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第弐拾捌話-御祭
御祭-1
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「おはようございます!!!」
一人の女性警察官が横断歩道を渡る人達に挨拶するが、基本、返ってくることはない。
でも、彼女はめげずに道行く者に挨拶を続けていると。
「泉ちゃん。おっはよ~」と女子高生グループが挨拶をしてきた。
「おはようございます。でしょ。ちゃんと、挨拶しなさい!」
「はぁ~い」
「ごめんなさぁ~い」と口々に返事をして横断歩道を渡っていく。
「全く」と言いながら、少し嬉しくなる明野 泉巡査。
ここで交通安全指導で立つようになって早六か月。横断歩道を渡った先にある変蛇内高校の生徒達から泉ちゃんの愛称で呼ばれるようになって三ヶ月が経とうしていた。
何故、泉ちゃんの愛称で呼ばれるようになったかは割愛させて頂こう。
「信号変わりまぁ~す。止まってくださぁ~い!!」
明野巡査の忠告を無視して、点滅する信号が変わるまで歩行者は止まるのを辞めない。
信号が赤に変わり、信号待ちをする歩行者達。
ふぅーっと、ため息交じりに息を吐いていると「いずぅ~みぃ~ちゃん!」と声を掛けられる。
声の方を向くと、変蛇内高校の生徒・海部 リリと、ここ最近見かけるリリの友人であろう女子高生が立っていた。
「あ、りりちゃん。おはよう」
「おはよう! 泉ちゃん。今度の土日って仕事?」
「非番だけど。どうして?」
「今度の土日に文化祭があるんだけど来ない?」
「え? 良いの?」
「うん。泉ちゃんには、お世話になっているから感謝の意味を込めてね。はい、これ入場チケット」リリは明野巡査に入場チケットを渡す。
「ありがとう。絶対、行くから」
「じゃ、待ってるから」
信号が変わり、明野巡査は仕事に戻る。
「おはようございます!!!」と再び、道行く者に挨拶を始める。
「ねぇ、あの人有名なの?」
そうリリに質問したのは、リリの友人の羅猛 燐。
「燐は知らなくても当然だよね」
「なんか、その言い方ムカつくんだけど」
「泉ちゃんはね、今や変蛇内高校を誇るアイドルなんだよ」
「アイドルなの?」
「意外と男子人気高いんだよ。燐も気を付けないとアイドルの座、奪われちゃうよ」
「私、アイドルとかじゃないしぃ~」
燐はアカンベェーして、校舎に入って行く。
「え? 何? 今日、学校でこんな事があったの! って、わざわざ言いに来たの。俺がこのクソ忙しい時に」
私立探偵の熱海 長四郎はノートパソコンで報告書を作成しながら、吞気にジュースを飲みながらソファーに寝転がりテレビを見てくつろいでいる燐に嫌味を言う。
「クソ忙しいって言うけど、予定なんてスカスカじゃん」
燐は予定が何も書かれていないカレンダーボードを指さす。
「書いてないだけ。スカスカじゃないのよ。お前さんの頭と違ってな」
言うと同時に燐の投げたペットボトルが顔面にヒットし、椅子から転げ落ちる長四郎。
「痛たた。何すんだよ。ハンサムの顔が台無しになるだろ」
「いらないこと言うからだし。それにあんたはハンサムじゃないよ」
「失礼しちゃうよ。人の仕事は邪魔しに来るわ。悪口は言うわでさ」
「なんとでも、言えばぁ~」
「ホント、可愛くねぇな。このガキぁ」
「毎度のことでぇ~す。それでさ」
「おいおい、この流れで要件を良く話せるね」
「話せるよ」燐は腰掛けていたソファーから立ち上がって、長四郎に近づいてくる。
「な、なんだよ」身を縮こめ長四郎は警戒する。
「何、ビビッてんだよ。はい、これ」
燐は文化祭のチケットを机の上に置いた。
「変蛇内祭? 何? ラモちゃん遂におかしくなって変蛇内祭りですっぽんぽんで踊ったりするわけ?」
今度は、良い音を立てたビンタをもらい受ける長四郎。
「目ぇ覚めたぁ?」
「ああ、覚めた。覚めた」長四郎は文句の一つでも言ってやりたいと思ったが、次はどんな仕打ちが待っているのかと思うと怖くて何も言えなかった。
「今度の土日にあるから」
「来てよね。って事? いやだよ」
「なんでよ」
「良いか? 文化祭ってのはね、やる側は楽しいかもだけど、やらない側は基本何一つ楽しくないのよ。分かる?」
「つべこべ来なさいよね!!」
燐はそう言って、机に拳を叩き込む。
