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後編
俺は皆の王になろう(主人公視点)
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母さんの墓参りをして城に戻るとすぐに夕食の時間になり、料理人達が腕を奮った料理に舌鼓をうった。
「ヴィクトール様、ご報告させて頂きたいのですが、よろしいでしょうか」
夕食後、エドガーがそう言ってきたのでティナには先に休んでいてくれるように言って、早速書斎に足を運んだ。
「ヴィル、あまり無理しないでね?」
「ありがとうティナ、報告を聞いたらすぐ休むよ」
ティナは心配そうにそう言いながら、俺とは反対方向に歩いていった。
「……」
うわぁ。
「どうかされましたか」
「………いや。何でもない」
書斎の扉を開けると、予想以上にえげつない量の書類が机に山積みになっていた。
俺は動揺を包み隠して椅子に腰掛け、エドガーの報告を聞きながら順番に書類に目を通していく。
「………第四区の開発、人口の増加に伴う食料と魔昌石の確保………移民の為の仮住居の建設………農地の拡張への補助金………鉱山の産出量………」
とうとうとお経の様に紡がれるエドガーの言葉を聞きながら予算書や工事報告に目を通していると、
コンコン
と、控えめに扉が叩かれた。
「どうぞ」
俺は一旦手を止めてノックに返答した。エドガーもピタリと報告を止めた。
「……失礼致します」
静かに扉を開けて入って来たのはハンスだった。
「お茶をお持ち致しました」
「そうか、ありがとうハンス。では少し休憩しようか」
「かしこまりました」
ハンスは銀のトレイに乗った二つのカップにそれぞれお茶を注ぎ、ひとつを俺の机にそっと置き、ひとつをエドガーに差し出した。
「どうぞ、エドガー様」
「恐縮です」
エドガーはサイドテーブルに一旦書類を戻すと、ソーサーに乗ったカップを受け取りそのまま口に運んだ。
俺も、ちょうどいい温度のお茶を一口。
あー、沁みるわー。
「……」
お茶を飲みながら俺はぎゅうぎゅうに詰め込まれた頭の中の情報を整理する。
第四区は二千年前からほとんど手付かず状態で、人口が急激に増えた今、居住区を増やす目的で開発をしているのはいい、アウクスブルクは無駄に土地だけはあるからな、有効活用しないと。
ただ、それにせよ、移住者対策にせよ、農地への補助金にせよ、莫大な予算がつぎ込まれている。
その予算の財源のほとんどを賄っているのが五年前にコール家の単独所有となったダルムシュタット鉱山からの収入だ。
ダルムシュタット鉱山は、五年前の婚約破棄の代償として王家から払い下げられた。
父さんがあのとき、何で俺とティナの婚約破棄に素直に応じたか、今なら分かる。
莫大な税収をもたらすダルムシュタット鉱山を単独所有し、王家の力を削ぎつつ、来るべき解体に備える資金源とする。そう考えたんだろう。
結果として、ティナは殿下との婚約を破棄され、俺と再び婚約した。
もし、今回のことも五年前のことも父さんにとっては想定の範囲内だったとしたら、俺たちは父さんの掌の上で踊らされたってことになるんだろうけど、もし、殿下が ティナを手放さないまま解体を迎えていたら、きっと俺は独り手を汚してでもティナを取り戻しただろう。
そして今度こそ、父さん達のやり方に失望したに違いない。
「ふう……。ごちそうさま」
「ありがとうございました」
「畏れ入ります」
俺たちがほぼ同時に飲み終わると、ハンスはカップを受け取り下がって行った。
「……」
それを見送り、再び書類に視線を戻す。
「エドガー、続きを頼む」
エドガーにそう促すが、言葉が返って来ない。
不思議に思って目線を上げると、エドガーはじっと俺を見つめて固まっていた。
「どうしたエドガー」
「……ヴィクトール様、今宵はここまでに致しましょう」
「なぜだ?」
「一度にこれだけの量の報告をお聞きになるのは無茶です。元々、二日間ほどに分けてご報告するつもりでしたし……。なにより、ヴィクトール様はお疲れのご様子とお見受けいたしましたので」
そう言われて、俺は肩の力が抜けた。
そりゃそうだ。
まだ父さんが到着するまでは時間がある。それまでにある程度領内の現状を把握しておければいいんだから、焦る必要はないよな。
「…………そうか、気遣いをすまない」
「畏れ入ります」
つか、本来俺の方からエドガーを気遣ってやらなくちゃなのに。
いくら住み込みだからって、あまり遅くまで拘束するのはよくない。
「では、今宵はこれまでとしよう、エドガーもゆっくり休んでくれ」
「御意」
俺は、執務室を出るや待ち構えていたクリフに浴場へ引っ立てられ、湯浴みをすませてから寝室の扉を開けると室内は明かりがついていて、ティナが椅子に腰掛けて本を読んでいた。
「あっ、ヴィル。お疲れさま」
「ティナ。起きて待っていてくれたのか」
「ええ、もちろん。ヴィルがお仕事をしているのに先に寝ている訳にはいかないわ」
ティナも湯浴みは済ませた後らしく、寝間着に上衣を羽織った格好だった。
「そんな…、気にしなくていいのに……。でも、待っていてくれてありがとう」
ああ、俺のティナは何でこんな可愛いんだろ。
思わず抱き締めると、ティナはそっと俺の背中に手を回してきた。
「おやすみティナ」
「おやすみなさい、ヴィル」
最早習慣になったおやすみの挨拶を交わし、寝台に横になった。
翌朝
久しぶりにスッキリ目が覚めた俺は朝食の前に運動をすることにした。
着替えた俺にティナも後から付いて来て、城の敷地の中にある訓練所にやってきた。
「おはようございます!ヴィクトール様!ティアナ様!」
「おはようございます!」
訓練所では、早朝から既に我が家の私兵達が模擬剣を振るっていた。
コール家はヒルシュ家やバルツァー家みたいに騎士団を抱えていないから、私兵を多く雇っている。
街門の門番から城の警備、街の治安維持まで全て私兵達の仕事だ。
今朝はこれから出勤する兵士達が仕度がてら準備運動をしているところだったようだ。
「丁度良かった。私も混ぜてくれないか、十日も馬車に揺られていたらすっかり鈍ってしまってな。お手柔らかに頼むぞ」
俺は平服の上から軽装の皮鎧を身につけ、木製の模擬剣を携えて訓練所の土を踏んだ。
「ッ!!」
ジャリ………
俺が木剣を構えた途端にピリつく空気。
いやいや、運動なんだからそんなピリピリしなくていいんだよ?
「お願いします!」
と、気合い十分で前に進み出て来たのは俺と変わらない位の若い兵士。
今年成人した新人かな?
「見ない顔だな。名は」
「クリストフ・ベルツと申します!」
ベルツって確か、東部の林業が盛んな子爵領の領主家だったか……。
子爵に限らず、貴族の家に生まれても、将来が約束されてるのは嫡子だけ。
それ以外の貴族の子弟は、成人すると自活の道を探るしかない。
そんな中でも人気の就職先が大貴族の私兵だ。
コール家が抱える私兵も、約半数が貴族の子弟だが、あと半数は元狩人や外国人など様々だ。
「ケヴィン班長のところの新人か?」
「はい、ヴィクトール様。今年成人したばかりのヒヨッ子ですんで、ビシッと厳しくやってください」
ちょっとちょっと。俺、鈍ってるって言ったよね。
ビシッとやってくれって言ったって………、はあ、無茶振りだなぁ。
「だ、そうだ。よろしく頼む」
「はい!お願いします!」
ティナも見てるし、あんまカッコ悪いところ見せられないなー。
なーんて思いながら剣を交えていると、
カンッ……!
「!」
ありゃ、おもいっきり木剣を弾いてしまった。
そんな、思いきりやってないよ?
カラン……!
弾かれた木剣が地面に落ちたと同時に、クリストフが膝をついた。
「ま、参りました……」
「どうだ!分かったかヴィクトール様の凄さが!」
膝をついて項垂れたクリストフに手を差しのべると、なぜかケヴィン班長がそう勝ち誇った様に言った。
聞けばクリストフは腕に覚えがあるということで鳴り物入りで仕官してきたそうだ。
確かに腕前はいいのだが、少々それを鼻にかけるところがあり、皆が俺の剣術を誉めるのが気に入らなかったらしく、自分の方が強いと言っていたそうだ。
そこへ俺がノコノコ現れたので、俺を負かすつもりで立ち会ってきて負かされたということらしい。
「俺はまだまだ未熟だったようです……」
うん、なんかごめんなさい。
でも俺も剣術は唯一の得意なことだから、簡単に負ける訳にはいかないんだよね。
「ヴィクトール様、ティアナ様、ご朝食の仕度が整いました」
「ああ、分かった。では皆、邪魔をしたな」
「ありがとうございましたヴィクトール様!」
いや、俺ホントに皆の邪魔しただけだからね?
