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第弐拾話-展示

展示-14

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 絢巡査長は博物館の決算書を入手し、不審な金の動きが無いかを調べていた。
 只、絢巡査長は経理系の事件を担当した事が少なかったので、そこから怪しい金の動きを発見する事は容易ではなかった。
「短時間で見つけるの無理だなぁ~」
 そんな事を言いながら、絢巡査長が頭を抱えていると。
「絢さん、どうしたんですか?」そう声をかけてきたのは燐であった。
「ラモちゃん。そっちの方はどう?」
「正直、よく分からないです。あの馬鹿、ぶつぶつタイムに入っちゃって」
「ああ、そうなんだ」
 そう答えながら、再び決算書に目を落とす絢巡査長。
「それ、何です?」
「この博物館の決算書」
「決算書ですか。ちょっと、見せてもらって良いですか?」
「あ、うん」
 燐は絢巡査長の手から決算書を取ると、燐は目を通し始める。
 全集中で決算書を読み込む燐。
「あーこれ、偽装の奴ですね」
「え?」
 絢巡査長はその言葉を受け、決算書に目を向ける。
「ここ、数字が綺麗なんですよ」
 燐が指さす箇所は、展示物のメンテナンス経費の部分であった。
「ホントだ。展示コーナーごとで数字違うけど、確かに同じ数字が並んでいるね」
「そうなんです」燐はそう答えると、別年度の決算書を手に取り中身を確認する。
「あーこれも同じ数字だ」
 そして、また別の決算書を手に取り目を通す。
「これもだ。前年度と数字は違えど、この年も同じ数字で統一されてる」
 燐が見ている決算書に目をやると、燐の言葉通りの事が書かれていた。
「これ、何かあるね」
「はい。ありますね」
「ちょっと、手伝ってくれる?」
「勿論です」
 こうして、女性陣2人で捜査する事になった。
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