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番外編~遊原巡査の異動~
番外編~遊原巡査の異動~
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警視庁の廊下を不服そうな顔をして歩く刑事が一人。
刑事の名は、遊原 祐希。年齢、25歳。階級は巡査。
この夏まで警視庁丸の内署刑事課強行犯係に所属していた刑事であった。
それは、何故か。
つい一週間前の事であった。署近くの銀行で強盗事件が発生し、出動したまでは良かった。
だが、そこで問題が発生した。
機動隊と遊原巡査が揉めたのだ。揉めた理由はここでは控えさせておこう。
そして、そのすぐ後に異動の辞令が下った。
異動先は不明かつ辞令は本庁で行うとの通達があり、こうして慣れない制服を着て本庁の廊下を歩く。
目的の部屋の前で立ち止まった遊原巡査は、ふぅーっと深呼吸してからドアをノックした。
「はい」と部屋の中から返事が返ってきたので、「失礼します!!」と大声で答え部屋に入る。
この部屋は、捜査一課長室。
つまり、責任者の捜査一課の課長が居るのだ。
遊原巡査は心の中で、ここに呼び出されるという事は昇進の可能性もあるのではないかという期待を胸に部屋に入る。
捜査一課長は自身のデスクに座り、捜査資料に目を通していた。
「君は・・・・・・」遊原巡査の名前が分からず少し困った顔をする捜査一課長。
「自分は、遊原祐希巡査であります!」
「お、君が例の」
「例の?」
「いや、何でもない。さ、こっちへ」と遊原巡査を机の前に立つように手招きする。
「はっ」
遊原巡査は言われるがままに、机の前に立った。
「遊原祐希巡査。本日付を持って、捜査一課 命捜班第二班での勤務を命じる」
「命捜班? 第二班? ですか?」
聞いたことのない名前に聞きかえす遊原巡査。
「例の森下 衆男を逮捕した捜査班だよ」
「あ!」
ここで、遊原巡査は思い出した。
先輩刑事と森下のニュースを見ていた時に、窓際部署だからこんな芸当ができるんだとかなんとか。その時に気にも止めない感じで、聞いていた自分が情けないとも思う。
「そ、それで。自分は、窓際部署に異動って事ですか?」
「窓際部署? ま、そういう見方もあるが」
「はぁ~」がっくりと肩を落としていると「お取込み中、失礼します」自分の真後ろから声がし、遊原巡査は驚いて机の向こうにいる捜査一課長に抱きついてしまう。
「ちゃんと、足、あるよ。ほらぁ~」
遊原巡査に話しかける人物は片足立ちをして足をぷらんっぷらんっとさせ、足がある事をアピールする。
「遅いじゃないか」
「あ、すいません。どうも、腹の調子が」
「全く、君というものは・・・・・・ 遊原巡査」
「は、はい」まだ、恐怖が抜けなく捜査一課長にしがみついたままの遊原巡査。
「遊原巡査。離してくれないかな?」
そこで、しがみついたままの状態である事に気づいた遊原巡査は捜査一課長から離れた。
「それでだな。この男が君の上司になる」
「佐藤田 一喜です。宜しく」
握手を求めてきたので、取り敢えず、握手し返す遊原巡査。
「これから、佐藤田警部補と共に命捜班第二班として大いに活躍して欲しい」
「はぁ」
「以上。持ち場に戻りたまえ」
遊原巡査と佐藤田警部補は捜査一課長に敬礼し、捜査一課長室を出た。
「あ、じゃあ、新しく出来た部屋に案内するから付いて来て」
「はい」
遊原巡査は佐藤田警部補に付いて行くのだが、目の前を歩く覇気のない顔をする中年刑事を見て自分は窓際部署に来たのだという現実を突きつけられて、警察官を辞めようか。本気で考え始めていた。
「あ、何か質問ある?」
「え? ああ、あります。第二班って言っていましたけど、第一班の方々は何かの事件を担当されているのでしょうか?」
遊原巡査はこの質問に一縷の望みを掛けて質問した。
「いいや、してないよ」
「え? では、何故、二班が設立される事になったんですか?」
「それはねぇ~ 第一班の人がやらかしたから」
「やらかした?」
「そう。捜査一課長から聞いていると思うけど、森下衆男の事件を解決したっちゅうのに謹慎喰らっちゃったもんだからね」
「は、はぁ」
「さ、着いた。着いた」
佐藤田警部補は部屋の前で立ち止まる。
如何にも、この間まで備品倉庫かなにかだった部屋だって言う事が分かった。
「何、固まったんの? さ、入った。入った」
佐藤田警部補に招かれるまま部屋に入ると、そこはダンボールが山積みにされた部屋だった。
「じゃ、これ片付けるのが急務の仕事だから。仕事、仕事ぉ~」
