探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第弐拾捌話-御祭

御祭-7

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「校舎に入って何するのよ?」
 燐の問いに答えることはなく長四郎はつかつかと廊下を歩く。
「探偵さん、何する気なんだろ?」
「さぁ?」
 燐の解答にこんな適当な二人が事件を解決してきたのかと疑いを持つ明野巡査であった。
「さ、ここからはラモちゃんの出番だぜ」
 校舎と校舎を繋ぐ渡り廊下の途中で急に立ち止まった長四郎はそう告げた。
「いきなり何言い出す訳?」
「ラモちゃん、泉ちゃんに活躍の場を与えようかななんて思ったりして」
「あんたに与えてもらう必要はないし。つーか何様だよ」
「まぁまぁ、ラモちゃん。落ち着いて。それで、私達に何をしろと?」
「今現在で残っている生徒から、事件当時の行動聞いてきて欲しい。出来ればここら辺をうろついていた生徒から」「
「渡り廊下でうろついていた生徒って。ここは出し物してないし、一般の人だって通るんだよ。それなら、一般の人からも話を聞くべきじゃない?」
「一般の人に聞いたって、意味はないな」
「なんで?」
「だって、一般の人からしてみりゃこの学校の生徒を知っているとは限らんのよ。それに、現役の生徒だったら一般の人だろうが在校生だろうが不審人物の区別つくだろ?」
「確かに」と納得する明野巡査。
「という事で、聞き込み宜しく!!」
 長四郎は二人の肩をポンっと叩いて、すたこらさっさと足早に消えていった。
「何、あいつ?」
「ラモちゃん。私達は私達の仕事をしましょう」
「はぁ~い」
 斯くして、燐と明野巡査による聞き込みが開始された。
 燐と明野巡査は二時間近くかけて、聞き込みを行ったが大した収穫は得られなかった。
「どうでした?」
 ベンチに座りうなだれる燐が成果を聞くと「知らない。分からないの答えばっかり。そっちは?」と聞き返す。
「Me too. です。何が事件に繋がる情報が得られるだよ」
 燐は悪態をつくと、明野巡査も賛同するようにうんうんと頷いた。
「ねぇ、今回の犯人は探偵さんの言う通りここの生徒の仕業だと思う?」
「私的には、五分五分かなと。人の出入りが激しいですから、この学校の制服を着た部外者の可能性だってありますから」
「そうだよね・・・・・・」
「私こそ聞いても良いですか?」
「何?」
「なんで、うちの学校の生徒に肩入れするんですか?」
「それはね」明野巡査が言いかけたその時、「ここに居たのか。探したよ」と今まで消えていた長四郎が戻ってきた。
「あんた、どこに行ってたのよ」
「どこって・・・・・・ まぁ、色々な場所を転々とな」
「まさかとは思うけど、出店で買い食いしていたんじゃないでしょうね?」
「そ、そんな訳ないでしょ。それより、良い情報を聞けたぜ」
「本当ですか。探偵さん」
「ああ、どうやらなあの爆弾の材料を買っていたのはここの生徒らしい」
「つまり、犯人はこの学校の生徒って事?」
「ラモちゃん、結論を出すにはまだ早いし。話に続きがあるの」
「続き?」
「これが分かった理由知りたくない?」
「勿体ぶらずに教えなさいよ」
「そうですよ」
「実はさ、学校をうろついていたら変なロッカーを見つけてな。近くを通りがかった生徒に聞いたのよ。そしたら、そのロッカーは、生徒がアルバイトに使うロッカーなんだと」
「ちょっと、待って。校内でバイト? どういう事?」
「気になるよな。だから、俺はそのロッカーをよく利用する生徒を紹介してもらってな。そうしたら、この学校の生徒、御用達のAIホッバーに辿り着いたんだよ?」
「AIとアルバイトがどう関係しているんですか?」
「泉ちゃん。それをこれから調べるのよ」
「なんだ。大袈裟な事言って、そこまでしか分からないんじゃない」
 燐の嫌味に動じることのない長四郎は、チッチッチッというジェスチャーをして見せる。
「聞け出せてもう一つ分かったことがあるんだな」
「分かった事?」
「そう。ラモちゃんが学校に馴染めてない事がな。なんとまぁ、そのホッバーは全校生徒の約9割の使用率らしいのよ。知らないラモちゃんは、如何に学校をサボっているかが分かるよな」
「ねぇ、言いたい事はそれだけ?」
「え?」
 長四郎の顔に燐、渾身のストレートパンチが浴びせられるのだった。
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