探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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番外編~2年A組、生田先生!!!~

番外編~2年A組、生田先生!!!~

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 私の名前は、生田 成美いくた なるみ
 この春、教師になったばかりの新米教師であり、一クラス三十五人を束ねる担任の先生だ。
 生徒からの愛称は「生美ちゃん」だ。生徒から舐められていると思われるかもだが、私自身は意外とこの愛称を気に入っている。
 私は新米教師の割にはよくやっている方だと思う。自画自賛かよ。そう思われるかもしれないけれど本当に私はよくやっている。
 クラスの仕切り、通常授業、定期テストの準備、保護者会の準備、三者面談の予定組み、部活動の顧問、etc.
 そんな私の過酷な教師生活に変化があったのは、夏休み明けだった。
 私と共にクラスを受け持っていた担任の先生が、登校拒否なったのだ。
 何故、そうなったのか。理由までは、教えてもらえなかった。
「先生。おはよ~」
「おはよ~」
 登校中の生徒に挨拶され、成美は元気に挨拶し返す。
 生徒の間では、クラス一の問題児・羅猛 燐らもう りんに原因があるのではないかという噂がまことしやかに囁かれている。
 でも、私の中ではそれは違うと思う。
 担任の先生が来なくなってから間もなく時期に、彼女とサシで話したことがある。
 その時の感触からして、彼女は少し集団生活が苦手なだけなのだと自分の中で解釈した。
 というのも、小学校の頃から勉強、スポーツが得意だった彼女は何かとクラスでは浮く存在だったらしい。それが、彼女にとって途轍もなく嫌な事だったと聞いた。
 勉強、スポーツができるからと言って必ずしもクラスの人気者になるわけではない。
 尊敬の眼差しや嫉妬の眼差しなど色々な人間の感情が一気に向けられる。
 それは、私の経験から言える事だった。
 そして、彼女は私にこうも言った。
「今、勇逸、話があうのは、リリとバカ探偵だけ」と。
 リリというのは、クラスメイトの海部うみべ リリのことであり彼女もまた少し問題児的なところがある生徒だが、それよりも気になったのは、バカ探偵だ。
 バカ探偵の詳細を聞こうとしたが、彼女は「秘密」の一点張りで答えようとしなかった。
 今流行りのパパ活でもしているんじゃないか。そう思って本気で説得しようと思っていた矢先、同じ学年担任の先生から、バカ探偵の正体が聞けた。
 彼女は学校に来ない日は、例のバカ探偵と共に殺人事件を解決しているとかいないとか。
 真偽のほどは不明だが、パパ活ではないという事は断言できるというので信用することにした。
「おはようございます」
 職員室に入り、すれ違う先生皆に挨拶をする成美。
「はぁ~」と席に座ると同時に深いため息をついてしまう。
「生田先生。大丈夫ですか?」
 そう声を掛けてきたのは、教頭の柳沢やなぎさわ先生であった。
「はい。大丈夫です」
 笑顔で返事をする成美を見て「あまり無理をしないように。それとまだまだ慣れないことだらけだと思うから、他の先生も頼るようにね」と告げて、自身の机に戻っていった。
 柳沢先生は、新米教師の私にも優しく接してくれる良い教頭先生なのだ。
「生田先生。困っているなら、いつでも言ってよ! 手伝うからさ!!」
「ありがとうございます。でも、大丈夫です」と断りを入れた相手は生徒指導の先生でもあり、同じ二年生を担当する浜屋はまや先生。
 因みに先程、燐がパパ活をしていないと断言した先生は別の先生である。
 担当教科は歴史の癖に、年中ジャージ姿の体育会系のウザイ教師だ。
 正直、同僚の立場、生徒の立場からしても、私は好きになれないタイプだった。
「そうやって、すぐ若い人は断るから・・・・・・」
 まだ話を続けるのぉ~ と思いながら、職員会議が始まるまで適当な相槌を打つ成美。
「では、職員会議を始めます」柳沢先生の号令で職員会議は始まった。
「まず、生徒達の間で流行っているというホッバーについてですが・・・・・・」
 今、挙げられた議題が私の教師人生を大きく揺るがす大事件に繋がるとは、この時の私は知る由もなかった。
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