206 / 770
第拾弐話-監禁
監禁-17
しおりを挟む
「ふっ、はははははっははははは」
表裏は勝ち誇ったように高笑いし、二重もまた歓喜のあまり涙する。
「・・・・・・」
絢巡査長は頭をがっくりと落とし、だんまりを決め込んでいる。
「刑事さん。何も言えないくらい悲しいですよね?」
二重は涙を拭きながら、絢巡査長に話し掛ける。
「ええ、とても悲しいです。貴方達がさっさと自首してくれたら」絢巡査長は顔を上げて、貴方をキッと二人を睨みつける。
「おいおい。この期に及んで負け犬の遠吠えとは、威勢の良い刑事さんですね」
「それはどうも」
表裏の皮肉に怯むことなく、絢巡査長は冷静に返答する。
「先生。この刑事さんショックのあまりおかしくなったんじゃないんですかね?」
「二重さんの仰る通りかもしれません。もし、良かったら今この場で診察してあげましょうか?」
「お願いします。出来れば場所はここではなく監禁場所でお願いしたいのですが」
唐突な絢巡査長の願いを聞いた二重と表裏は、意味が分からず互いの顔を見て首を傾げる。
「分かりました。良いでしょう」表裏はその旨を了承し、3人は場所を移すことになった。
こうして、一川警部が監禁されていた場所へと訪れた二重と表裏は驚きの表示を見せた。
「一体、どういう事だ!!」
最初に口を開いたのは、爆弾を起動させた二重だった。
そう監禁場所は爆発などしておらず、無傷のまま建っていたのだ。
「良いですね。その反応」
慌てふためく二重と表裏にそう声を掛けながら、長四郎が近づいてくる。
「先程はどうも。絢ちゃんとの会話は全て聞かせて貰いました。あっさり認めたので少々驚きました」
「そんなことはどうでも良いんだよ! ここで監禁した刑事はどうした?」
「今、病院に行っていますよ。助け出した時は大変でした。貴方達を殺しに行きそうな勢いだったので」
遠い目をしながら、長四郎は助け出した時の事を語り始めた。
燐から教えられた住所に着いた長四郎は、齋藤刑事のように倉庫に侵入し一川警部が監禁されている部屋を特定した。
長四郎は部屋に入る前に、燐に連絡した「一川警部を確認」とだけ。
「よしっ! 良いわよ」
燐にそう言われた助っ人の地牛が、打ち込んだハッキングコードを起動させる。
地牛がどのような人物か知りたい方は、「探偵は女子高生と共にやって来る。」第玖話-オニをお確かめください。By作者
では、話に戻ろう。
起動させたハッキングコードの中身は、表裏と二重の端末に疑似映像を流すというものであった。
監視カメラが設置されている場所の直近、20分の映像を録画しそれをループで流す。
一川警部を救出するのには充分な時間稼ぎであった。
燐からハッキング完了の知らせを貰った長四郎は部屋に入って行った。
「一川さん、お待たせしました」一川警部の下に駆け寄り、紐を解く長四郎。
「遅いよ。長さん」
「すいません。立てますか?」
「いや、肩を貸してくれんね」
「はい」
長四郎は一川警部に肩を貸し、体を支える為肋骨辺りを触った瞬間、「痛たたたたたた」と声を上げ悶絶する一川警部。
「肋骨やられているみたいですね」
長四郎はすぐさま脇腹に手を置き、その場から離れ倉庫の玄関口まで移動して齋藤刑事が手配した救急車と爆弾処理班の到着を待つ。
「やっぱり、長さんはあれに気づいてここを突き止めたっちゃろ」
「ええ、まぁ。助っ人の力は借りましたけど」
一川警部の言うあれとは、燐がキモいと発言した一川警部のカメラ一点見つめのことである。
長四郎はその行為が近くの建物を瞳が反射して映していると察し、その解析が出来る人物として地牛を事務所に向かわせ画像解析と疑似映像を流せるようハッキングの依頼をしたのだ。
「あいつらどうしてくれようかなぁ~」
指をボキボキと鳴らしながら、一川警部は気合を入れていると長四郎に「昔の刑事ドラマのように犯人をボコっちゃいけませんよ」と諭される。
「分かっとうよ」少し寂しそうに返事する一川警部であった。
「と以上のような事がありましてね。惜しかった」
長四郎の解説を聞き終えた表裏が質問する。
「どうして、一川の監禁映像を見せた時に発信場所を探そうとしなかった?」
「それはお宅らだってバカじゃないと思っていますから。どうせ海外のサーバーを経由して特定困難にしているのは分っていたので、無駄な労力はかけたくなかったという回答でも宜しいか? 先生」
「あの爆発映像は、どうしたんだ?」今度は、二重が聞いてきた。
「あれはフェイク映像に決まっているでしょう。爆弾処理班の解体作業に時間がかからなかったのが幸いだった。絢ちゃん、乗り込むタイミング、へたり込むタイミング両方ともバッチリだったぜ」
爆弾は5分もかからず解体され、それに合わせ長四郎は自分と通話をしながら病院に乗り込むように指示を出し、これまた爆発映像に合わせて絢巡査長は長四郎の指示のもと、へたり込んだのだ。
「ありがとうございます」
サムズアップする長四郎に絢巡査長もまたサムズアップしながら返す。
「そんな・・・・・・俺達の計画は何だったんだ」
今度は二重がその場にへたり込んだ。
「そういう事は、留置場でやってください」
絢巡査長は手錠を取り出し、二重の手に掛けるのだった。
表裏も同様に物陰に隠れて話を聞いていた齋藤刑事の手で御用になった。
