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第弐拾漆話-大物
大物-14
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「殺人現場を目撃したって言っとうと?」一川警部は仰天した顔をする。
「はい。色々と聞けましたよ」
長四郎はそう答えながら、ビールを流し込む。
音々から聞き出した情報を手土産に長四郎は一川警部と居酒屋で、楽しい楽しい捜査会議をしていた。
「それで、誰が殺されたと?」
「そこなんですけどね。彼女もよく知らない人らしいんです。只、あの家の主人が人殺しをした現場を目撃したのは間違いないんですよ」
「知らない人。男か女、それぐらいは聞き出したんやろ?」
「はい。女という事だけは分かってます」
「女・・・・・・ でも、出入りする人間は限られてとうって長さんが調べてくれたもんね」
「そうなんすよ。出入りする人間は限られているはずなんですけどね」
「あの屋敷、シークレットロードでもあるんやないと?」
「地球防衛軍極東基地じゃあるまいんですから、シークレットロードなんてあるわけないでしょ」
「そうよねぇ~」一川警部はそう言って、枝豆を口に投げ入れる。
「音々さん曰く、水商売の女性ではないかと」
「水商売?」
「なんでも、主人の爺さんは夜遊びが激しいらしいんだそうで」
「スケベは長生きの秘訣なんて話があるくらいやからね」
「そうなんですか! それは知らなかったぁ~ スケベは長生きか」
「そう、スケベは長生きするんやって」
「へぇ~」
俺は絶対、長生きするな。そう思う長四郎であった。
「そげんこつは置いといて、なんで彼女は殺人事件の事を絢ちゃんに言わんかったんやろ?」
「それは、口止め料を貰っていたかららしいです」
「口止め料を貰っていたって。喋ったら、意味ないばい」
「口止め料は収賄の現場を目撃した時のですよ」
「でも、収賄の現場を目撃したって真っ先に話したやないの」
「俺もそこが気になってるんですよ」
「気になるねぇ~」
「気になりますねぇ~」
「なんか、杉下右京みたいよ」
「マジっすか。ちょっと、嬉しいかも」
「長さんは、昔から本当に正直者やねぇ~」
一川警部はどこか嬉しそうな感じで、ビールを流し込む。
「一川さんの方は、どうなんです? 上の方からの圧力はあったんですか?」
「あったばい。匿った音々さんの居場所をしつこく聞かれて大変やったぁ~」
「それは、お疲れ様でした」
長四郎は頭を下げて、一川警部の労をねぎらう。
「いえいえ、でも、これからが大変ばい」
「その通りです。警察としては、どうします?」
「まぁ、捜査しないやろうね。現場はしたがっても、上がねぇ~」
警視庁上層部ないし、警察庁上層部から捜査のストップがかかるという事が、長四郎には分かった。
「OK. 分かりました。取り敢えずは、俺達が捜査しましょ。一川さん達は行方不明になっている水商売の女を調べて頂けたらと」
「OK」
「さぁ~て、どうやってあの屋敷のご主人に接触しようかなぁ~」
長四郎は唐揚げにレモンをかけて、口に入れるのだった。
翌日、音々が匿われているマンションを訪れた長四郎は、啞然とした。
部屋が思いっきり荒らされていたのだ。
「こりゃ、酷い。参ったなぁ~」
根本からぼっきり折られた椅子の脚を持ちながら、長四郎はしかめっ面になる。
スマホを取り出して、絢巡査長に電話をかける。
「もしもし、絢ちゃん。おはよう」
「おはようございます。どうしました?」
「どうしたもこうしたも、襲撃にあったみたい」
「襲撃ですか? え! 襲撃!! 音々さんは!!」
「ああ、居ないね」
何故か、落ち着き払っている長四郎は部屋の復旧費用に幾らかかるのか、それが一番の気掛かりであった。
「はい。色々と聞けましたよ」
長四郎はそう答えながら、ビールを流し込む。
音々から聞き出した情報を手土産に長四郎は一川警部と居酒屋で、楽しい楽しい捜査会議をしていた。
「それで、誰が殺されたと?」
「そこなんですけどね。彼女もよく知らない人らしいんです。只、あの家の主人が人殺しをした現場を目撃したのは間違いないんですよ」
「知らない人。男か女、それぐらいは聞き出したんやろ?」
「はい。女という事だけは分かってます」
「女・・・・・・ でも、出入りする人間は限られてとうって長さんが調べてくれたもんね」
「そうなんすよ。出入りする人間は限られているはずなんですけどね」
「あの屋敷、シークレットロードでもあるんやないと?」
「地球防衛軍極東基地じゃあるまいんですから、シークレットロードなんてあるわけないでしょ」
「そうよねぇ~」一川警部はそう言って、枝豆を口に投げ入れる。
「音々さん曰く、水商売の女性ではないかと」
「水商売?」
「なんでも、主人の爺さんは夜遊びが激しいらしいんだそうで」
「スケベは長生きの秘訣なんて話があるくらいやからね」
「そうなんですか! それは知らなかったぁ~ スケベは長生きか」
「そう、スケベは長生きするんやって」
「へぇ~」
俺は絶対、長生きするな。そう思う長四郎であった。
「そげんこつは置いといて、なんで彼女は殺人事件の事を絢ちゃんに言わんかったんやろ?」
「それは、口止め料を貰っていたかららしいです」
「口止め料を貰っていたって。喋ったら、意味ないばい」
「口止め料は収賄の現場を目撃した時のですよ」
「でも、収賄の現場を目撃したって真っ先に話したやないの」
「俺もそこが気になってるんですよ」
「気になるねぇ~」
「気になりますねぇ~」
「なんか、杉下右京みたいよ」
「マジっすか。ちょっと、嬉しいかも」
「長さんは、昔から本当に正直者やねぇ~」
一川警部はどこか嬉しそうな感じで、ビールを流し込む。
「一川さんの方は、どうなんです? 上の方からの圧力はあったんですか?」
「あったばい。匿った音々さんの居場所をしつこく聞かれて大変やったぁ~」
「それは、お疲れ様でした」
長四郎は頭を下げて、一川警部の労をねぎらう。
「いえいえ、でも、これからが大変ばい」
「その通りです。警察としては、どうします?」
「まぁ、捜査しないやろうね。現場はしたがっても、上がねぇ~」
警視庁上層部ないし、警察庁上層部から捜査のストップがかかるという事が、長四郎には分かった。
「OK. 分かりました。取り敢えずは、俺達が捜査しましょ。一川さん達は行方不明になっている水商売の女を調べて頂けたらと」
「OK」
「さぁ~て、どうやってあの屋敷のご主人に接触しようかなぁ~」
長四郎は唐揚げにレモンをかけて、口に入れるのだった。
翌日、音々が匿われているマンションを訪れた長四郎は、啞然とした。
部屋が思いっきり荒らされていたのだ。
「こりゃ、酷い。参ったなぁ~」
根本からぼっきり折られた椅子の脚を持ちながら、長四郎はしかめっ面になる。
スマホを取り出して、絢巡査長に電話をかける。
「もしもし、絢ちゃん。おはよう」
「おはようございます。どうしました?」
「どうしたもこうしたも、襲撃にあったみたい」
「襲撃ですか? え! 襲撃!! 音々さんは!!」
「ああ、居ないね」
何故か、落ち着き払っている長四郎は部屋の復旧費用に幾らかかるのか、それが一番の気掛かりであった。
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