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第参話-話合

話合-8

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 翌朝、浅草署に建てられた捜査本部に訪れた長四郎。
「おはようございまぁ~すって、何でラモちゃんがいるんだよ!!」
 何食わぬ顔で捜査本部に居座る燐を見て、腰を抜かす。
「何、驚いているのよ。私がここに居たら不満かしら?」
 指をぽきぽきと鳴らしながら長四郎に一歩、一歩、処刑人の如く近づいて来る。
「いえ、そういう事はございませんが、学校は?」
「分ってないわね。私くらいのレベルになると、学校公認でサボれるのよ」
「さようでございますか」
 ドヤ顔を決める燐を見て、「また退学になるぞ」と口に出しそうになるのを長四郎はグッとこらえる。
「にしても人いませんね」
 捜査本部を見回し、長四郎は素直な感想を述べる。
「今は聞き込みで、出払ってますから」
 絢巡査長が現状説明をする。
 長四郎は「ふ~ん」と相槌を打ちながら、適当に開いている席に座る。
「それで、今日はどうするの?」
 早速、燐が今日のスケジュールを長四郎に確認するのだが、「一川さんは?」と燐の問いを無視し、この場に居ない一川警部の所在を訪ねる長四郎。
「ああ、まだ出勤して来てませんね」
 絢巡査長はいつもの事だと言わんばかりの表情で伝え、長四郎もまた「いつものね」といった感じで納得する。
「それで、今日は?」
 絢巡査長が長四郎の訪問理由を尋ねる。
「いや、昨日さ一川さんからこれに目を通すようにと言われてたから、感想を伝えに来たんだけど」
「ちょっと、待っててください」
 絢巡査長はすぐ様ノートPCを用意し、Wordを起動させる。
「お願いします」
「読んだ結果・・・・・・・・さっぱり、分からなかった」
 絢巡査長、燐はガクッと肩を落とす。
「あんた、真面目にやりなさいよ!」長四郎をしかる燐。
「そんな事言われてもなぁ。何にしても、情報量が少ないんだよ」
「絢さんが悪いって言うの?」
「そんなこと言ってねぇよ!!」
 面血を切りあう長四郎と燐。
「あのどのような情報が欲しいんでしょうか?」
 絢巡査長が具体的な指示を求める。
「え?」
 まさか、そんな質問が来るとは思っておらず長四郎は戸惑う。
「え? じゃないでしょう。早く答えなさいよ」燐が煽ってくる。
 長四郎は心の中で、自分がフリーザだったらデスビームでこの小娘を瞬〇してやるのにと思う。
「被害者の事件発生前の詳細な行動を知りたいというのがまず一つ。
次に、被害者の学校での評判が知りたいです。生徒、先生両方の評判。三つ目は、学校でこの被害者が所属していた部活動、委員会の情報が欲しいです」
「あのこの事件は内部犯の犯行と考えているんですか?」
「無差別だったら、この事件以外にも他の人間を殺しているでしょう。
仮にこれが一回目だとしたら、学校という場所は選ばない。
犯人が学校関係者でない限り。わざわざ部外者が学校に侵入して、被害者が死んだことを確認しには来ないでしょ。
それにこの事件と今回の事件しか、同じ毒物を使用された痕跡がないという事は。」
「つまりは、学校関係者ってこと!!」
 燐が意気揚々と犯人像を言い当てる。
「さっきからそう言ってるじゃん。アホか、お前」
 長四郎が言うと同時に燐は、卍固めを決める。
「では、関係者への聞き込み行ってきます」
 聞き込みに行こうとする絢巡査長を、卍固めを決められている長四郎が呼び止める。
「いや、絢ちゃんには別に頼みたい事が!」と。
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