ダンボールを開封し始める佐藤田警部補を見て、遊原巡査は心に誓った。
近々、転職先を見つけて転職しようと。
刑事の名は、遊原 祐希。年齢、25歳。階級は巡査。
この夏まで警視庁丸の内署刑事課強行犯係に所属していた刑事であった。
それは、何故か。
つい一週間前の事であった。署近くの銀行で強盗事件が発生し、出動したまでは良かった。
だが、そこで問題が発生した。
機動隊と遊原巡査が揉めたのだ。揉めた理由はここでは控えさせておこう。
そして、そのすぐ後に異動の辞令が下った。
異動先は不明かつ辞令は本庁で行うとの通達があり、こうして慣れない制服を着て本庁の廊下を歩く。
目的の部屋の前で立ち止まった遊原巡査は、ふぅーっと深呼吸してからドアをノックした。
「はい」と部屋の中から返事が返ってきたので、「失礼します!!」と大声で答え部屋に入る。
この部屋は、捜査一課長室。
つまり、責任者の捜査一課の課長が居るのだ。
遊原巡査は心の中で、ここに呼び出されるという事は昇進の可能性もあるのではないかという期待を胸に部屋に入る。
捜査一課長は自身のデスクに座り、捜査資料に目を通していた。
「君は・・・・・・」遊原巡査の名前が分からず少し困った顔をする捜査一課長。
「自分は、遊原祐希巡査であります!」
「お、君が例の」
「例の?」
「いや、何でもない。さ、こっちへ」と遊原巡査を机の前に立つように手招きする。
「はっ」
遊原巡査は言われるがままに、机の前に立った。
「遊原祐希巡査。本日付を持って、捜査一課 命捜班第二班での勤務を命じる」
「命捜班? 第二班? ですか?」
聞いたことのない名前に聞きかえす遊原巡査。
「例の森下 衆男を逮捕した捜査班だよ」
「あ!」
ここで、遊原巡査は思い出した。
先輩刑事と森下のニュースを見ていた時に、窓際部署だからこんな芸当ができるんだとかなんとか。その時に気にも止めない感じで、聞いていた自分が情けないとも思う。
「そ、それで。自分は、窓際部署に異動って事ですか?」
「窓際部署? ま、そういう見方もあるが」
「はぁ~」がっくりと肩を落としていると「お取込み中、失礼します」自分の真後ろから声がし、遊原巡査は驚いて机の向こうにいる捜査一課長に抱きついてしまう。
「ちゃんと、足、あるよ。ほらぁ~」
遊原巡査に話しかける人物は片足立ちをして足をぷらんっぷらんっとさせ、足がある事をアピールする。
「遅いじゃないか」
「あ、すいません。どうも、腹の調子が」
「全く、君というものは・・・・・・ 遊原巡査」
「は、はい」まだ、恐怖が抜けなく捜査一課長にしがみついたままの遊原巡査。
「遊原巡査。離してくれないかな?」
そこで、しがみついたままの状態である事に気づいた遊原巡査は捜査一課長から離れた。
「それでだな。この男が君の上司になる」
「佐藤田 一喜です。宜しく」
握手を求めてきたので、取り敢えず、握手し返す遊原巡査。
「これから、佐藤田警部補と共に命捜班第二班として大いに活躍して欲しい」
「はぁ」
「以上。持ち場に戻りたまえ」
遊原巡査と佐藤田警部補は捜査一課長に敬礼し、捜査一課長室を出た。
「あ、じゃあ、新しく出来た部屋に案内するから付いて来て」
「はい」
遊原巡査は佐藤田警部補に付いて行くのだが、目の前を歩く覇気のない顔をする中年刑事を見て自分は窓際部署に来たのだという現実を突きつけられて、警察官を辞めようか。本気で考え始めていた。
「あ、何か質問ある?」
「え? ああ、あります。第二班って言っていましたけど、第一班の方々は何かの事件を担当されているのでしょうか?」
遊原巡査はこの質問に一縷の望みを掛けて質問した。
「いいや、してないよ」
「え? では、何故、二班が設立される事になったんですか?」
「それはねぇ~ 第一班の人がやらかしたから」
「やらかした?」
「そう。捜査一課長から聞いていると思うけど、森下衆男の事件を解決したっちゅうのに謹慎喰らっちゃったもんだからね」
「は、はぁ」
「さ、着いた。着いた」
佐藤田警部補は部屋の前で立ち止まる。
如何にも、この間まで備品倉庫かなにかだった部屋だって言う事が分かった。
「何、固まったんの? さ、入った。入った」
佐藤田警部補に招かれるまま部屋に入ると、そこはダンボールが山積みにされた部屋だった。
「じゃ、これ片付けるのが急務の仕事だから。仕事、仕事ぉ~」
ダンボールを開封し始める佐藤田警部補を見て、遊原巡査は心に誓った。
近々、転職先を見つけて転職しようと。
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