探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

文字の大きさ
526 / 760
第弐拾捌話-御祭

御祭-10

しおりを挟む
 燐は三年生の教室がある2階へと移動し、成美が教えてくれた不審な生徒を探し始めるのだが、三年生はほぼ片づけを完了させており残っている生徒は少なかった。
 参ったな。そう思いながら燐は、三年生の教室を覗いて件の生徒が居ないか確認する。
 三年生のクラスを確認し終え肩を落とした燐は、2階のフロアを出て行こうとしたとき、「ねぇ、君」と声をかけられた。
 振り返ると、男子生徒がニヤニヤした顔で燐を見ていた。
 大方、告白しにきた女子生徒と勘違いしたのだろう。そう思いながら燐は「はい」と返事だけする。
「誰かに告白しに来たの?」
「あ、そんな所ですぅ~」
「え、誰? 誰?」
「えっとぉ~ 名前は分からないんですけど。首にほくろが」
「首にほくろ? 知っている奴にいたかなぁ~」
 一生懸命に考えている男子生徒に心の中で使えない奴だなよと思う燐。
「ごめん。分かんないや。なんで、名前も知らない奴に告白すんの? 普通、名前調べない?」
「私、痴漢されている時に助けて頂いて名前をお聞きしたんですけど。教えてくれなくて」
「あ、そうなんだ。君、痴漢されたんだ」
 そう言う男子生徒はいやらしい目で燐のお尻に視線を向ける。
 その瞬間、燐は男子生徒を蹴り上げる。
 一瞬の合間に気を失い男子生徒は崩れ落ちる。
「ったく、ゴミが!!」
 そんな燐を見つめる視線を感じ振り向くと、顔を真っ青にした長四郎が梁を壁にしてその光景を見ていた。
「何よ」
「何でもありませんっ!!」
 長四郎は首を横に振って、自身の身を守る素振りを見せる。
「あんた、ここで何してるの?」
「いえ、何も」
「手伝いなさいよ」
「は、はいっ!! 喜んで!!」
 長四郎は居酒屋の店員のような返事をする。
 燐から不審な生徒の話を聞いた長四郎は早速、職員室に移動しその生徒を探す為の行動を開始した。
「さぁ、ラモちゃんの出番だぜ」
「OK. 任せて」
 燐は職員室に入り、三年生を担当する先生達が居る席へと向かう。
 だが、目的の先生達は事件の対応に追われており、燐の目的が果たせる状況ではなかった。
「どうした? 羅猛」
 そう声をかけたのは生徒指導の浜屋であった。
「あ、先生でいいや」
「なんだ。その言い方は!?」
「あんたとここでやり合う気はないし、お願いがあるんだけど」
「お願いの前に。目上の人に物を頼む態度じゃないだろ?」
「はいはい。ごめんなさい。私が悪うござんした」
「お前なぁ!」
「ああ、すいません。私から注意しておきますから」
 ここで成美が二人の間に割って入った。
「生田先生。ちゃんと、指導してください」
「はいっ! すいません。言い聞かせておきますから」
「頼みましたよ」
 浜屋は成美にそう言って、掛かってきた電話を不機嫌そうに取る。
「先生。お願いがあるんだけど」
 成美が注意しようとする前に燐は話を切り出した。
 斯くして、成美の協力を得て教員が所有する生徒指導名簿を見せてもらえる事になった。
「これが、三年生の生徒指導名簿です」
 成美は分厚いファイルを会議室の机に置いた。
「お手数おかけし、申し訳ありません」
 長四郎は成美に頭を下げる。
「いえ、事件解決の為ですから」
「では、拝見します」
 長四郎はファイルを開き、物凄いスピードでページを読み進めていく。
「凄い・・・・・・・」
 感心しながら長四郎の作業を見つめる成美に対して、燐は若くて綺麗な先生の前でカッコつけやがってと思う。
「この子だな」
 長四郎は成美が怪しいと睨んだ生徒を見つけ出した。
国巳 豹牙くにみ ひょうが
「ねぇ、なんでこの人が先生の言う生徒だって言えんの?」
「ラモちゃん。趣味の欄、見てみ」
 長四郎にそう言われて燐と成美は、趣味・特技の欄に視線を移す。
「趣味・特技 プログラミング。あ、そういうことか!」
 燐は長四郎の言う意味に気づき納得するのに対して成美は意味が分からず顔をしかめその理由を考えるのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

商人の男と貴族の女~婚約破棄から始まる成り上がり~

葉月奈津・男
恋愛
「あなたとの婚約、破棄させていただきます!」 王立学院の舞踏会。 全校生徒が見守る中、商家の三男カロスタークは、貴族令嬢セザールから一方的に婚約破棄を突きつけられる。 努力も誠意も、すべて「退屈だった」の一言で切り捨てられ、彼女は王子様気取りの子爵家の三男と新たな婚約を宣言する。 だが、カロスタークは折れなかった。 「商人の子せがれにだって、意地はあるんだ!」 怒りと屈辱を胸に、彼は商人としての才覚を武器に、静かなる反撃を開始する。 舞踏会の翌日、元婚約者の実家に突如として訪れる債権者たち。 差し押さえ、債権買収、そして“後ろ盾”の意味を思い知らせる逆襲劇が幕を開ける! これは、貴族社会の常識を覆す、ひとりの青年の成り上がりの物語。 誇りを踏みにじられた男が、金と知恵で世界を変える――!

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

恋い焦がれて

さとう涼
恋愛
小学校時代の担任教諭・佐野に七年ぶりに再会し、話の流れで佐野の恋人へのエンゲージリングを選ぶために一緒にジュエリーショップに行くことになってしまった二十歳の女子大学生・輝。 最初はそんなつもりはなかったのに、次第に佐野を意識してしまうようになり、自分でも困惑してしまう。 必死に自分の想いを打ち消そうとする輝。 だけど佐野も恋人との関係に悩んでいるようで、複雑な想いを抱え続けることになる。 そんな輝を見守る(ちょっかいをかける?)バイト先の店長。 さらに佐野の恋人は意外な人物で、輝は大混乱。 ※ドロドロではなく純愛系を目指していますが、ビターテイストなお話です ※理想的で格好いいヒーローではありません(…すみません) ※調べながら執筆をしているのですが、無知なところも多々あるので、間違っているところがありましたら教えてください。ツイッターでも受け付けています。 https://twitter.com/SATORYO_HOME

不思議なショートストーリーたち

フジーニー
ミステリー
さくっと読める短編集 電車内の暇つぶしに、寝る前のお供に、毎日の楽しみに。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...