表裏は勝ち誇ったように高笑いし、二重もまた歓喜のあまり涙する。
「・・・・・・」
絢巡査長は頭をがっくりと落とし、だんまりを決め込んでいる。
「刑事さん。何も言えないくらい悲しいですよね?」
二重は涙を拭きながら、絢巡査長に話し掛ける。
「ええ、とても悲しいです。貴方達がさっさと自首してくれたら」絢巡査長は顔を上げて、貴方をキッと二人を睨みつける。
「おいおい。この期に及んで負け犬の遠吠えとは、威勢の良い刑事さんですね」
「それはどうも」
表裏の皮肉に怯むことなく、絢巡査長は冷静に返答する。
「先生。この刑事さんショックのあまりおかしくなったんじゃないんですかね?」
「二重さんの仰る通りかもしれません。もし、良かったら今この場で診察してあげましょうか?」
「お願いします。出来れば場所はここではなく監禁場所でお願いしたいのですが」
唐突な絢巡査長の願いを聞いた二重と表裏は、意味が分からず互いの顔を見て首を傾げる。
「分かりました。良いでしょう」表裏はその旨を了承し、3人は場所を移すことになった。
こうして、一川警部が監禁されていた場所へと訪れた二重と表裏は驚きの表示を見せた。
「一体、どういう事だ!!」
最初に口を開いたのは、爆弾を起動させた二重だった。
そう監禁場所は爆発などしておらず、無傷のまま建っていたのだ。
「良いですね。その反応」
慌てふためく二重と表裏にそう声を掛けながら、長四郎が近づいてくる。
「先程はどうも。絢ちゃんとの会話は全て聞かせて貰いました。あっさり認めたので少々驚きました」
「そんなことはどうでも良いんだよ! ここで監禁した刑事はどうした?」
「今、病院に行っていますよ。助け出した時は大変でした。貴方達を殺しに行きそうな勢いだったので」
遠い目をしながら、長四郎は助け出した時の事を語り始めた。
燐から教えられた住所に着いた長四郎は、齋藤刑事のように倉庫に侵入し一川警部が監禁されている部屋を特定した。
長四郎は部屋に入る前に、燐に連絡した「一川警部を確認」とだけ。
「よしっ! 良いわよ」
燐にそう言われた助っ人の地牛が、打ち込んだハッキングコードを起動させる。
地牛がどのような人物か知りたい方は、「探偵は女子高生と共にやって来る。」第玖話-オニをお確かめください。By作者
では、話に戻ろう。
起動させたハッキングコードの中身は、表裏と二重の端末に疑似映像を流すというものであった。
監視カメラが設置されている場所の直近、20分の映像を録画しそれをループで流す。
一川警部を救出するのには充分な時間稼ぎであった。
燐からハッキング完了の知らせを貰った長四郎は部屋に入って行った。
「一川さん、お待たせしました」一川警部の下に駆け寄り、紐を解く長四郎。
「遅いよ。長さん」
「すいません。立てますか?」
「いや、肩を貸してくれんね」
「はい」
長四郎は一川警部に肩を貸し、体を支える為肋骨辺りを触った瞬間、「痛たたたたたた」と声を上げ悶絶する一川警部。
「肋骨やられているみたいですね」
長四郎はすぐさま脇腹に手を置き、その場から離れ倉庫の玄関口まで移動して齋藤刑事が手配した救急車と爆弾処理班の到着を待つ。
「やっぱり、長さんはあれに気づいてここを突き止めたっちゃろ」
「ええ、まぁ。助っ人の力は借りましたけど」
一川警部の言うあれとは、燐がキモいと発言した一川警部のカメラ一点見つめのことである。
長四郎はその行為が近くの建物を瞳が反射して映していると察し、その解析が出来る人物として地牛を事務所に向かわせ画像解析と疑似映像を流せるようハッキングの依頼をしたのだ。
「あいつらどうしてくれようかなぁ~」
指をボキボキと鳴らしながら、一川警部は気合を入れていると長四郎に「昔の刑事ドラマのように犯人をボコっちゃいけませんよ」と諭される。
「分かっとうよ」少し寂しそうに返事する一川警部であった。
「と以上のような事がありましてね。惜しかった」
長四郎の解説を聞き終えた表裏が質問する。
「どうして、一川の監禁映像を見せた時に発信場所を探そうとしなかった?」
「それはお宅らだってバカじゃないと思っていますから。どうせ海外のサーバーを経由して特定困難にしているのは分っていたので、無駄な労力はかけたくなかったという回答でも宜しいか? 先生」
「あの爆発映像は、どうしたんだ?」今度は、二重が聞いてきた。
「あれはフェイク映像に決まっているでしょう。爆弾処理班の解体作業に時間がかからなかったのが幸いだった。絢ちゃん、乗り込むタイミング、へたり込むタイミング両方ともバッチリだったぜ」
爆弾は5分もかからず解体され、それに合わせ長四郎は自分と通話をしながら病院に乗り込むように指示を出し、これまた爆発映像に合わせて絢巡査長は長四郎の指示のもと、へたり込んだのだ。
「ありがとうございます」
サムズアップする長四郎に絢巡査長もまたサムズアップしながら返す。
「そんな・・・・・・俺達の計画は何だったんだ」
今度は二重がその場にへたり込んだ。
「そういう事は、留置場でやってください」
絢巡査長は手錠を取り出し、二重の手に掛けるのだった。
表裏も同様に物陰に隠れて話を聞いていた齋藤刑事の手で御用になった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる