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第弐拾肆話-議員
議員-6
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長四郎が奈良に居る頃、燐は根岸と共に西議員の身辺警護を行っていた。
「今日は君なの?」根岸は燐に質問する。
「はい。なんか、事件の手掛かりを掴みに行くとかいって」
「女子高生に身辺警護を任せるって、どういうつもりなんだろう」
「安心してください。私、あいつより百倍強いんで」
「ああ、そ」そういう奴に限って弱いんだよな。と思う根岸はそれを口に出さず業務に集中する。
今日は、西議員が最も狙われやすいとも言える講演会が行われるのだ。
「にしても、西議員は人気ですね」
「だよな。応援呼べば良かったかな?」
あまりの人だかりに少し気弱になる根岸。昨日、講演会が急遽決まり本部に応援すると長四郎に進言したところ「その必要はない」の一言で片付けられてしまった。
「大丈夫、大丈夫。私、強いんで」
「だから、心配なんだよ」燐に聞こえないように呟くと「え、何ですか?」と聞いてきたので「何も」と首を大きく横に振りながら答える。
そんな中、講演会が始まった。
会場は足立区の公民館で、普段は地域住民しか利用しない公民館だったが世間が注目する国会議員、西天光が来るというので大勢の人間が押しかけていた。
こんなに人が居ると、いざとなった時、対処できるか。根岸は不安で不安で仕方なかった。
「では、西天光議員です!」
男性司会者が西天光を紹介すると、控室から出てきた西議員は来場した聴講客に笑顔で手を振り登場し用意されたみかん箱サイズの檀上の上に立つ。
「只今、ご紹介に預かりました。西天光です。本日は、宜しくお願い致します」
「よっ! 日本の宝!!」と合いの手が入る。
「ありがとうございます」と西が恥ずかしそうに答えると会場に笑い声がどっと起きる。
「え~皆さん、今の政治をどう思いますか?」
西は会場の観客に問いかけながら、講演を始めた。
西天光の講演にその場に居た観客は静かに聞き入り、何も起きないそう思っていた矢先、事は起こった。
突然、聴講客の男が懐に隠し持っていたナイフを取り出し周囲の客を切り付けて、西にナイフを突き立てながら襲いかかろうとする。
根岸が男を取り押さえようと動き出すが、パニックになった群衆のせいで身動きが取れない状態であった。
男は西のもうすぐ目の前といった距離になった時、群衆の上を何かが飛び越えた。
「うぉぉぉりゃあ!!!」
その雄叫びと共に燐が男目掛けて、飛び蹴りを浴びせた。
「あ、ごめぇ~ん。やりすぎちゃった」
蹴り飛ばした男の顔を踏んづけながら、群衆を搔き分け駆け寄ってきた根岸にそう告げる。
「いやいや、大したもんだよ。変わろう」
男の身柄を根岸に任せた燐は、西に近づき「大丈夫ですか?」と質問する。
「ええ、大丈夫。あなたこそ、平気?」
「はい」
「この人が、世間を騒がす秘書襲撃犯?」
「それは、聞いてみないと分からないですけどね」
燐は肩をすくめながら答えながら、絢巡査長に通報した。
「ラモちゃん。大手柄じゃない」
「いや、それほどでも」絢巡査長に褒められる恥ずかしそうに答える燐に「長さんは何しとうと?」一川警部が質問してきた。
「さぁ? 肝心な時に居ないって言うのが、あいつのダメな所なんで」
「ラモちゃん。手厳しかねぇ~」
一川警部が頭をペチペチと叩いていると、スマホに着信が入る。
「あ、長さんからだ。はい、もしもしぃ~」
一川警部は二、三、長四郎と会話し通話を切った。
「一川さん。あのバカ何て言ってました?」
「なんか、事件解決の手掛かりになるものを見つけたらしいばい」
燐の質問にそれだけ答える一川警部であった。
「今日は君なの?」根岸は燐に質問する。
「はい。なんか、事件の手掛かりを掴みに行くとかいって」
「女子高生に身辺警護を任せるって、どういうつもりなんだろう」
「安心してください。私、あいつより百倍強いんで」
「ああ、そ」そういう奴に限って弱いんだよな。と思う根岸はそれを口に出さず業務に集中する。
今日は、西議員が最も狙われやすいとも言える講演会が行われるのだ。
「にしても、西議員は人気ですね」
「だよな。応援呼べば良かったかな?」
あまりの人だかりに少し気弱になる根岸。昨日、講演会が急遽決まり本部に応援すると長四郎に進言したところ「その必要はない」の一言で片付けられてしまった。
「大丈夫、大丈夫。私、強いんで」
「だから、心配なんだよ」燐に聞こえないように呟くと「え、何ですか?」と聞いてきたので「何も」と首を大きく横に振りながら答える。
そんな中、講演会が始まった。
会場は足立区の公民館で、普段は地域住民しか利用しない公民館だったが世間が注目する国会議員、西天光が来るというので大勢の人間が押しかけていた。
こんなに人が居ると、いざとなった時、対処できるか。根岸は不安で不安で仕方なかった。
「では、西天光議員です!」
男性司会者が西天光を紹介すると、控室から出てきた西議員は来場した聴講客に笑顔で手を振り登場し用意されたみかん箱サイズの檀上の上に立つ。
「只今、ご紹介に預かりました。西天光です。本日は、宜しくお願い致します」
「よっ! 日本の宝!!」と合いの手が入る。
「ありがとうございます」と西が恥ずかしそうに答えると会場に笑い声がどっと起きる。
「え~皆さん、今の政治をどう思いますか?」
西は会場の観客に問いかけながら、講演を始めた。
西天光の講演にその場に居た観客は静かに聞き入り、何も起きないそう思っていた矢先、事は起こった。
突然、聴講客の男が懐に隠し持っていたナイフを取り出し周囲の客を切り付けて、西にナイフを突き立てながら襲いかかろうとする。
根岸が男を取り押さえようと動き出すが、パニックになった群衆のせいで身動きが取れない状態であった。
男は西のもうすぐ目の前といった距離になった時、群衆の上を何かが飛び越えた。
「うぉぉぉりゃあ!!!」
その雄叫びと共に燐が男目掛けて、飛び蹴りを浴びせた。
「あ、ごめぇ~ん。やりすぎちゃった」
蹴り飛ばした男の顔を踏んづけながら、群衆を搔き分け駆け寄ってきた根岸にそう告げる。
「いやいや、大したもんだよ。変わろう」
男の身柄を根岸に任せた燐は、西に近づき「大丈夫ですか?」と質問する。
「ええ、大丈夫。あなたこそ、平気?」
「はい」
「この人が、世間を騒がす秘書襲撃犯?」
「それは、聞いてみないと分からないですけどね」
燐は肩をすくめながら答えながら、絢巡査長に通報した。
「ラモちゃん。大手柄じゃない」
「いや、それほどでも」絢巡査長に褒められる恥ずかしそうに答える燐に「長さんは何しとうと?」一川警部が質問してきた。
「さぁ? 肝心な時に居ないって言うのが、あいつのダメな所なんで」
「ラモちゃん。手厳しかねぇ~」
一川警部が頭をペチペチと叩いていると、スマホに着信が入る。
「あ、長さんからだ。はい、もしもしぃ~」
一川警部は二、三、長四郎と会話し通話を切った。
「一川さん。あのバカ何て言ってました?」
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燐の質問にそれだけ答える一川警部であった。
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