と思いつつ、俺は朝食を食べに城に戻り、その日は午前中は来客の対応、午後はエドガーから領地の 報告を受けて過ごした。
そして、翌日の午。
「ヴィクトール様、お食事中失礼致ます。先触れが到着致しまして、今夜、旦那様がお帰りになられるとのことです」
ティナと昼食をとっていたら、ハンスがそう報告してきた。
「分かった。出迎えの仕度をしておいてくれ」
「かしこまりました」
俺は父さんの寝室と執務室、応接室の清掃も改めて頼み、バタバタと仕度を済ませた暮れの六刻半(夜七時)。
「お帰りなさい父さん」
「お帰りなさいませ、お義父様」
フード付きの外套を着て、馬で早掛けしてきたらしい父さんは、わずかな使用人と私兵と共に城に到着した。
「……ああ、ただいまヴィクトール、ティナちゃん」
すかさず駆け寄った城の使用人達に外套を脱いで預け、父さんはさすがに疲れた様子ではあったがそう返してくれた。
俺は城の使用人頭のトーマスに目配せした。
「旦那様、お湯浴みの仕度が整っております」
「あ、ああ」
父さんはそのまま風呂に行き、久しぶりに食事を共にした。
食事中、父さんはいつもなら会話をしながら食べるんだけど、難しい顔をしながら黙って黙々と食べていた。
食事のあと、腕が元に戻ったこととか色々話したいことはあったけど、さすがに今夜は父さんも疲れてるだろうと遠慮していたら、
「ヴィクトール様、旦那様がお呼びです」
と、呼ばれた。
湯浴みを済ませて、髪を乾かして貰っていた俺は、そのままでいい、と言うコンラートに付いて、寝間着に上衣を羽織っただけの格好で父さんの部屋に向かった。
「旦那様、ヴィクトール様をお連れしました」
「入りなさい」
「失礼致します」
コンラートに促されて部屋に入ると、父さんが椅子から立ち上がって出迎えてくれた。
「お呼びでしょうか、父さん」
後ろで扉が閉まる音を聞きながら、俺は父さんに近づいた。
「ああ、ヴィル。すまない、お前と話をしたくてね。さ、此方へ座りなさい」
そう言って勧められたソファに腰掛けると、向かいに腰掛けた父さんは俺の腕をじっと見たあと安堵のため息を吐いた。
「左腕は、元に戻ったようだね。よかった………」
そっと、俺の手をとり呻くようにそうこぼした父さん。俺はぎゅっと、その手を握り返した。
「ありがとう父さん、父さんが長命族の里へ導いてくれたおかげだよ」
そう言うと、父さんは頭を振った。
「そんなことは無いよ……。元はと言えばお前があんな大怪我をしたのは私のせいなのだから……」
「父さん………」
父さんは俺の手を離さず、険しい顔をしたままだ。
ぎゅっと、胸が苦しくなる。
俺は息を吐いて気を落ち着けた。
「……シメオン様にお会いしたのだろう?」
「はい。お祖父様にも、叔父上にもお会いしました」
「お祖父様……」
「お祖父様がそうお呼びしてよいと仰いまして……。叔父上も……」
俺がそう言うと、父さんは一瞬驚いた顔になったが、すぐにホッとした様な表情に変わり、
「そうか………、それほどまでに受け入れられたか……。良かった……」
「お祖父様は、いつでも歓迎してくださるとも仰って下さいました。それと、これを頂戴しました」
「……それは?」
父さんは俺の耳に光る伝声具に首を傾げた。
さすがに父さんはこれを見た事が無かったようで、これが声を伝える魔法具だと説明すると目を丸くしていた。
「それと……」
城の敷地内、母さんの墓の近くに移動拠点を設置したことを報告した。
「承諾も得ずに申し訳ござません……」
「いや……、構わない。そうか……、長命族の里と道が繋がったか………。ナディアも喜んでいることだろう」
感慨深そうに、そう呟いた父さん。
「…………父さん。母さんは……長命族だったのですね」
「…………そうだよ」
「なぜ……、今まで教えて下さらなかったのですか」
「………それが、ナディアの遺志だったからさ」
「母さんの遺志……ですか?」
母さんは、コール家の、特にお祖父様の俺に対する態度に、人族として暮らして行くには長命族との繋がりは枷にしかならないと判断し、十三年前、亡くなる直前に俺に魔法を掛け記憶をあやふやにしてしまったのだそうだ。
長命族の里で生まれたことや、長命族のことを。
「……ナディアはそういった細かな操作を得手としていてね……」
そうか……、だから母さんが亡くなる前の記憶が曖昧だったのか………。
「ナディアのことは、一部の使用人しか知らないこと、知っている者には口止めをしたが、お前が五つの時に薬学で流行り病を抑えた事に感銘を受け、お前を守ろうと自ら固く口を閉ざした」
父さんはそこまで話すと、いつの間にか置かれていたカップに口をつけた。
「……ところでヴィル。私からの書簡には目を通したかい?」
「はい」
「では、明後日の午、城門前バルコニーで建国宣言を行う、そのつもりで心づもりをしておきなさい。お前が、新興国の国主として民に語りかけるんだ」
「…………承知しました」
続けて父さんは、新興国の統治体制を記した書類を俺の前に差し出した。
俺は手漉き紙に書かれた最重要書類であるそれをそっと手にとり、一枚一枚ゆっくりとめくっていき、目を通していく。
その中に、気になる記述を見つけ、思わず手が止まった。
『現公爵家当主は大公の即位と同時にその位を時期当主ヘ譲るものとする』
という一文だ。
コール家は父さんが退くと同時に俺が大公に、ヒルシュ家はハルト兄様が次期公爵に、バルツァー家の次期当主はカルステン殿が継ぐだろう。
問題はツァイス家だ。
「父さん………」
「うん?何か気になる事があったかい」
「ツァイス公爵は、成人もしていないアンネリース嬢に家督を継がせるつもりなのですか……」
あの方はいい加減引退してもいいと思うが、いかんせんアンネリース嬢はまだ十三歳だ。しかも公爵位を継いでなおかつ新興国の中心に立たねばならない。
どんな罰ゲームだよ。
「特例だ。さすがにまだ学院に入学すらしていない年齢での成人扱いは初めてだが、未成人の家督相続は前例が無い訳ではない」
「それはそうですが……。ツァイス公爵だけ時期をずらす訳にはいかないのですか」
三年待って、晴れてアンネリース嬢が成人してからでいいじゃないか。
「そういう訳にはいかないんだ。お前も分かるだろう?新興国はヴォルムスからの脱却を民に示したい、その為には、現公爵は退かなくてはならない」
そう言いきられてしまうと、それ以上俺は何も言えない。確かに、旧体制から変わったところをアピールするのは有効だろう。元々、アールレスマイアー王家への民の不満はピークに達していた、旧王家を彷彿とさせる現公爵を表舞台に立たせておくのは得策じゃない。
「………分かりました」
俺は残りの書類に目を通し、父さんに返した。
「それと父さん」
「何だい」
書類が木の箱に丁寧に仕舞われるのを見ながら、俺はあの事を切り出した。
「父さんの目のことを教えて下さいませんか」
「目の………ことかい?」
俺が単刀直入にそう聞くと、無意識にだろう眼鏡を押し上げた父さん、その表情には焦りが浮かんでいた。
まさかこのタイミングで、俺が目の話を切り出すとは思っていなかったのだろう。
「……ヴィル、その話はまた今度にしよう。今夜はもう遅い、部屋に戻って休むといい」
「父さん!」
そう言ってはぐらかそうったってそうはいかないよ!
「ヴィル、何をそんなに焦っているかは分からないが、私に少し整理する時間をくれないか。この目のことは、私にとってあまりいい記憶ではないのだ」
そう言う、父さんの手は震えていた。
「分かりました………、では、今宵はこれで失礼致します」
その、常にない様子の父さんに、さすがに俺もそれ以上強く出れなかった。
「ああ、おやすみヴィル」
「おやすみなさい、父さん」
そしてあっという間に翌々日。
「ヴィルおはよう」
「ああ、おはようティナ」
俺とティナは朝の挨拶を交わしてすぐに着替えに連れて行かれ、それぞれ成人の盛装を着付けられた。
この盛装、盛るという字が入っている通り布の量がハンパない、つまり重い。
食事はほとんど喉を通らない俺とティナ。
周りでバタバタと仕度に追われる使用人達の必死の様相に俺たちも追われ、気がつくと正午の鐘が鳴った。
「ヴィクトール様、ティアナ様、皆が城門前に集まっております」
バルコニーに続く階段をゆっくり上がると近づいてくる喧騒。
それに呼応するように早まる俺の鼓動。
「ッ………」
バルコニーに足を踏み出すと、夏のような熱気に包まれた。
「ヴィクトール様!」
「ヴィル!!」
「ヴィル様ー!」
熱気と喧騒が俺たちの頬を撫でる。
ティナの手が俺の手に伸びて来て、控えめに握ってくると、俺はそっと握り返して顔を上げた。
「皆、まずは集まってくれたことに感謝する」
マイクもないのに、俺が口を開くと、喧騒が引いていく。
それは不思議な感覚だった。
「この度、ヴォルムス王国は解体に至った」
俺の声は高く通り、城門前に集まった皆の視線が集まる。
「ついては直ちに新興国を建国するものとし、私が大公として国を作っていく。新興国はドライゼ公国、此処、アウクスブルクが公都である」
早口にならないよう必死で気持ちを落ち着けて言葉を紡ぐ。
そして、最後に大きく息を吸って一際声を張り上げる。
「私は今此処に誓おう!皆の為尽力する国主となると!」
と、我ながら格好つけすぎたかと思ったのもつかの間、次の瞬間、鼓膜を震わせる歓声に包まれた。
「ッ………!」
皆に、歓迎されていると肌で感じ、泣きそうになるのを必死で堪える。
本当に、俺は皆の為になら公主としてやっていけると思った。
「ヴィクトール様、ご報告させて頂きたいのですが、よろしいでしょうか」
夕食後、エドガーがそう言ってきたのでティナには先に休んでいてくれるように言って、早速書斎に足を運んだ。
「ヴィル、あまり無理しないでね?」
「ありがとうティナ、報告を聞いたらすぐ休むよ」
ティナは心配そうにそう言いながら、俺とは反対方向に歩いていった。
「……」
うわぁ。
「どうかされましたか」
「………いや。何でもない」
書斎の扉を開けると、予想以上にえげつない量の書類が机に山積みになっていた。
俺は動揺を包み隠して椅子に腰掛け、エドガーの報告を聞きながら順番に書類に目を通していく。
「………第四区の開発、人口の増加に伴う食料と魔昌石の確保………移民の為の仮住居の建設………農地の拡張への補助金………鉱山の産出量………」
とうとうとお経の様に紡がれるエドガーの言葉を聞きながら予算書や工事報告に目を通していると、
コンコン
と、控えめに扉が叩かれた。
「どうぞ」
俺は一旦手を止めてノックに返答した。エドガーもピタリと報告を止めた。
「……失礼致します」
静かに扉を開けて入って来たのはハンスだった。
「お茶をお持ち致しました」
「そうか、ありがとうハンス。では少し休憩しようか」
「かしこまりました」
ハンスは銀のトレイに乗った二つのカップにそれぞれお茶を注ぎ、ひとつを俺の机にそっと置き、ひとつをエドガーに差し出した。
「どうぞ、エドガー様」
「恐縮です」
エドガーはサイドテーブルに一旦書類を戻すと、ソーサーに乗ったカップを受け取りそのまま口に運んだ。
俺も、ちょうどいい温度のお茶を一口。
あー、沁みるわー。
「……」
お茶を飲みながら俺はぎゅうぎゅうに詰め込まれた頭の中の情報を整理する。
第四区は二千年前からほとんど手付かず状態で、人口が急激に増えた今、居住区を増やす目的で開発をしているのはいい、アウクスブルクは無駄に土地だけはあるからな、有効活用しないと。
ただ、それにせよ、移住者対策にせよ、農地への補助金にせよ、莫大な予算がつぎ込まれている。
その予算の財源のほとんどを賄っているのが五年前にコール家の単独所有となったダルムシュタット鉱山からの収入だ。
ダルムシュタット鉱山は、五年前の婚約破棄の代償として王家から払い下げられた。
父さんがあのとき、何で俺とティナの婚約破棄に素直に応じたか、今なら分かる。
莫大な税収をもたらすダルムシュタット鉱山を単独所有し、王家の力を削ぎつつ、来るべき解体に備える資金源とする。そう考えたんだろう。
結果として、ティナは殿下との婚約を破棄され、俺と再び婚約した。
もし、今回のことも五年前のことも父さんにとっては想定の範囲内だったとしたら、俺たちは父さんの掌の上で踊らされたってことになるんだろうけど、もし、殿下が ティナを手放さないまま解体を迎えていたら、きっと俺は独り手を汚してでもティナを取り戻しただろう。
そして今度こそ、父さん達のやり方に失望したに違いない。
「ふう……。ごちそうさま」
「ありがとうございました」
「畏れ入ります」
俺たちがほぼ同時に飲み終わると、ハンスはカップを受け取り下がって行った。
「……」
それを見送り、再び書類に視線を戻す。
「エドガー、続きを頼む」
エドガーにそう促すが、言葉が返って来ない。
不思議に思って目線を上げると、エドガーはじっと俺を見つめて固まっていた。
「どうしたエドガー」
「……ヴィクトール様、今宵はここまでに致しましょう」
「なぜだ?」
「一度にこれだけの量の報告をお聞きになるのは無茶です。元々、二日間ほどに分けてご報告するつもりでしたし……。なにより、ヴィクトール様はお疲れのご様子とお見受けいたしましたので」
そう言われて、俺は肩の力が抜けた。
そりゃそうだ。
まだ父さんが到着するまでは時間がある。それまでにある程度領内の現状を把握しておければいいんだから、焦る必要はないよな。
「…………そうか、気遣いをすまない」
「畏れ入ります」
つか、本来俺の方からエドガーを気遣ってやらなくちゃなのに。
いくら住み込みだからって、あまり遅くまで拘束するのはよくない。
「では、今宵はこれまでとしよう、エドガーもゆっくり休んでくれ」
「御意」
俺は、執務室を出るや待ち構えていたクリフに浴場へ引っ立てられ、湯浴みをすませてから寝室の扉を開けると室内は明かりがついていて、ティナが椅子に腰掛けて本を読んでいた。
「あっ、ヴィル。お疲れさま」
「ティナ。起きて待っていてくれたのか」
「ええ、もちろん。ヴィルがお仕事をしているのに先に寝ている訳にはいかないわ」
ティナも湯浴みは済ませた後らしく、寝間着に上衣を羽織った格好だった。
「そんな…、気にしなくていいのに……。でも、待っていてくれてありがとう」
ああ、俺のティナは何でこんな可愛いんだろ。
思わず抱き締めると、ティナはそっと俺の背中に手を回してきた。
「おやすみティナ」
「おやすみなさい、ヴィル」
最早習慣になったおやすみの挨拶を交わし、寝台に横になった。
翌朝
久しぶりにスッキリ目が覚めた俺は朝食の前に運動をすることにした。
着替えた俺にティナも後から付いて来て、城の敷地の中にある訓練所にやってきた。
「おはようございます!ヴィクトール様!ティアナ様!」
「おはようございます!」
訓練所では、早朝から既に我が家の私兵達が模擬剣を振るっていた。
コール家はヒルシュ家やバルツァー家みたいに騎士団を抱えていないから、私兵を多く雇っている。
街門の門番から城の警備、街の治安維持まで全て私兵達の仕事だ。
今朝はこれから出勤する兵士達が仕度がてら準備運動をしているところだったようだ。
「丁度良かった。私も混ぜてくれないか、十日も馬車に揺られていたらすっかり鈍ってしまってな。お手柔らかに頼むぞ」
俺は平服の上から軽装の皮鎧を身につけ、木製の模擬剣を携えて訓練所の土を踏んだ。
「ッ!!」
ジャリ………
俺が木剣を構えた途端にピリつく空気。
いやいや、運動なんだからそんなピリピリしなくていいんだよ?
「お願いします!」
と、気合い十分で前に進み出て来たのは俺と変わらない位の若い兵士。
今年成人した新人かな?
「見ない顔だな。名は」
「クリストフ・ベルツと申します!」
ベルツって確か、東部の林業が盛んな子爵領の領主家だったか……。
子爵に限らず、貴族の家に生まれても、将来が約束されてるのは嫡子だけ。
それ以外の貴族の子弟は、成人すると自活の道を探るしかない。
そんな中でも人気の就職先が大貴族の私兵だ。
コール家が抱える私兵も、約半数が貴族の子弟だが、あと半数は元狩人や外国人など様々だ。
「ケヴィン班長のところの新人か?」
「はい、ヴィクトール様。今年成人したばかりのヒヨッ子ですんで、ビシッと厳しくやってください」
ちょっとちょっと。俺、鈍ってるって言ったよね。
ビシッとやってくれって言ったって………、はあ、無茶振りだなぁ。
「だ、そうだ。よろしく頼む」
「はい!お願いします!」
ティナも見てるし、あんまカッコ悪いところ見せられないなー。
なーんて思いながら剣を交えていると、
カンッ……!
「!」
ありゃ、おもいっきり木剣を弾いてしまった。
そんな、思いきりやってないよ?
カラン……!
弾かれた木剣が地面に落ちたと同時に、クリストフが膝をついた。
「ま、参りました……」
「どうだ!分かったかヴィクトール様の凄さが!」
膝をついて項垂れたクリストフに手を差しのべると、なぜかケヴィン班長がそう勝ち誇った様に言った。
聞けばクリストフは腕に覚えがあるということで鳴り物入りで仕官してきたそうだ。
確かに腕前はいいのだが、少々それを鼻にかけるところがあり、皆が俺の剣術を誉めるのが気に入らなかったらしく、自分の方が強いと言っていたそうだ。
そこへ俺がノコノコ現れたので、俺を負かすつもりで立ち会ってきて負かされたということらしい。
「俺はまだまだ未熟だったようです……」
うん、なんかごめんなさい。
でも俺も剣術は唯一の得意なことだから、簡単に負ける訳にはいかないんだよね。
「ヴィクトール様、ティアナ様、ご朝食の仕度が整いました」
「ああ、分かった。では皆、邪魔をしたな」
「ありがとうございましたヴィクトール様!」
いや、俺ホントに皆の邪魔しただけだからね?
