49 / 770
第肆話-映画
映画-2
しおりを挟む
「で、お兄さんの情報を教えて」
鼻にティッシュを詰めた長四郎が再び、里奈に質問する。
因みに、長四郎が鼻にティッシュを詰めているのか。
それは、ぐりぐりのされすぎで鼻血を出してしまったからである。
本編に戻ろう。
「名前は、三玖瑠 恵一。24歳。会社員です」
「会社員ね。差し支えなければ勤務先を教えてくれる?」
「家徳帯株式会社の本社に勤めています」
「本社・・・・・・お兄さんの業務内容までは分からないよね?」
「すいません・・・・・・」
「いや、気にしないで。それで行方不明になったのが、一か月前だという事だけど。
その予兆というか。何かそういったものは無かった?」
「あり・・・・・・ませんでした」何か含みのある言い方をする里奈。
「それで、警察の見解とか聞いたりした?」
「いや特には・・・・・・やる気がない感じでした」
「何よ、それ。警察なら税金に見合った仕事しろって感じだよね」燐は腕を組み、ジジ臭い事を言う。
「そんなことはさておき、会社からは失踪前の行動とかは聞いた?」
「いいえ」
長四郎はそこから攻めてみようと思う。
「分かりました。じゃあ、何か分かり次第、連絡します」
「ありがとうございます。宜しくお願いします」
里奈は長四郎に一礼すると事務所を出る。
それに追随する長四郎。
「そこまで、送っていきますよ」
「いえ、そんな」
階段を降り玄関口を出ると、1台のバイクが止まっていた。
「これ、ハーレーダビッドソンXLH883だよね」
「はい、私のです」
バイクに跨りヘルメットを被りながら嬉しそうに答える。
「渋いバイクというか何というか。ワイルドだね」
長四郎はバイクをまじまじと見ていると、燐が後ろから叩いてくる。
「何、ジロジロ見てるのよ」
「バイクを見ていただけじゃん!!」
「噓!! 絶対、里奈の足、見てた!!!」
里奈は咄嗟に手で足を隠す。
「ラモちゃん、自分が大根足だからって、やっかんで突っかかってくんなよな」
「んだと!? コノヤロー!!」
長四郎を締め上げる燐。
「くっ、苦しい!!!」
燐の手をタップしていると、里奈が話しかけてくる。
「もう行っても良い? これからバラエティの仕事なんだけど」
「ああ、ごめんね。引き留めちゃって。また、明日ね」
「うん、また明日」
里奈は燐にそう言うとバイクを走らせ仕事現場に向かった。
「よしっ、私達は調査開始よ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
反応のない長四郎を見ると、締め上げられたままの長四郎は泡を吹き白眼を向いて気絶している。
「えっ!! 噓っ!!」
燐は慌てて長四郎の頬を叩き、目を覚まさせようとするが、反応しない長四郎。
「どうしよう。しっかり、しっかり!!」
燐はそこから、必死に長四郎を起こそうとするのだった。
翌日、長四郎は1人、恵一の勤務先の家徳帯株式会社の本社ビルを訪れていた。
一回、受付ロビーで受付を済ませ担当者が来るまで近くのソファーに腰かけていると同僚の小早川が長四郎の応対をしに来た。
「あの探偵さんですか?」
「あ、はい。私、熱海探偵事務所の熱海長四郎と申します」
長四郎は名刺を渡すと、小早川も自分の名刺を差し出す。
「小早川さん。本日、こちらに伺ったのはですね」
「三玖瑠の事ですよね」
「はい、何か失踪の手掛かりが得られないかなと思いましてね」
「はぁ」
「どうでしょう。知っている範囲でお答え頂きたいのですが・・・・・・」
「そう言われましてもね。私も知っている事なんて何一つありません。突然のことで、戸惑っているんですから」
「そうですか。では、答えにくい質問を。仕事上でトラブルになっていたりとかしていませんか?」
「それは無いです。社内外、あんなに評判の良い奴いませんよ」
小早川の発言に噓はないと感じる長四郎。
「あの差し支えなければ、失踪当日の三玖瑠さんの行動を覚えている範囲で教えて頂けますか?」
「ちょっと、待ってくださいね」
小早川は、スマホのスケジュール帳を確認する。
