探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第拾漆話-彼氏

彼氏-5

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 燐はリリの事が気掛かりで仕方なかった。
 その日のリリは心ここに非ずといった感じで、ぼぉーっとしており体育の時なんか飛んできたバレーボールに気づかず、燐がカットに入らなければ顔面に直撃していた。
 そして、数学の授業の今も廊下側の席からリリは窓の向こうを眺めている。
「あいつ、相当やられているな」燐は窓側の席からリリを見ていると「羅猛さん、ここの問題を解いてください」数学教師に問題を答えるよう促される。
「はい、分かりました」
 燐は黒板の前に移動し、サササッと黒板に板書して自席に戻っていく。
「正解です」席に戻る燐を見て少し悔しそうな顔を浮かべる数学教師。
 席に座り、再びリリに視線を戻すと相変わらず窓の向こうを眺めていた。
「ダメだなこりゃ。せんせぇ~」
 燐が挙手すると「どうしたんですか? 羅猛さん」と用件を聞いてくる。
「具合が悪いので、早退させてくださぁ~い」
「分かりました。どうぞ」
 数学教師的はあっさりと早退を認めると、燐はそそくさと帰る身支度を済ませそのまま早退した。
 その頃、長四郎は一川警部と共に日向の自宅マンションへと来ていた。日向の住むマンションは一人暮らしには不釣り合いな2LDKの部屋が大多数を占めるマンションであった。
「ここ家賃高いでしょう。恵比寿だし」
「あたしもそう思うばい」
 一川警部は長四郎の発言に賛同し、マンションをまじまじと眺める。
「一川さん」マンションから出てきた絢巡査長が声を掛けてくる。
「お、絢ちゃん。どうやった?」
「不在でした。それより、どうして長さんが?」
「実はここの住人の素行調査をしとるらしくって」
「そうなの。だから、気にしないで」と長四郎が言うと「分かりました。それで、事件について何か聞きましたか?」絢巡査長はそう質問してきた。
「車中で、一川さんから一通り話は聞いたけど」
「そうですか。私達は、ここの住人が容疑者の筆頭候補だと疑っているんですけど」
「へぇ~そうなんだ。俺、事件解決する気ないからごめんな」
「そうなんですか。てっきり、いつも通りに解決してくれるのかと」
「えっ、長さん。事件解決に協力してくれるんやないと?」
「一川さん、彼の素行調査をするって言っただけで、そこから得た情報からアドバイスしようかと思ってただけなんすけど」
「一川さん!」
 どうして、やる気のない長四郎を連れて来たんだと言わんばかりに一川警部の腕を叩く絢巡査長。
「面目ない」ペチペチと頭を叩きながら一川警部は謝罪する。
「そんなことより、居ないとなると素行調査所じゃないな」困った顔をする長四郎。
「何か彼の居場所の手掛かりになりそうな物ないですかね」絢巡査長がそう言うと「あ、そうだ」と何かを思い出した長四郎はスマホを取りだしてTwitterアプリを開く。
 そこで、受けてもいない授業の感想ツイートをしていた日向のアカウントを確認する。
 しかし、授業の感想ツイートで更新は止まっていた。
「ここはダメ。という事はだ」
 今度はインスタアプリを開き、ストーリーを確認する。
「ターゲット発見ぅ~」
 長四郎のその発言を聞き、命捜班の2人は顔をくっつけて長四郎が持つスマホの画面を確認する。
 そこには、大学近くのスタバで休憩の文字と共にグラスの写真がアップロードされていた。
「場所はどこかなぁ~」
 長四郎は写真に添付されている位置情報を確認し、日向の居場所を確認する。
「近所じゃねぇじゃん」
 日向の現在地と思われる場所は、今いる場所から100m先のスタバであった。因みに、大学の場所は新宿区にあるのだ。
「近くだし、歩いていきますか?」絢巡査長の提案に長四郎は手を挙げて制し「ここからは俺一人で行く。一川さん達は、被害者がこの日向って奴との関係を周囲の人間から聴取しといてください」と告げた。
「分かった。じゃあ、宜しく頼むばい」
 一川警部は絢巡査長と共に聴取しに向かい、長四郎は日向が居るとされる場所へと向かった。
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