探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

文字の大きさ
194 / 770
第拾弐話-監禁

監禁-5

しおりを挟む
「遅いねぇ~絢さん達」
 燐はそう言いながら、カフェオレを飲む。
 長四郎と燐は絢巡査長から話があると言われ、喫茶カラフルで落ち合う事になった。
「そうだな」と素っ気ない返事をし、窓の向こうの景色を見る。
「何なんだろうね。話があるって」
「さぁ、なんだろうなぁ~」
 長四郎は本棚から取ってきたクッキングパパ第三巻を読み始める。
「おっ、これ今度、作ってみよう」長四郎はクッキングパパに載っている料理を見てスマホのメモにレシピを打ち込んでいく。
「そんな事している場合じゃないでしょ。一川さんを助ける事、考えないと」
「そだねー」
「あんた、一川さんが死んでもいいの?」
「そんな訳じゃない」と答えながら、長四郎はクッキングパパ第三巻を読み続ける。
「そんな態度で言われても説得力ないんだけど」
「そうですか」
 それからも燐の罵声を浴びながら、絢巡査長達の到着を待つ。
 15分後、絢巡査長が店に姿を現すと長四郎は燐に絞め上げられている最中であった。
「あ、絢ちゃん。助けて」
 店に入ってきた絢巡査長を見つけた長四郎は、そこで息絶えるのであった。
「あーあ、長さん。死んじゃった」
 燐にそう話しかけながら、絢巡査長は隣に座るのだった。
「それで、何か分かったんですか?」
「分かったというより、こいつが臭う。そう言った奴を見つけたそういった感じかな」
「臭う? ですか?」
「そ、臭う。マスター。私、ナポリタンとクリームソーダ!!」
 カウンターに居るマスターに注文をした絢巡査長は本題に入る為、二重格人の事件資料をバックから取り出す。
「この事件の犯人が、今回の事件の犯人だという事ですか?」
「私の勘は、そう言っている」
「ふ~ん、勘かぁ」
 捜査資料をペラペラと捲りながら、長四郎は発言する。
「そうです。勘です」絢巡査長は自信満々に答える。
「それで、この二重の主治医から話は聞いてきたの?」
「あっ、はい。でも、どうしてそれを?」
「探偵の勘」長四郎はそう答えて、手を差し出して絢巡査長に話を続けるよう促す。
「二重の主治医の話だと二重の症状は寛解の方向に向かっているとの事で、別人格が発動して事件を起こすことはないと断言されました」
「じゃあ、その医者の言う通りじゃない?」
 長四郎はそう言いながら、捜査資料を絢巡査長に返す。
「そうでしょうか」食い下がる絢巡査長に同意するように燐もまた「私もその医者の言う事を素直には信じられないんだけど」と発言した。
 長四郎は逆らってはいけないと思いすぐさま「はい。あなた方の仰る通りです」と同調するのであった。
 きぃぃぃぃぃ
 薄暗い部屋に錆びついたドアが開く音が響き渡る。
「おっ、久しぶりやね」
 一川警部は部屋に入ってきた黒ずくめの男にそう話しかける。
「ふっ、こんな環境に身を置いていると時間の感覚がなくなるんだな。なぁ、一川!!」
 黒ずくめの男はそう言うや否や、一川警部の鳩尾に拳を叩きこむ。
「グボッ!!!」
 拳が上手いこと入ったらしく、一川警部は悶絶する。
「効いたみたいで、嬉しいよ」
「あんた、変態の極みやね」
 一川警部は黒ずくめの男を睨む。
「驚いたなぁ~まだ、反抗する気力があるとは」黒ずくめの男は感心しながら、今度は顔面を殴りつける。
「痛たたたた」
「俺が受けた痛みはこんなもんじゃないからな」
「そんな事、あたしには関係ないと」
「何んだとっ!!」
 男は一川警部をタコ殴りにする。
「はぁはぁ」男は息を切らしながら一川警部の状態を確認すると、ぐったりとし意識を失っていた。
「息はしているな。危うく殺すところだった」
 男は安堵し一川警部のスマホを自分のポケットを取り出して、一川警部の指を使い指紋認証のロック解除し通話履歴から絢巡査長の番号を検索し、通話ボタンを押す。
「もしもし」
 繋がって最初に声を出したのは、絢巡査長だった。
「絢巡査長ですか?」
「はい。貴方は?」
「そうだなぁ~Mr.UZAKAWAとでもしておきましょうか?」
「Mr.UZAKAWAって、ふざけてるの? 早く一川さんを解放しなさい」
 その絢巡査長の言葉を聞いて、長四郎は「解放しろって言って、馬鹿正直に開放する奴なんているかよ」そう呟くと燐に小突かれる。
「それは無理な相談だ。それより早く一川の場所を特定しないとこいつの身体が粉微塵に吹き飛ぶぞ」
「何が目的なの?」
「目的? それは秘密だ」
「貴方ねぇ~真面目に答えなさいよ」絢巡査長が苛立っている事を察した長四郎はスマホを取り上げ、通話を代わる。
「しもしも。お電話変わりましたぁ~探偵のアタミンだお。あげぽよぉ~」
 UZAKAWAは軽いノリで電話に出る長四郎に肩透かしを喰らう。
「どうも、一川と懇意にしている探偵ですね。では、これからゲームを進める為のミッションに挑戦してもらいます」
「ミッションね。りょ」
 長四郎はギャル語で返事をするのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

処理中です...