「ありました。ありました」
「失礼します」
長四郎は失踪の当日のスケジュールを見せてもらう。
三玖瑠恵一の失踪当日の行動は次のようなものであった。
午前8時に出社。
午前8時半の始業から午後12時まで事務処理を行う。
昼休憩を挟み外回りに出かけた。
廻った取引先は、2社。
株式会社マットとCAT株式会社の2社。
2件目のCAT株式会社の打ち合わせが終了後、恵一はそのまま直帰したとの事だ。
「御社は、他の社員スケジュールも見れるようになっているんですか?」
「はい。でも、これの通りに動くわけではないんですし、殆どの社員は使っていませんしね」
「という事は、三玖瑠さんはこれを使われていたと」
「そうですね。アクシデントが無ければ彼はこの通りに動きますから」
「凄いですね」
「ええ、本当に」
「大変、参考になりました。お忙しい中ありがとうございました」
「いえ、あの・・・・・・」
「何でしょう?」
「必ず三玖瑠を見つけてください。彼は、この会社に居なくてはいけない人間なんです。
後、私の仕事が増えるんでね」
「分かりました。ベストを尽くします」
「宜しくお願い致します」
小早川は長四郎に深々と頭を下げる。
長四郎は家徳帯株式会社を出たその足で、失踪人が訪れたとされる株式会社マットとCAT株式会社へと向かった。
その2社からも良い情報は引き出せなかった。
そして、話を聞いた恵一の担当者達は、事件に関わっているとは思えなかった。
長四郎はそこで、失踪届を受理した本職に頼ろうと思い立ちすぐ様、電話を掛ける。
「もしもし、一川さんですか? 協力してもらい事がありまして」
「そりゃあ、こっちのセリフばい。
ちょっと、話を聞いてもらえる?」
「分かりました。どちらに向かえば宜しいですか?」
「その心配はいらんと思うけど」
「え?」
長四郎の肩がポンポンと叩かれ、振り返ると絢巡査長が立っていた。
「また折り返しまぁ~す」
「吉報を待っとるけんねぇ~」
そこで一川警部との通話は終了し、絢巡査長について行く長四郎であった。
鼻にティッシュを詰めた長四郎が再び、里奈に質問する。
因みに、長四郎が鼻にティッシュを詰めているのか。
それは、ぐりぐりのされすぎで鼻血を出してしまったからである。
本編に戻ろう。
「名前は、三玖瑠 恵一。24歳。会社員です」
「会社員ね。差し支えなければ勤務先を教えてくれる?」
「家徳帯株式会社の本社に勤めています」
「本社・・・・・・お兄さんの業務内容までは分からないよね?」
「すいません・・・・・・」
「いや、気にしないで。それで行方不明になったのが、一か月前だという事だけど。
その予兆というか。何かそういったものは無かった?」
「あり・・・・・・ませんでした」何か含みのある言い方をする里奈。
「それで、警察の見解とか聞いたりした?」
「いや特には・・・・・・やる気がない感じでした」
「何よ、それ。警察なら税金に見合った仕事しろって感じだよね」燐は腕を組み、ジジ臭い事を言う。
「そんなことはさておき、会社からは失踪前の行動とかは聞いた?」
「いいえ」
長四郎はそこから攻めてみようと思う。
「分かりました。じゃあ、何か分かり次第、連絡します」
「ありがとうございます。宜しくお願いします」
里奈は長四郎に一礼すると事務所を出る。
それに追随する長四郎。
「そこまで、送っていきますよ」
「いえ、そんな」
階段を降り玄関口を出ると、1台のバイクが止まっていた。
「これ、ハーレーダビッドソンXLH883だよね」
「はい、私のです」
バイクに跨りヘルメットを被りながら嬉しそうに答える。
「渋いバイクというか何というか。ワイルドだね」
長四郎はバイクをまじまじと見ていると、燐が後ろから叩いてくる。
「何、ジロジロ見てるのよ」
「バイクを見ていただけじゃん!!」
「噓!! 絶対、里奈の足、見てた!!!」
里奈は咄嗟に手で足を隠す。
「ラモちゃん、自分が大根足だからって、やっかんで突っかかってくんなよな」
「んだと!? コノヤロー!!」
長四郎を締め上げる燐。
「くっ、苦しい!!!」
燐の手をタップしていると、里奈が話しかけてくる。
