378 / 770
第弐拾弐話-結社
結社-13
しおりを挟む
「麻取? 麻薬取締官が動いとうと?」
電話の向こうに居る一川警部が驚いた反応する。
「はい。桑子の捜査をするなと念を押されました」
長四郎はそう告げ、ビールを流し込む。
「名前は聞いた?」
「いいえ」
「ま、聞いても教えてくれないかもだから、仕方ないか・・・・・・・」
一川警部が残念がっているのは電話口でもよく分かる。
「一川さんの方は、どうでしたか?」
「うん。例の浮気相手の正体は掴めたばい」
「誰なんです?」
「名前は、浮渡 布里子。年齢は29歳。職業は、フリーのカメラマン」
「相棒ってわけですな」
「そうみたい。共に仕事をしてみたいやね。でもね、浮気していたのも事実みたいと」
「まぁ、尾行調査している時に、そんな雰囲気だったんで特に違和感はないですけど。それで、彼女は何と?」
「何ととは?」
「またまたぁ~ ごまかさなくても良いですよ。事情聴取しているんでしょ。警視庁総出で」
「気づいとったと?」
「まぁねぇ~ それで、彼女は塚児殺害を認めているんですか?」
「いいや。彼女曰く、トイレに行っている間に殺されとったらしいけん。そんで、死体の横でアタフタする長さん見て、犯人見たぁ~思うて逃げたらしいったい」
「失礼な女だ。人を犯人扱いするなんて」
「そんな事はさておき、我が警視庁としては、第一重要参考人として、浮渡布里子を任意で聴取し続けとうと」
「ほう。それをやっているのは所轄署の澤ですよね」
「そう、その通り。因みに彼女も組織の一味として、捜査を受けとうからね」
「きな臭いなぁ~」
長四郎は頭をボリボリと掻いて、困り顔をする。
「それと、頼まれとった桑子の素性についてやけど」
「はい」
長四郎は背筋を伸ばして、一川警部の話に耳を傾ける。
「分かりました。調べて頂きありがとうございました。では、また」
電話を切った長四郎は、最後の一口を飲みソファーに寝転ぶ。
「ふぅ~」
目を瞑り、長四郎は事件について整理する。
桑子は確実に麻薬組織と繋がっており、それを警視庁ではなく麻取が追っている。
でも、麻取は桑子の逮捕に躍起になっており、塚児殺害なんて目もくれていない。
ということは、塚児殺害は麻薬組織が関わっていないという事なのか?
長四郎の頭の中でグルグルと先程のような事がかき回っていると、突然、頭に衝撃が走る。
「痛っ!」
目を開けると、制服姿の燐が目の前に立っていた。
「あら、制服を着ているなんて珍しい」
「そうじゃないでしょ」
「何しに来たの?」
「事件の調査、手伝いに来たんでしょ」
「ああ、そうかい。じゃあ、もう帰りな。今日はやることないし」
「うん、分かった。帰るねって、言う訳ないでしょ」
「俺、酒飲んでいるから今日はやる気ないよぉ~」
「やる気ある私がやるから、あんたは寝てな。パソコン借りるわね」
「どうぞぉ~」
長四郎は事務所と併設している自室へと入って行くのだった。
電話の向こうに居る一川警部が驚いた反応する。
「はい。桑子の捜査をするなと念を押されました」
長四郎はそう告げ、ビールを流し込む。
「名前は聞いた?」
「いいえ」
「ま、聞いても教えてくれないかもだから、仕方ないか・・・・・・・」
一川警部が残念がっているのは電話口でもよく分かる。
「一川さんの方は、どうでしたか?」
「うん。例の浮気相手の正体は掴めたばい」
「誰なんです?」
「名前は、浮渡 布里子。年齢は29歳。職業は、フリーのカメラマン」
「相棒ってわけですな」
「そうみたい。共に仕事をしてみたいやね。でもね、浮気していたのも事実みたいと」
「まぁ、尾行調査している時に、そんな雰囲気だったんで特に違和感はないですけど。それで、彼女は何と?」
「何ととは?」
「またまたぁ~ ごまかさなくても良いですよ。事情聴取しているんでしょ。警視庁総出で」
「気づいとったと?」
「まぁねぇ~ それで、彼女は塚児殺害を認めているんですか?」
「いいや。彼女曰く、トイレに行っている間に殺されとったらしいけん。そんで、死体の横でアタフタする長さん見て、犯人見たぁ~思うて逃げたらしいったい」
「失礼な女だ。人を犯人扱いするなんて」
「そんな事はさておき、我が警視庁としては、第一重要参考人として、浮渡布里子を任意で聴取し続けとうと」
「ほう。それをやっているのは所轄署の澤ですよね」
「そう、その通り。因みに彼女も組織の一味として、捜査を受けとうからね」
「きな臭いなぁ~」
長四郎は頭をボリボリと掻いて、困り顔をする。
「それと、頼まれとった桑子の素性についてやけど」
「はい」
長四郎は背筋を伸ばして、一川警部の話に耳を傾ける。
「分かりました。調べて頂きありがとうございました。では、また」
電話を切った長四郎は、最後の一口を飲みソファーに寝転ぶ。
「ふぅ~」
目を瞑り、長四郎は事件について整理する。
桑子は確実に麻薬組織と繋がっており、それを警視庁ではなく麻取が追っている。
でも、麻取は桑子の逮捕に躍起になっており、塚児殺害なんて目もくれていない。
ということは、塚児殺害は麻薬組織が関わっていないという事なのか?
長四郎の頭の中でグルグルと先程のような事がかき回っていると、突然、頭に衝撃が走る。
「痛っ!」
目を開けると、制服姿の燐が目の前に立っていた。
「あら、制服を着ているなんて珍しい」
「そうじゃないでしょ」
「何しに来たの?」
「事件の調査、手伝いに来たんでしょ」
「ああ、そうかい。じゃあ、もう帰りな。今日はやることないし」
「うん、分かった。帰るねって、言う訳ないでしょ」
「俺、酒飲んでいるから今日はやる気ないよぉ~」
「やる気ある私がやるから、あんたは寝てな。パソコン借りるわね」
「どうぞぉ~」
長四郎は事務所と併設している自室へと入って行くのだった。
0
あなたにおすすめの小説
『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』
本能寺から始める常陸之介寛浩
青春
「大好きなはずなのに……! 兄の『推し活』が止まらない!?」
かつて、私は信じていた。
優しくて、頼もしくて、ちょっと恥ずかしがり屋な──
そんな普通のお兄ちゃんを。
でも──
中学卒業の春、
帰ってきた幼馴染みの“オタク姫”に染められて、
私のお兄ちゃんは**「推し活命」**な存在になってしまった!
家では「戦利品だー!」と絶叫し、
年末には「聖戦(コミケ)」に旅立ち、
さらには幼馴染みと「同人誌合宿」まで!?
……ちがう。
こんなの、私の知ってるお兄ちゃんじゃない!
たとえ、世界中がオタクを称えたって、
私は、絶対に──
お兄ちゃんを“元に戻して”みせる!
これは、
ブラコン妹と
中二病オタク姫が、
一人の「兄」をめぐって
全力でぶつかり合う、果てしなき戦いの物語──!
そしていつしか、
誰も予想できなかった
本当の「大好き」のカタチを探す、
壮大な青春ストーリーへと変わっていく──。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる