ、口を開いた。
「………この度の妹の非礼を深くお詫び申し上げたく存じます。誠に、申し訳ございませんでした。加えて、ヒルシュ公爵令嬢におかれましては、妹がご忠告を無視するばかりか、暴言を吐いたと聞いております、申し開きのしようもございません……」
フェルディナント殿がそう言って深々と頭を下げる。
「………それは、オーベル男爵家からの正式な謝罪と受け取って宜しいのですね。フェルディナント殿」
「はい。私を、当主の代理とお考え下さい」
俺とティナはお互いに顔を見合せ、うなずきあった。マリアンネ嬢の件は俺の出る幕はないだろう。
ティナが口を開いた。
「どうぞ、お顔を上げて下さいフェルディナント様。お気持ちは十分、分かりました」
ティナに促され、フェルディナント殿はゆっくりと顔を上げた。
表情は変わらないが、内心ほっとしてるんだろう。
「フェルディナント様、マリアンネ様がどのような言動をされたか、ご存知ですか……?」
「……はい。ヒルシュ公爵をはじめ、複数の方から抗議文をいただきましたので……」
実を言うと、学院でのマリアンネ嬢の言動は俺はむしろほとんど知らない。
男女でクラスもフロアも別れていたので、女生徒とは合同授業や休憩時間に顔を合わせるくらいだったからだ。
ただ、そんな中でもちらほらと、聞こえてきていたのは、とある下位の令嬢が婚約者のいる男子生徒に言い寄っているらしい。という噂だった。
「妹は、五歳の時に階段を踏み外して頭を打って以来、人が変わったようにおかしな言動をするようになってしまいまして………。もちろん、そのことを言い訳にするつもりはございません、ひとえにこの度のことは、学院に入れれば淑女らしくなるだろうなどという甘い考えをしていた私共の責任です」
ん?
どっかで聞いたことのある話だな。
「おかしな言動……、マリアンネ様が御自身を『ヒロイン』だとか、一部の男性達を『攻略対象』とか、私のことを『悪役令嬢』などと仰っていましたが……」
「そうです、特に家族に対しては『モブ』などと言って下に見る始末でして………」
うん。
聞いたことあるわ。
妹が持ってた小説で、転生先がゲームの登場人物だった……とかいういわゆる『転生モノ』で、俺みたいに生まれてすぐに前世の記憶があるタイプじゃなくて、生まれて数年経ってから何らかのショックで急に前世の記憶を取り戻すタイプだ。
それにしても、家族を『モブ』扱いするとか……、ゲーム脳すぎだろ。
「……フェルディナント様……、マリアンネ様にお会いすることは出来ますかしら。私どうしてもマリアンネ様と直接お話をしたいのです」
「………」
「マリアンネ様がなぜ、あのような言動をなさったのか、御本人からお聞きしたいのです」
フェルディナント殿は険しい顔をして、悩んでいるようだ。
「妹は………、先日王都から父が連れ帰ったのですが、アルベルト殿下と婚約出来なかったのはティアナ様のせいだと公然とのたまっておりまして……。本当に何を言うか分かりません……」
多分、上から目線でティナを責め立てるんだろうな。
「構いません。私からお話をしたいと申し上げたのですから。マリアンネ様が何を仰っても、一切フェルディナント様をはじめ男爵家に責は問いません」
ティナがいいならいいけど。
と言う代わりに、ティナの視線にうなずいて返した。
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