「はい。行かせて頂きます」
目に涙を浮かべた長四郎は素直に言う事を聞くのだった。
一人の女性警察官が横断歩道を渡る人達に挨拶するが、基本、返ってくることはない。
でも、彼女はめげずに道行く者に挨拶を続けていると。
「泉ちゃん。おっはよ~」と女子高生グループが挨拶をしてきた。
「おはようございます。でしょ。ちゃんと、挨拶しなさい!」
「はぁ~い」
「ごめんなさぁ~い」と口々に返事をして横断歩道を渡っていく。
「全く」と言いながら、少し嬉しくなる明野 泉巡査。
ここで交通安全指導で立つようになって早六か月。横断歩道を渡った先にある変蛇内高校の生徒達から泉ちゃんの愛称で呼ばれるようになって三ヶ月が経とうしていた。
何故、泉ちゃんの愛称で呼ばれるようになったかは割愛させて頂こう。
「信号変わりまぁ~す。止まってくださぁ~い!!」
明野巡査の忠告を無視して、点滅する信号が変わるまで歩行者は止まるのを辞めない。
信号が赤に変わり、信号待ちをする歩行者達。
ふぅーっと、ため息交じりに息を吐いていると「いずぅ~みぃ~ちゃん!」と声を掛けられる。
声の方を向くと、変蛇内高校の生徒・海部 リリと、ここ最近見かけるリリの友人であろう女子高生が立っていた。
「あ、りりちゃん。おはよう」
「おはよう! 泉ちゃん。今度の土日って仕事?」
「非番だけど。どうして?」
「今度の土日に文化祭があるんだけど来ない?」
「え? 良いの?」
「うん。泉ちゃんには、お世話になっているから感謝の意味を込めてね。はい、これ入場チケット」リリは明野巡査に入場チケットを渡す。
「ありがとう。絶対、行くから」
「じゃ、待ってるから」
信号が変わり、明野巡査は仕事に戻る。
「おはようございます!!!」と再び、道行く者に挨拶を始める。
「ねぇ、あの人有名なの?」
そうリリに質問したのは、リリの友人の羅猛 燐。
「燐は知らなくても当然だよね」
「なんか、その言い方ムカつくんだけど」
「泉ちゃんはね、今や変蛇内高校を誇るアイドルなんだよ」
「アイドルなの?」
「意外と男子人気高いんだよ。燐も気を付けないとアイドルの座、奪われちゃうよ」
「私、アイドルとかじゃないしぃ~」
燐はアカンベェーして、校舎に入って行く。
「え? 何? 今日、学校でこんな事があったの! って、わざわざ言いに来たの。俺がこのクソ忙しい時に」
私立探偵の熱海 長四郎はノートパソコンで報告書を作成しながら、吞気にジュースを飲みながらソファーに寝転がりテレビを見てくつろいでいる燐に嫌味を言う。
「クソ忙しいって言うけど、予定なんてスカスカじゃん」
燐は予定が何も書かれていないカレンダーボードを指さす。
「書いてないだけ。スカスカじゃないのよ。お前さんの頭と違ってな」
言うと同時に燐の投げたペットボトルが顔面にヒットし、椅子から転げ落ちる長四郎。
「痛たた。何すんだよ。ハンサムの顔が台無しになるだろ」
「いらないこと言うからだし。それにあんたはハンサムじゃないよ」
「失礼しちゃうよ。人の仕事は邪魔しに来るわ。悪口は言うわでさ」
「なんとでも、言えばぁ~」
「ホント、可愛くねぇな。このガキぁ」
「毎度のことでぇ~す。それでさ」
「おいおい、この流れで要件を良く話せるね」
「話せるよ」燐は腰掛けていたソファーから立ち上がって、長四郎に近づいてくる。
「な、なんだよ」身を縮こめ長四郎は警戒する。
「何、ビビッてんだよ。はい、これ」
燐は文化祭のチケットを机の上に置いた。
「変蛇内祭? 何? ラモちゃん遂におかしくなって変蛇内祭りですっぽんぽんで踊ったりするわけ?」
今度は、良い音を立てたビンタをもらい受ける長四郎。
「目ぇ覚めたぁ?」
「ああ、覚めた。覚めた」長四郎は文句の一つでも言ってやりたいと思ったが、次はどんな仕打ちが待っているのかと思うと怖くて何も言えなかった。
「今度の土日にあるから」
「来てよね。って事? いやだよ」
「なんでよ」
「良いか? 文化祭ってのはね、やる側は楽しいかもだけど、やらない側は基本何一つ楽しくないのよ。分かる?」
「つべこべ来なさいよね!!」
燐はそう言って、机に拳を叩き込む。
「はい。行かせて頂きます」
目に涙を浮かべた長四郎は素直に言う事を聞くのだった。
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