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第弐拾話-展示

展示-3

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 それからも長四郎は死体周辺の展示物をまじまじと観察する。
「何かあった?」
 燐も長四郎の隣で長四郎は観察する物を見ながら尋ねる。
「何もない。なんで、殺されたと思う?」
「そんなこと知らないよ」
「だよなぁ~」
 長四郎は渋い顔をしながら、現場とは別の展示物に目を向ける。
「長さん、死因分かりました。刃物で切られた事による内臓損傷に失血死です」
 絢巡査長が長四郎に報告をする。
「失血死? でも、服は汚れていなかったのに。どうして・・・・・・」
 燐は顎に手を当てて考え始める。
「綺麗に叩き切ったんだろうな」
「どういう事?」燐は説明を求める。
「綺麗に切れば、傷口が大きく開かず少量の出血で済むのよ。だから、血がべっとりついてなくても人は殺せるの」
「そういう事ね」
 燐は説明を受けて納得する。
「そういう事だから、犯人は余程の剣豪と見たな」
 長四郎は犯人の軽いプロファイリングをする。
「剣豪って」
 それはないだろうといった顔の燐に長四郎は「ラモちゃんは知らないだろうけど。刀を扱うっていうのはかなりのテクニックがいるんだよ」と言う。
「そうなんですか?」隣に居る絢巡査長に質問すると「私に聞かれても」と困り顔になる。
「まぁ、そんなことはおき、被害者について話を聞きたいな」
「分かりました。では、これから私と共に関係者の聞き込みをしに行きましょう」
 絢巡査長の提案に2人は『はーい』と声を揃えて返事をするのであった。
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