324 / 425
第弐拾話-展示
展示-2
しおりを挟む
博物館は直ちに休館となり、新年度のオリエンテーションも中止となった。
「それで、ラモちゃんが死体だと気付いたと」
燐の通報を受け現場へと臨場した絢巡査長は、死体発見時の状況を聞く。
「そうです。これ猟奇的な殺人ですよね?」
「まぁ、そうなるかもだけど。博物館の人、気付かなかったのかな?」
絢巡査長は疑問に感じた事を燐に吐露する。
「私も気になって、最初に来た職員さんに聞いたんです」
「それで?」
「そしたら、ここの担当の職員からは特に異常はなかったと報告を受けたらしいです」
「そうなんだ。それで、その担当職員さんの名前、分かる?」
「はい。上戸さんという人だそうです」
「ありがとう」
絢巡査長は礼を言いながら、メモを取る。
「で、長さんは呼んであるの?」
「勿論、呼びましたよ。私、あいつの太客ですから」燐はニッコリ笑顔で答える。
「ああ、そう」
何で、嬉しそうなんだ。そう思いながら絢巡査長は気を引き締め直し捜査に取り掛かる。
「絢ちゃん。被害者の身元が分かったばい」
頭を綺麗に輝かせた一川警部が話し掛けてきた。
「誰なんです? ここの以前の館長やった人らしい。ラモちゃんの知らせを聞いて駆け付けた職員は面識なかったから気付かなかったんやと」
「そうですか。それで、名前は?」
「ああ、御免。被害者の名前は、坂本 正明さん。63歳。今は、文化遺産管理委員会ってところで働いておるったい」
「文化遺産管理委員会・・・・・・」
燐は、ふむふむちいった感じを出しながら1人頷いると。
「何、名探偵面しているんだよ。金田一一症候群の高校生」
3人が振り向くと熱海 長四郎がそこに居た。
「来るのが遅い!」
燐は長四郎を怒鳴りつける。
「おい、朝早くからそんな大きな声を出すなよ。深夜まで調査していたんだから」
長四郎はこめかみを抑えて燐に反論する。
「そんな事、俺が知るか!!」燐に一蹴される長四郎。
「ひでぇ奴だな。それで、俺が呼び出されたってことは殺人事件なんでしょ」
「ご名答」燐は嬉しそうに答える。
「事件の詳細を教えてください」
長四郎は死体発見時の状況から現在までの捜査で判明していることの説明を受けた。
「成程。切られ役のマネキンが本物の死体だったと。よく分かったな」
燐が死体だと判断したことに感心する長四郎は、鑑識作業の邪魔にならないように死体が展示されていた現場の観察を始める。
死体は着流しと呼ばれる格好をしており、髪型に関して桂はかぶっておらず散切り頭のように髪型は乱されていた。
「何か意図を感じるな」
長四郎が述べた最初の感想はそれであった。
「それで、ラモちゃんが死体だと気付いたと」
燐の通報を受け現場へと臨場した絢巡査長は、死体発見時の状況を聞く。
「そうです。これ猟奇的な殺人ですよね?」
「まぁ、そうなるかもだけど。博物館の人、気付かなかったのかな?」
絢巡査長は疑問に感じた事を燐に吐露する。
「私も気になって、最初に来た職員さんに聞いたんです」
「それで?」
「そしたら、ここの担当の職員からは特に異常はなかったと報告を受けたらしいです」
「そうなんだ。それで、その担当職員さんの名前、分かる?」
「はい。上戸さんという人だそうです」
「ありがとう」
絢巡査長は礼を言いながら、メモを取る。
「で、長さんは呼んであるの?」
「勿論、呼びましたよ。私、あいつの太客ですから」燐はニッコリ笑顔で答える。
「ああ、そう」
何で、嬉しそうなんだ。そう思いながら絢巡査長は気を引き締め直し捜査に取り掛かる。
「絢ちゃん。被害者の身元が分かったばい」
頭を綺麗に輝かせた一川警部が話し掛けてきた。
「誰なんです? ここの以前の館長やった人らしい。ラモちゃんの知らせを聞いて駆け付けた職員は面識なかったから気付かなかったんやと」
「そうですか。それで、名前は?」
「ああ、御免。被害者の名前は、坂本 正明さん。63歳。今は、文化遺産管理委員会ってところで働いておるったい」
「文化遺産管理委員会・・・・・・」
燐は、ふむふむちいった感じを出しながら1人頷いると。
「何、名探偵面しているんだよ。金田一一症候群の高校生」
3人が振り向くと熱海 長四郎がそこに居た。
「来るのが遅い!」
燐は長四郎を怒鳴りつける。
「おい、朝早くからそんな大きな声を出すなよ。深夜まで調査していたんだから」
長四郎はこめかみを抑えて燐に反論する。
「そんな事、俺が知るか!!」燐に一蹴される長四郎。
「ひでぇ奴だな。それで、俺が呼び出されたってことは殺人事件なんでしょ」
「ご名答」燐は嬉しそうに答える。
「事件の詳細を教えてください」
長四郎は死体発見時の状況から現在までの捜査で判明していることの説明を受けた。
「成程。切られ役のマネキンが本物の死体だったと。よく分かったな」
燐が死体だと判断したことに感心する長四郎は、鑑識作業の邪魔にならないように死体が展示されていた現場の観察を始める。
死体は着流しと呼ばれる格好をしており、髪型に関して桂はかぶっておらず散切り頭のように髪型は乱されていた。
「何か意図を感じるな」
長四郎が述べた最初の感想はそれであった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
17
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる