探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

文字の大きさ
512 / 761
第弐拾漆話-大物

大物-25

しおりを挟む
 防護マスク五人衆の襲撃の一報を受け、光議員の秘書・並谷駆は大慌てで事件現場のマンションに駆けつけた。
「一体、何があったんですか!」
 並谷は部屋の前で事情聴取を終えたばかりの長四郎に声を掛ける。
「いやぁ~ こんなにも早くに暴漢者が来るなんて思って居ませんでしたわ」
「そうじゃなくて、先生は?」
「先生。先生ねぇ~」
「勿体ぶらずに教えてください!!」
「先生は殺されました・・・・・・かもしれませんし、殺されていないかも・・・・・・しれません」
「いい加減にしてください!! どっちなんですか!!!」
「その前に聞いてもらいたい事があるんですよ」
「聞いてもらいたい事?」
「そうです。実はここの場所なんですがね? 知っているのは、片手で数えられる人間だけなんです」
「それが何だというんですか?」
「何だというんですか? じゃねぇ~し」
 ここで、長四郎の後ろで話を聞いていた燐が口を開いた。
「何ですか? 部外者は黙っていてください」
「部外者じゃないし」
 燐は並谷に詰め寄り、がんを飛ばす。
「ラモちゃん。落ち着け」
 首根っこを掴んで、長四郎は燐を並谷から引き離す。
「ここまで言えば、察しは付きますよね?」
「つまりは、私がこの場所を犯人グループに密告したと言いたいんですか?」
「ご明察」長四郎は並谷に拍手を送る。
「何を証拠に。私がどうやって森下守男に密告したと言うんですか?」
「それ以外に何があるというんですか? つーか、語るに落ちるでしょ?」
「ああ、語る落ちるだな。こりゃ」
「何が言いたいんですか?」
「いや、自分から森下守男や犯人グループとかペラペラ喋ってたじゃん」
 燐にそう言われて、ハッとした表情をする並谷。
「ラモちゃんの言う通り、並谷さんはペラペラ喋りすぎたんですよ。因みにね、俺は暴漢者としか言ってませんから。グループとかそう言った事は何も言ってないはずでしょ? ラモちゃん」
「それしか言ってない」
「ほらぁ~」
「話はまとまった?」一川警部はにこやかな顔をしながら、三人の中に入ってきた。
「はい。あっさりと自供してくれました」
「じゃ、より詳しい話は警察署でお話聞きますから。絢ちゃ~ん、連行!!」
「はぁ~い」
 これまたにこやかな顔で現れた絢巡査長は並谷の脇に立ち「行きましょうか」とドスを効かせた声を掛けて並谷を連行していった。
「それで、これからどうするの?」
 連行される並谷を見ながら、燐は長四郎に聞いた。
「どうするって。本陣に攻め入るのじゃ!!」
「私も行って良いんだよね?」
「ダメって言っても来るだろうが」
「えへへへ」
 燐はいたずら小僧のような笑みを浮かべるのだった。
 翌日、森下守男邸の前に警視庁の捜査車両が押し寄せた。
「な、何ですか!!」
 押し寄せてきた刑事達を怒鳴りつける瓜野。
「警視庁捜査一課です。これから、家宅捜索をさせて頂きます。はい、令状。言っておきますけど、まだ、捜索はしないのでご安心を。森下守男さんはどこですか?」
「警視庁如きがっ! 先生に盾突くとはどういう了見だ!!」
「ガタガタ言ってんじゃねぇ~よ! 早くジジィの所に連れて行け!!!」
 そう言いながら、出てきたのは長四郎であった。
「お、お前は・・・・・・」
「さ、行きましょ。行きましょ」
 瓜野をターンさせて、森下の元へと連れていくようにその身体を押しながら森下の元へと案内させようとする。
「さっきまでとは打って変わりすぎ。カメレオンか」
 付いてくる燐の発言に、長四郎はカメレオンの舌をペロっと出す。
 こうして、森下守男にご対面する事になった長四郎達御一行。
「よぉ、やっと会えたな。クソジジィ」
「若造。口の聞き方ってものを知らないのか?」
「それだけ、口答えできるようじゃ長生き出来そうだな」
「言いたいことはそれだけか?」
「そんなわけあるか! 良いか、クソジジィ。これからありがえてぇ推理を聞かせてやるから耳の穴よぉ~くかっぽじって補聴器の音を付けて聞けよ!」
 長四郎と森下は顔を突き合わせて睨みあった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...