探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第弐拾伍話-対決

対決-9

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「エグザグラム・・・・・・」
 長四郎は窓の向こうを眺めながら、そう呟いた。
「エグザグラムがどうかしたと?」
 助手席に座る一川警部が長四郎に問いかけた。
「いや、特に。ただ呟いただけです」
「ああ、そう」
 少し残念な顔をする一川警部。
「あの、良いですか?」
 ここで、絢巡査長が発言を求める。
「どうかしたの?」勇仁が聞き返すと「金星創業から付いてくるタクシーがあるんですけど」と絢巡査長が答える。
 後部座席に座る長四郎と勇仁が後ろを振り向くと、一台の個人タクシーが確かにこちらを追いかけていた。
「エグザグラムの差し金じゃないみたい」
「長さん、それ本当?」
「一川さん。探偵、ウソつかない」
 長四郎はインディアンのように片手を上げて宣言する。
「絢ちゃん。申し訳ないけど、どこかで車を停めて」
「はい、分かりました」
 勇仁の頼みを聞き入れた絢巡査長は、すぐに路肩に車を停車させる。
「ありがとう。二人は、社長さんがどこに向かったかを調べといて」
 勇仁は刑事二人にそう指示を出すと、車を降りた。
「じゃ、宜しくお願いします」
 長四郎もまた勇仁の後に続いて車を降りた。
 そして、長四郎と勇仁は同じように路肩に停車したタクシーに近づいていく。
 タクシーのドアが開き、中から燐と芽衣が降車した。
「よっ!」
 燐の第一声は、それだった。
「よっ! じゃないよ。ていうか、隣の子は何? 数少ないお友」
 長四郎が言うと同時に、燐のストレートパンチが飛んできた。
 意識を取り戻した時には、人気のない路地裏に居た。
 そして、燐が芽衣を紹介しようとしていた。
「クラスメイトの」燐が紹介するより前に「財前芽衣です」と芽衣が先に自己紹介した。
「で、どうして俺たちを尾行するの?」
「どうしてって、あんたとお爺様が追っている事件が私達が追っている事件と関わりがあるから」
「関わり?」勇仁は眉をひそめる。
「そ、この子のお兄さん行方不明なの」
「行方不明」
「長さん。俺たちの事件と関わりあると思う?」
「関係ないね」
 長四郎はそう答えながら左手で髪をかき上げて、サングラスを掛ける。
「俺も関係ないねって、思う」
 勇仁もまた左手で髪をかき上げ、サングラスを掛ける。
「あんたら、それでも探偵? 困っている人を助けてこその探偵でしょ!!」
「そんなこと言われても俺たちは、動かないよ。なぁ、勇仁」
「そうそう、長さんの言う通り。それにな、燐が依頼を受けたんだから、俺たちに頼らず自分で解決しなさい」
「良い事言うじゃない。お爺様」
「そうでしょ。そうでしょ」
 長四郎と勇仁のやり取りを見て、当てにならないと思う芽衣。
「分かった。二人には頼らない。但し、後で助けて言っても知らないからね」
 燐の強がりな台詞を聞き流す男二人。
「芽衣ちゃん。行こう」
「あ、うん」
 芽衣は長四郎と勇仁に一礼し、燐に続いてどこかへと行った。
「長さん。本当に関わりないと思う?」
「大いにあると思うな」
 そう答えながら振り返ると、空港で襲ってきた男達が立っていた。
「なんか、人数増えてない?」
「勇仁。気を付けろよ」
 長四郎と勇仁は、少し身構え男達の出方を待つ。
 案の定、男達は懐から拳銃を取り出し、長四郎と勇仁に銃口を向ける。
「ホント、ワンパターンだな」
 長四郎が言うと同時に、銃声が鳴った。
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