と思いつつ、俺は朝食を食べに城に戻り、その日は午前中は来客の対応、午後はエドガーから領地の 報告を受けて過ごした。
そして、翌日の午。
「ヴィクトール様、お食事中失礼致ます。先触れが到着致しまして、今夜、旦那様がお帰りになられるとのことです」
ティナと昼食をとっていたら、ハンスがそう報告してきた。
「分かった。出迎えの仕度をしておいてくれ」
「かしこまりました」
俺は父さんの寝室と執務室、応接室の清掃も改めて頼み、バタバタと仕度を済ませた暮れの六刻半(夜七時)。
「お帰りなさい父さん」
「お帰りなさいませ、お義父様」
フード付きの外套を着て、馬で早掛けしてきたらしい父さんは、わずかな使用人と私兵と共に城に到着した。
「……ああ、ただいまヴィクトール、ティナちゃん」
すかさず駆け寄った城の使用人達に外套を脱いで預け、父さんはさすがに疲れた様子ではあったがそう返してくれた。
俺は城の使用人頭のトーマスに目配せした。
「旦那様、お湯浴みの仕度が整っております」
「あ、ああ」
父さんはそのまま風呂に行き、久しぶりに食事を共にした。
食事中、父さんはいつもなら会話をしながら食べるんだけど、難しい顔をしながら黙って黙々と食べていた。
食事のあと、腕が元に戻ったこととか色々話したいことはあったけど、さすがに今夜は父さんも疲れてるだろうと遠慮していたら、
「ヴィクトール様、旦那様がお呼びです」
と、呼ばれた。
湯浴みを済ませて、髪を乾かして貰っていた俺は、そのままでいい、と言うコンラートに付いて、寝間着に上衣を羽織っただけの格好で父さんの部屋に向かった。
「旦那様、ヴィクトール様をお連れしました」
「入りなさい」
「失礼致します」
コンラートに促されて部屋に入ると、父さんが椅子から立ち上がって出迎えてくれた。
「お呼びでしょうか、父さん」
後ろで扉が閉まる音を聞きながら、俺は父さんに近づいた。
「ああ、ヴィル。すまない、お前と話をしたくてね。さ、此方へ座りなさい」
そう言って勧められたソファに腰掛けると、向かいに腰掛けた父さんは俺の腕をじっと見たあと安堵のため息を吐いた。
「左腕は、元に戻ったようだね。よかった………」
そっと、俺の手をとり呻くようにそうこぼした父さん。俺はぎゅっと、その手を握り返した。
「ありがとう父さん、父さんが長命族の里へ導いてくれたおかげだよ」
そう言うと、父さんは頭を振った。
「そんなことは無いよ……。元はと言えばお前があんな大怪我をしたのは私のせいなのだから……」
「父さん………」
父さんは俺の手を離さず、険しい顔をしたままだ。
ぎゅっと、胸が苦しくなる。
俺は息を吐いて気を落ち着けた。
「……シメオン様にお会いしたのだろう?」
「はい。お祖父様にも、叔父上にもお会いしました」
「お祖父様……」
「お祖父様がそうお呼びしてよいと仰いまして……。叔父上も……」
俺がそう言うと、父さんは一瞬驚いた顔になったが、すぐにホッとした様な表情に変わり、
「そうか………、それほどまでに受け入れられたか……。良かった……」
「お祖父様は、いつでも歓迎してくださるとも仰って下さいました。それと、これを頂戴しました」
「……それは?」
父さんは俺の耳に光る伝声具に首を傾げた。
さすがに父さんはこれを見た事が無かったようで、これが声を伝える魔法具だと説明すると目を丸くしていた。
「それと……」
城の敷地内、母さんの墓の近くに移動拠点を設置したことを報告した。
「承諾も得ずに申し訳ござません……」
「いや……、構わない。そうか……、長命族の里と道が繋がったか………。ナディアも喜んでいることだろう」
感慨深そうに、そう呟いた父さん。
「…………父さん。母さんは……長命族だったのですね」
「…………そうだよ」
「なぜ……、今まで教えて下さらなかったのですか」
「………それが、ナディアの遺志だったからさ」
「母さんの遺志……ですか?」
母さんは、コール家の、特にお祖父様の俺に対する態度に、人族として暮らして行くには長命族との繋がりは枷にしかならないと判断し、十三年前、亡くなる直前に俺に魔法を掛け記憶をあやふやにしてしまったのだそうだ。
長命族の里で生まれたことや、長命族のことを。
「……ナディアはそういった細かな操作を得手としていてね……」
そうか……、だから母さんが亡くなる前の記憶が曖昧だったのか………。
「ナディアのことは、一部の使用人しか知らないこと、知っている者には口止めをしたが、お前が五つの時に薬学で流行り病を抑えた事に感銘を受け、お前を守ろうと自ら固く口を閉ざした」
父さんはそこまで話すと、いつの間にか置かれていたカップに口をつけた。
「……ところでヴィル。私からの書簡には目を通したかい?」
「はい」
「では、明後日の午、城門前バルコニーで建国宣言を行う、そのつもりで心づもりをしておきなさい。お前が、新興国の国主として民に語りかけるんだ」
「…………承知しました」
続けて父さんは、新興国の統治体制を記した書類を俺の前に差し出した。
俺は手漉き紙に書かれた最重要書類であるそれをそっと手にとり、一枚一枚ゆっくりとめくっていき、目を通していく。
その中に、気になる記述を見つけ、思わず手が止まった。
『現公爵家当主は大公の即位と同時にその位を時期当主ヘ譲るものとする』
という一文だ。
コール家は父さんが退くと同時に俺が大公に、ヒルシュ家はハルト兄様が次期公爵に、バルツァー家の次期当主はカルステン殿が継ぐだろう。
問題はツァイス家だ。
「父さん………」
「うん?何か気になる事があったかい」
「ツァイス公爵は、成人もしていないアンネリース嬢に家督を継がせるつもりなのですか……」
あの方はいい加減引退してもいいと思うが、いかんせんアンネリース嬢はまだ十三歳だ。しかも公爵位を継いでなおかつ新興国の中心に立たねばならない。
どんな罰ゲームだよ。
「特例だ。さすがにまだ学院に入学すらしていない年齢での成人扱いは初めてだが、未成人の家督相続は前例が無い訳ではない」
「それはそうですが……。ツァイス公爵だけ時期をずらす訳にはいかないのですか」
三年待って、晴れてアンネリース嬢が成人してからでいいじゃないか。
「そういう訳にはいかないんだ。お前も分かるだろう?新興国はヴォルムスからの脱却を民に示したい、その為には、現公爵は退かなくてはならない」
そう言いきられてしまうと、それ以上俺は何も言えない。確かに、旧体制から変わったところをアピールするのは有効だろう。元々、アールレスマイアー王家への民の不満はピークに達していた、旧王家を彷彿とさせる現公爵を表舞台に立たせておくのは得策じゃない。
「………分かりました」
俺は残りの書類に目を通し、父さんに返した。
「それと父さん」
「何だい」
書類が木の箱に丁寧に仕舞われるのを見ながら、俺はあの事を切り出した。
「父さんの目のことを教えて下さいませんか」
「目の………ことかい?」
俺が単刀直入にそう聞くと、無意識にだろう眼鏡を押し上げた父さん、その表情には焦りが浮かんでいた。
まさかこのタイミングで、俺が目の話を切り出すとは思っていなかったのだろう。
「……ヴィル、その話はまた今度にしよう。今夜はもう遅い、部屋に戻って休むといい」
「父さん!」
そう言ってはぐらかそうったってそうはいかないよ!
「ヴィル、何をそんなに焦っているかは分からないが、私に少し整理する時間をくれないか。この目のことは、私にとってあまりいい記憶ではないのだ」
そう言う、父さんの手は震えていた。
「分かりました………、では、今宵はこれで失礼致します」
その、常にない様子の父さんに、さすがに俺もそれ以上強く出れなかった。
「ああ、おやすみヴィル」
「おやすみなさい、父さん」
そしてあっという間に翌々日。
「ヴィルおはよう」
「ああ、おはようティナ」
俺とティナは朝の挨拶を交わしてすぐに着替えに連れて行かれ、それぞれ成人の盛装を着付けられた。
この盛装、盛るという字が入っている通り布の量がハンパない、つまり重い。
食事はほとんど喉を通らない俺とティナ。
周りでバタバタと仕度に追われる使用人達の必死の様相に俺たちも追われ、気がつくと正午の鐘が鳴った。
「ヴィクトール様、ティアナ様、皆が城門前に集まっております」
バルコニーに続く階段をゆっくり上がると近づいてくる喧騒。
それに呼応するように早まる俺の鼓動。
「ッ………」
バルコニーに足を踏み出すと、夏のような熱気に包まれた。
「ヴィクトール様!」
「ヴィル!!」
「ヴィル様ー!」
熱気と喧騒が俺たちの頬を撫でる。
ティナの手が俺の手に伸びて来て、控えめに握ってくると、俺はそっと握り返して顔を上げた。
「皆、まずは集まってくれたことに感謝する」
マイクもないのに、俺が口を開くと、喧騒が引いていく。
それは不思議な感覚だった。
「この度、ヴォルムス王国は解体に至った」
俺の声は高く通り、城門前に集まった皆の視線が集まる。
「ついては直ちに新興国を建国するものとし、私が大公として国を作っていく。新興国はドライゼ公国、此処、アウクスブルクが公都である」
早口にならないよう必死で気持ちを落ち着けて言葉を紡ぐ。
そして、最後に大きく息を吸って一際声を張り上げる。
「私は今此処に誓おう!皆の為尽力する国主となると!」
と、我ながら格好つけすぎたかと思ったのもつかの間、次の瞬間、鼓膜を震わせる歓声に包まれた。
「ッ………!」
皆に、歓迎されていると肌で感じ、泣きそうになるのを必死で堪える。
本当に、俺は皆の為になら公主としてやっていけると思った。
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