探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

文字の大きさ
524 / 760
第弐拾捌話-御祭

御祭-8

しおりを挟む
 警視庁へと帰庁した佐藤田警部補は、命捜班の部屋には戻らず鑑識課へと向かった。
 鑑識課の扉を開け目的の人物を探していると、その人物はすぐに姿を現した。
「あら、佐藤田さんじゃない。どうしたの?」
 そう話し掛けたのは、鑑識課の八雲やくも警部補だった。
「いやね。ほら、高校で爆破事件があったでしょ? あれの鑑識課の報告が聞きたくてさ」
「報告って。佐藤田さん、いつから刑事みたいな事をするようになったの?」
「刑事みたいって言うけどね、刑事なんだよ。こう見えても」
「そうだったのね。これからは頭の片隅にでも入れておくわ」
「それで、事件の事なんだけど・・・・・・」
「使われたのは、市販の打ち上げ花火ね。」
「打ち上げ花火?」
「そう。それを六個同時に起爆させた」
「時限式?」
「ええ、簡易的なものだけど、ご丁寧に自動発火装置が使われてたわ」
「珍しい物なの?」
「いえ、市販されているものだけど。溶接用バーナーとかに使うものだから、一般の人は買わない物にはなるわ」
「成程。ありがとう。ああ、それとさ、その自動発火装置は簡単に手に入るの?」
「佐藤田さん。今はネット通販の時代よ。簡単に手に入るわ。高校生でもね」
 八雲警部補はそう言って、部屋を出て行った。
「通販ね。取り敢えず、探偵さんに連絡っと」
 スマホを取り出した佐藤田警部補はそこで気づいた。
 長四郎の連絡先を聞かなかった事を。
「フッアックショーン!!!」
 長四郎の盛大なくしゃみが、廊下に木霊した。
「変なくしゃみしてどうしたの?」
「ラモちゃん、良い質問するね。多分、俺が格好いいとかなんとかどこかで噂されているんだよ」
「泉ちゃん。こいつの言う事は基本真に受けなくて良いから」
「分かった」と答える明野巡査は、ドヤ顔の長四郎を見て笑ってしまうのだった。
「やっと、笑ってくれたな」
「え?」
「いや、事件が起きてからずっと眉間に皺寄せた顔してたからさ。思わず、室井さぁ~んって呼びそうになっちゃったよ」
 長四郎は某俳優さんのモノマネを披露して見せる。
 だが、明野巡査は何のモノマネをしているのか分からず、苦笑して見せる。
「こいつのモノマネとか出てくるワードとか古すぎてよく分からないでしょ?」
「ラモちゃんも分からないんだ。良かった。分かってたら、どうしようかと思った」
「そんなの気にしていたら疲れますよ。で、変なロッカーってどれよ?」
 燐にそう聞かれた長四郎は眉間に眉を皺を寄せ「こっちだ」とこれまた某俳優のモノマネをしながら、二人をロッカーへ案内する。
 ロッカーは校舎の隅に置かれており、今にも廃棄されそうな年季の入ったロッカーであった。
「これが、受け渡し場所なの?」
「なんだと」燐の質問に素っ気なく答える長四郎。
「鑑識、呼びますね」明野巡査が電話をかけようとする手を掴む長四郎。
「何するんです?」
「鑑識呼んでも意味はないよ」
「どうしてですか?」
「どうしてって。俺が言った事忘れた? ここのロッカーを使っている生徒は」
「九割ですよね。でも、その中に犯人が」
「そんな訳ないでしょ。犯人は、ホッバーを作った奴だろうな」
「ホッバーを作った奴? つまり、この学校の生徒って事?」
「あるいは、卒業生。使っている人間はこの学校の人間なのは間違いないんだ。で、ここからが大変なんだ。どうやって、ホッバーの製作者にたどり着くかだ」
「そんなの大元のサーバーの契約者を調べたら分かるんじゃない?」
「ラモちゃん。学校が舞台だと冴えているねぇ~」
「あんたが冴えていないだけよ」
「探偵さん。ホッバーについて調べてもらいましょう」
「泉ちゃん。やる気満々だな」
「当たり前ですっ!!」
 明野巡査は顔をキリッとさせて、本庁に連絡した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

商人の男と貴族の女~婚約破棄から始まる成り上がり~

葉月奈津・男
恋愛
「あなたとの婚約、破棄させていただきます!」 王立学院の舞踏会。 全校生徒が見守る中、商家の三男カロスタークは、貴族令嬢セザールから一方的に婚約破棄を突きつけられる。 努力も誠意も、すべて「退屈だった」の一言で切り捨てられ、彼女は王子様気取りの子爵家の三男と新たな婚約を宣言する。 だが、カロスタークは折れなかった。 「商人の子せがれにだって、意地はあるんだ!」 怒りと屈辱を胸に、彼は商人としての才覚を武器に、静かなる反撃を開始する。 舞踏会の翌日、元婚約者の実家に突如として訪れる債権者たち。 差し押さえ、債権買収、そして“後ろ盾”の意味を思い知らせる逆襲劇が幕を開ける! これは、貴族社会の常識を覆す、ひとりの青年の成り上がりの物語。 誇りを踏みにじられた男が、金と知恵で世界を変える――!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

恋い焦がれて

さとう涼
恋愛
小学校時代の担任教諭・佐野に七年ぶりに再会し、話の流れで佐野の恋人へのエンゲージリングを選ぶために一緒にジュエリーショップに行くことになってしまった二十歳の女子大学生・輝。 最初はそんなつもりはなかったのに、次第に佐野を意識してしまうようになり、自分でも困惑してしまう。 必死に自分の想いを打ち消そうとする輝。 だけど佐野も恋人との関係に悩んでいるようで、複雑な想いを抱え続けることになる。 そんな輝を見守る(ちょっかいをかける?)バイト先の店長。 さらに佐野の恋人は意外な人物で、輝は大混乱。 ※ドロドロではなく純愛系を目指していますが、ビターテイストなお話です ※理想的で格好いいヒーローではありません(…すみません) ※調べながら執筆をしているのですが、無知なところも多々あるので、間違っているところがありましたら教えてください。ツイッターでも受け付けています。 https://twitter.com/SATORYO_HOME

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...