「もう行っても良い? これからバラエティの仕事なんだけど」
「ああ、ごめんね。引き留めちゃって。また、明日ね」
「うん、また明日」
里奈は燐にそう言うとバイクを走らせ仕事現場に向かった。
「よしっ、私達は調査開始よ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
反応のない長四郎を見ると、締め上げられたままの長四郎は泡を吹き白眼を向いて気絶している。
「えっ!! 噓っ!!」
燐は慌てて長四郎の頬を叩き、目を覚まさせようとするが、反応しない長四郎。
「どうしよう。しっかり、しっかり!!」
燐はそこから、必死に長四郎を起こそうとするのだった。
翌日、長四郎は1人、恵一の勤務先の家徳帯株式会社の本社ビルを訪れていた。
一回、受付ロビーで受付を済ませ担当者が来るまで近くのソファーに腰かけていると同僚の小早川が長四郎の応対をしに来た。
「あの探偵さんですか?」
「あ、はい。私、熱海探偵事務所の熱海長四郎と申します」
長四郎は名刺を渡すと、小早川も自分の名刺を差し出す。
「小早川さん。本日、こちらに伺ったのはですね」
「三玖瑠の事ですよね」
「はい、何か失踪の手掛かりが得られないかなと思いましてね」
「はぁ」
「どうでしょう。知っている範囲でお答え頂きたいのですが・・・・・・」
「そう言われましてもね。私も知っている事なんて何一つありません。突然のことで、戸惑っているんですから」
「そうですか。では、答えにくい質問を。仕事上でトラブルになっていたりとかしていませんか?」
「それは無いです。社内外、あんなに評判の良い奴いませんよ」
小早川の発言に噓はないと感じる長四郎。
「あの差し支えなければ、失踪当日の三玖瑠さんの行動を覚えている範囲で教えて頂けますか?」
「ちょっと、待ってくださいね」
小早川は、スマホのスケジュール帳を確認する。
「ありました。ありました」
「失礼します」
長四郎は失踪の当日のスケジュールを見せてもらう。
三玖瑠恵一の失踪当日の行動は次のようなものであった。
午前8時に出社。
午前8時半の始業から午後12時まで事務処理を行う。
昼休憩を挟み外回りに出かけた。
廻った取引先は、2社。
株式会社マットとCAT株式会社の2社。
2件目のCAT株式会社の打ち合わせが終了後、恵一はそのまま直帰したとの事だ。
「御社は、他の社員スケジュールも見れるようになっているんですか?」
「はい。でも、これの通りに動くわけではないんですし、殆どの社員は使っていませんしね」
「という事は、三玖瑠さんはこれを使われていたと」
「そうですね。アクシデントが無ければ彼はこの通りに動きますから」
「凄いですね」
「ええ、本当に」
「大変、参考になりました。お忙しい中ありがとうございました」
「いえ、あの・・・・・・」
「何でしょう?」
「必ず三玖瑠を見つけてください。彼は、この会社に居なくてはいけない人間なんです。
後、私の仕事が増えるんでね」
「分かりました。ベストを尽くします」
「宜しくお願い致します」
小早川は長四郎に深々と頭を下げる。
長四郎は家徳帯株式会社を出たその足で、失踪人が訪れたとされる株式会社マットとCAT株式会社へと向かった。
その2社からも良い情報は引き出せなかった。
そして、話を聞いた恵一の担当者達は、事件に関わっているとは思えなかった。
長四郎はそこで、失踪届を受理した本職に頼ろうと思い立ちすぐ様、電話を掛ける。
「もしもし、一川さんですか? 協力してもらい事がありまして」
「そりゃあ、こっちのセリフばい。
ちょっと、話を聞いてもらえる?」
「分かりました。どちらに向かえば宜しいですか?」
「その心配はいらんと思うけど」
「え?」
長四郎の肩がポンポンと叩かれ、振り返ると絢巡査長が立っていた。
「また折り返しまぁ~す」
「吉報を待っとるけんねぇ~」
そこで一川警部との通話は終了し、絢巡査長について行く長四郎であった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる