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第拾漆話-彼氏
彼氏-4
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長四郎はリリの彼氏、日向悠真の素行調査を開始していた。
取り敢えず、阿保田大学の青山キャンパスに潜入した長四郎。
だが、目的の日向悠真の姿は見当たらなく少し困り果てていた。一応、Twitterには「講義だりぃ~」と呟いていたので大学に来ては見たもののその姿はなかった。
「参ったなぁ~」
学食で珈琲を飲みながら、日向のTwitterで動向を追っていた。
大学に居ないということは、バイト先や自宅に居ると思われるのだが調べる算段が少ない。コンプライアンスが厳しくなっていく昨今、大学側がすんなりと在学生の住所を教えてくれる訳もなくSNSにもアルバイトについて触れられる事もなく情報があまりにも乏しかった。
そうして、長四郎が思案している間も日向のTwitterは更新されていく。
呟く内容は、講義への愚痴ばかりであった。
「こいつ、誰に対して嘘ツイートしてるんだ? ○○ちゃんかよ」
そう独り言を言いながら、日向のツイートを見ていく。
約45分後、授業を終えたであろう学生達が学食へとやって来た。そのタイミングで、日向のツイートも「講義終わったぁ~ハゲ教授お疲れ様ぁ~」とツイートしていた。
「はい。嘘ツイートお疲れ様でした」
長四郎はコーヒーを飲み干し、学食から立ち去ろうとすると、窓の向こうに見かけたことのあるスキンヘッド頭をした中年男性が通り過ぎて行ったのを見逃さなかった。
そのスキンヘッドの男こと一川警部は、大学の事務室で聞き込みを行っていた。
「この学生さんの連絡先を教えて頂きたいんですが?」
事務員のお姉さん(推定年齢50歳)に日向の連絡先を聞き出そうとする。
「この人は、うちの生徒でしょうか?」
「はい。現役の生徒さんやと思うんですけど」
「はぁ、上司に確認してきますね」
「お願いします」
事務員のお姉さんは奥に引っ込み上司に確認を取りに行く。
1分も絶たないうちに戻ってきて、「すいません。この学生が何か犯罪行為を起こしたんでしょうか?」
「いえ、そんなことは。事件に巻き込まれてるかもしれなくてですね。それで、確認の為に教えて頂来たかとです」
「分かりました。調べてきますので、少々お待ちください」
「はい」
それから数分の後、再び戻ってきた事務員のお姉さんは一川警部に日向の連絡先を伝えた。
「ありがとうございます」
意気揚々と事務室を出ると、長四郎が事務室の前で立っていた。
「あれ? 長さん。どうしてこげん所に居ると?」
「身辺調査の依頼で、それより一川さんはどうしてここに?」
「殺人事件の捜査ばい」
そう言って、歩き始める一川警部にくっついて歩く長四郎。
「それで、その殺人事件にここの学生が関わっているんですか?」
「関わっているかどうかは分からんけど、どうしてそげん事聞くと?」
「いや、世間話ですよ。ここで会ったのも何かの縁。どうです? その大学生の素行調査しましょうか。サービスしておきますよ」
「ホント! この男の子なんやけど。名前は」
「日向悠真でしょ」
「長さんの素行調査の相手もこん男の子な訳?」
「はい、そうだす。一川さんこれからこいつの所に行くんですよね?」
「絢ちゃんが向かっているはずだけど、念には念を入れてあたしは連絡先を聞きに来たんやけど。会えたんかなぁ~」
スキンヘッドの頭をペチペチと叩く一川警部。
「じゃあ、行ってみますか? もし良かったら、事件でアドバイス出来る事があるかもしれませんし」
「おおっ! 長さんがそげん乗り気やと少し怖いけど、そうさせて貰います」
一川警部は長四郎の提案に乗ることにし、長四郎を連れて日向の自宅へと向かった。
取り敢えず、阿保田大学の青山キャンパスに潜入した長四郎。
だが、目的の日向悠真の姿は見当たらなく少し困り果てていた。一応、Twitterには「講義だりぃ~」と呟いていたので大学に来ては見たもののその姿はなかった。
「参ったなぁ~」
学食で珈琲を飲みながら、日向のTwitterで動向を追っていた。
大学に居ないということは、バイト先や自宅に居ると思われるのだが調べる算段が少ない。コンプライアンスが厳しくなっていく昨今、大学側がすんなりと在学生の住所を教えてくれる訳もなくSNSにもアルバイトについて触れられる事もなく情報があまりにも乏しかった。
そうして、長四郎が思案している間も日向のTwitterは更新されていく。
呟く内容は、講義への愚痴ばかりであった。
「こいつ、誰に対して嘘ツイートしてるんだ? ○○ちゃんかよ」
そう独り言を言いながら、日向のツイートを見ていく。
約45分後、授業を終えたであろう学生達が学食へとやって来た。そのタイミングで、日向のツイートも「講義終わったぁ~ハゲ教授お疲れ様ぁ~」とツイートしていた。
「はい。嘘ツイートお疲れ様でした」
長四郎はコーヒーを飲み干し、学食から立ち去ろうとすると、窓の向こうに見かけたことのあるスキンヘッド頭をした中年男性が通り過ぎて行ったのを見逃さなかった。
そのスキンヘッドの男こと一川警部は、大学の事務室で聞き込みを行っていた。
「この学生さんの連絡先を教えて頂きたいんですが?」
事務員のお姉さん(推定年齢50歳)に日向の連絡先を聞き出そうとする。
「この人は、うちの生徒でしょうか?」
「はい。現役の生徒さんやと思うんですけど」
「はぁ、上司に確認してきますね」
「お願いします」
事務員のお姉さんは奥に引っ込み上司に確認を取りに行く。
1分も絶たないうちに戻ってきて、「すいません。この学生が何か犯罪行為を起こしたんでしょうか?」
「いえ、そんなことは。事件に巻き込まれてるかもしれなくてですね。それで、確認の為に教えて頂来たかとです」
「分かりました。調べてきますので、少々お待ちください」
「はい」
それから数分の後、再び戻ってきた事務員のお姉さんは一川警部に日向の連絡先を伝えた。
「ありがとうございます」
意気揚々と事務室を出ると、長四郎が事務室の前で立っていた。
「あれ? 長さん。どうしてこげん所に居ると?」
「身辺調査の依頼で、それより一川さんはどうしてここに?」
「殺人事件の捜査ばい」
そう言って、歩き始める一川警部にくっついて歩く長四郎。
「それで、その殺人事件にここの学生が関わっているんですか?」
「関わっているかどうかは分からんけど、どうしてそげん事聞くと?」
「いや、世間話ですよ。ここで会ったのも何かの縁。どうです? その大学生の素行調査しましょうか。サービスしておきますよ」
「ホント! この男の子なんやけど。名前は」
「日向悠真でしょ」
「長さんの素行調査の相手もこん男の子な訳?」
「はい、そうだす。一川さんこれからこいつの所に行くんですよね?」
「絢ちゃんが向かっているはずだけど、念には念を入れてあたしは連絡先を聞きに来たんやけど。会えたんかなぁ~」
スキンヘッドの頭をペチペチと叩く一川警部。
「じゃあ、行ってみますか? もし良かったら、事件でアドバイス出来る事があるかもしれませんし」
「おおっ! 長さんがそげん乗り気やと少し怖いけど、そうさせて貰います」
一川警部は長四郎の提案に乗ることにし、長四郎を連れて日向の自宅へと向かった。
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