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第拾玖話-有名
有名-19
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夢川苺はその日、苛立ちを隠せないでいた。
澤村美雪の襲撃に向かった手下から、一向に連絡がなかったからだ。苺は美雪殺害の連絡を嬉々として待っていた。
しかし、連絡は来なかった。
ゲルダムの奴らに任せれば良かったと心の底から思っていた矢先、一本の連絡が入った。
澤村美雪に大怪我を負わせることに成功。直ちに会いたし。
その連絡を受けた苺はすぐ様「了解」の2文字で返信をし、いつも集まる都内某所の隠れBARで落ち合う事になった。
仕事が終わり20時頃、隠れBARへと赴いた苺。
中に入ると、ゲルダムの仲間達は全員集合していた。
「お待ちしておりました」
バーカウンターに座る長四郎がグラスを掲げながら、話し掛ける。
「あんた達は・・・・・・」
本来居るはずの仲間が居らず、カウンターに座っている長四郎、燐、一川警部、絢巡査長の4人に戸惑いを隠せない。
「ああ、ここに居た極悪非道な悪玉集団・ゲルダムは2時間前に捕まりましたよ」と燐は何が起こっているのかは分からない苺に説明する。
「彼らは、栗栖さん殺害容疑でご同行を願った次第です。多少、抵抗されたのでここまで戻すの大変でしたけど」
絢巡査長にそう言われ苺は店内を見回すと、普段と違うテーブルの配置であることに気づいた。
「そうでしたか。では、私は帰ります」
苺は4人にそう告げて退店しようとする。
「夢川さん。ここで帰ってもらっても構いませんが、外に居る警官と共に署に来てもらう事になりすけど。良かとですか?」
一川警部の問いに「何で、私が警察に行かないといけないんですか?」と逆質問する。
「その答えは簡単ですよ。貴方が澤村美雪のストーカー兼殺人事件の指導者だからですよ」
長四郎は言い終えるとグラスに入ったウイスキーロックを飲み干し、話を続ける。
「私が? 何の根拠があって?」
「根拠は・・・・・・色々とありますねぇ~」
長四郎はそこからその根拠を語りだした。
「最初に会った時の事、覚えてます?」
「いいえ」即答する苺。
「夢川さん。あなた、当たり前な顔して澤村美雪がストーカーに悩んでいる事を俺に話たんですよ」
「それは、本人から聞いたから」
「本人。だそうですけど、そこんところどうですか?」
長四郎は店の奥の扉を向けて声を掛けると、扉が開き美雪と松坂が姿を現した。
「そんなことありません。夢川さんに一度たりとも話したことはありません」
きっぱりと答える美雪に「あんたが、忘れているだけでしょ。そうよ。そのマネージャーがうちのマネージャーにぼやいているのを横で聞いていたのよ」
「だそうですけど。どうですか? 松坂さん」
「その様な事は一回たりともしたことはありません」
松坂もまたきっぱりと答える。
「そんなことないもん!!」
「そんなことないもん!!! だって、今まで捕まえたお仲間たちが全部白状してくれたんだもん!!!!」
長四郎は反論する苺の口調を真似して反論する。
「それに、貴方が事細かに指示を出しているのが先程捕まえた松坂さんの同僚のスマホから明らかになりましたよぉ~」
燐は軽い感じで答える。
「くっ!!」苺は下唇を嚙み悔しがる。
「ここまで分かりやすい根拠を示しましたが、どうです?」
長四郎の問いに無言を貫き何も答えない。
「あんた、都合が悪くなったら黙秘すんのかよ!!」
美雪は近くのテーブルを蹴飛ばし、苺を怒鳴りつける。
「私に文句があるなら直接かかってこいよ! ゴラぁ!!!」
俯いて何も言おうとしない苺の胸倉を掴み、問い詰める。
それでも何も言おうとしない苺を離して、こう告げる。
「腰抜けがっ」
その場に居た全員が、美雪を怒らせてはいけないと思うのだった。
澤村美雪の襲撃に向かった手下から、一向に連絡がなかったからだ。苺は美雪殺害の連絡を嬉々として待っていた。
しかし、連絡は来なかった。
ゲルダムの奴らに任せれば良かったと心の底から思っていた矢先、一本の連絡が入った。
澤村美雪に大怪我を負わせることに成功。直ちに会いたし。
その連絡を受けた苺はすぐ様「了解」の2文字で返信をし、いつも集まる都内某所の隠れBARで落ち合う事になった。
仕事が終わり20時頃、隠れBARへと赴いた苺。
中に入ると、ゲルダムの仲間達は全員集合していた。
「お待ちしておりました」
バーカウンターに座る長四郎がグラスを掲げながら、話し掛ける。
「あんた達は・・・・・・」
本来居るはずの仲間が居らず、カウンターに座っている長四郎、燐、一川警部、絢巡査長の4人に戸惑いを隠せない。
「ああ、ここに居た極悪非道な悪玉集団・ゲルダムは2時間前に捕まりましたよ」と燐は何が起こっているのかは分からない苺に説明する。
「彼らは、栗栖さん殺害容疑でご同行を願った次第です。多少、抵抗されたのでここまで戻すの大変でしたけど」
絢巡査長にそう言われ苺は店内を見回すと、普段と違うテーブルの配置であることに気づいた。
「そうでしたか。では、私は帰ります」
苺は4人にそう告げて退店しようとする。
「夢川さん。ここで帰ってもらっても構いませんが、外に居る警官と共に署に来てもらう事になりすけど。良かとですか?」
一川警部の問いに「何で、私が警察に行かないといけないんですか?」と逆質問する。
「その答えは簡単ですよ。貴方が澤村美雪のストーカー兼殺人事件の指導者だからですよ」
長四郎は言い終えるとグラスに入ったウイスキーロックを飲み干し、話を続ける。
「私が? 何の根拠があって?」
「根拠は・・・・・・色々とありますねぇ~」
長四郎はそこからその根拠を語りだした。
「最初に会った時の事、覚えてます?」
「いいえ」即答する苺。
「夢川さん。あなた、当たり前な顔して澤村美雪がストーカーに悩んでいる事を俺に話たんですよ」
「それは、本人から聞いたから」
「本人。だそうですけど、そこんところどうですか?」
長四郎は店の奥の扉を向けて声を掛けると、扉が開き美雪と松坂が姿を現した。
「そんなことありません。夢川さんに一度たりとも話したことはありません」
きっぱりと答える美雪に「あんたが、忘れているだけでしょ。そうよ。そのマネージャーがうちのマネージャーにぼやいているのを横で聞いていたのよ」
「だそうですけど。どうですか? 松坂さん」
「その様な事は一回たりともしたことはありません」
松坂もまたきっぱりと答える。
「そんなことないもん!!」
「そんなことないもん!!! だって、今まで捕まえたお仲間たちが全部白状してくれたんだもん!!!!」
長四郎は反論する苺の口調を真似して反論する。
「それに、貴方が事細かに指示を出しているのが先程捕まえた松坂さんの同僚のスマホから明らかになりましたよぉ~」
燐は軽い感じで答える。
「くっ!!」苺は下唇を嚙み悔しがる。
「ここまで分かりやすい根拠を示しましたが、どうです?」
長四郎の問いに無言を貫き何も答えない。
「あんた、都合が悪くなったら黙秘すんのかよ!!」
美雪は近くのテーブルを蹴飛ばし、苺を怒鳴りつける。
「私に文句があるなら直接かかってこいよ! ゴラぁ!!!」
俯いて何も言おうとしない苺の胸倉を掴み、問い詰める。
それでも何も言おうとしない苺を離して、こう告げる。
「腰抜けがっ」
その場に居た全員が、美雪を怒らせてはいけないと思うのだった。
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